「外交 下」(ヘンリー・A・キッシンジャー著、岡崎久彦監訳、日本経済新聞社)には、「ソ連邦に唯一残されていた同盟は東ヨーロッパの衛星国であったが、ブレジネフ・ドクトリンで暗に示されたソ連邦の力の脅威によってソ連邦に従ってはいたものの、ソ連邦の富を増加させるどころか、枯渇させたのであった」と記されている。現に昭和46年「年次世界経済報告 転機に立つブレトンウッズ体制」(昭和46年12月14日 経済企画庁)には、『「社会主義的国際分業」の軸である機械のソ連・東欧間の輸出入をみると,(略)ソ連側の輸入が輸出を上回っている。(中略)東欧先進国からの機械輸入はなお多額にのぼり,輸出の約2倍となっている』と書かれている。
朝貢貿易は持って行った貢物以上のお返しが貰えるため、貢物を持って行った国の方の利益が大きい。第2次大戦後の米国の関税引き下げは、同盟国にとって朝貢貿易と同様の効果があったのではないだろうか?西側同盟国という「疑似朝貢体制」を終わらせようとするトランプ大統領は、米国版ミハイル・コルバチョフのように見える。
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