投資家の目線

投資家の目線681(逆日歩予測システム)

 野村総研が逆日歩の発生を予測するサービスを提供するという(「株の空売りコスト予測、野村総研、証券会社向け、株借り入れ、逆日歩。」 2018/7/18 日経産業新聞)。投資家が証券会社から株式を借り、保有していない株式を売建てる取引を空売りという。空売りに必要な株式を確保できないとき、証券会社は証券金融会社から株式を借りる。逆日歩とは、売建て注文が多すぎる場合、証券会社に貸し出す株式が不足した証券金融会社が機関投資家などからその株式を調達した時に、入札で決定した、貸し手である機関投資家等に支払われる手数料率(品貸料率)のことである。

 インプリメンテーション・ショートフォール法(委託手数料以外の取引コストをスプレッドコスト(執行価格と最良気配値の差)、マーケットインパクト(最良気配値にある株数より取引株数が多いことによって約定価格が不利になるコスト)、タイミングコスト(投資判断から取引執行まで時間がかかることによる価格変動コスト)、機会コスト(予定数量を約定できなかったことによるコスト)に要因分解する手法)などの執行コストの評価法を用いて取引コストを最小限にする機関投資家向けサービスなども出現している。資産運用の手法が精緻化するにしたがって、取引コストの問題もクローズアップされているようだ。
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