投資家の目線

投資家の目線110(フジテックのエレベーター)

 フジテックのエレベーター部材で強度不足が見つかった。2007年6月28日(同社株主総会の翌日、2000年の雪印乳業の集団食中毒事件も株主総会の直後だった)に取引業者から指定された麹゙と異なるものを納品していたと報告されて検証したところ、期間2002年9月~2007年6月に製造されたなかで560台は補強工事が必要とのことである。
 2007年3月期連結財務諸表によれば、同社の現預金は233億円、投資有価証券は87億円で合わせると総資産の1,228億円の約1/4を占める(有利子負債は149億円)。また、同期のフリーキャッシュフロー(営業活動によるキャッシュフロー41億円+投資活動によるキャッシュフロー ?0億円で計算)は11億円のプラス、その前の期も12億円のプラスである。
 中部電力では発電設備に関するデータが改ざんされる一方、以前に電力事業と関係のない中国古陶磁を(当時の会長が取締役会を通さず)買い付ける事件があった。これらを見ると、経営者に多額のキャッシュを預けても必ずしも製品やサービスの安全にはつながるものではないといえる。これで経営陣は投資家の増配要求を拒否する理由を1つ失った。
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・先週、村上ファンド事件の判決があった。当時ライブドア社の従業員だった宮内氏の証言の信用性は高いとしながら、11月8日の打合せにおいてニッポン放送株を大量購入すると村上被告が認識したとは思わないという部分は採用しないとはねえ。また2月12日に記述した通り同社の熊谷証人は「村上被告がインサイダーになるのなら、大手証券会社はすべてそうなる」という証言している。金融実務に過剰な制約がかかるようになっては、せっかく金融特区を創設しても使い勝手が悪く意味はない。
 そういえば、月刊現代2006年9月号「「フジテレビ最大のタブー」衝撃の真相!-日枝久会長「インサイダー疑惑」の全構図」 の件はどうなるのかな?この件は7月23日の日経金融新聞一面でも指摘されていたが。
・NHKがBS-hiを廃止すると報じられている。BSより地上波の合理化を望む。さらに、プロ野球のオーナー会議がNHKニュースの時間帯でもっとプロ野球を取り上げるよう要望するようだ。確かに大リーグ報道偏重は感じるが、テレビ受信機保有者から受信料を徴収して成立するNHKが、プロ野球関連団体のような一部勢力の要請があったからといって、彼らに特別の利益を提供するのは好ましくない。

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