岸田首相が国賓待遇で訪米する。岸田首相は、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏と会見するのだろうか?「マイライフ クリントンの回想 アメリカンドリーム 上巻」(ビル・クリントン著 楡井浩一訳 朝日新聞社 p686)によれば、ブッシュ米大統領との会談のためワシントンを訪れたロシアのエリツィン大統領は、民主党の大統領候補のビル・クリントン氏と会見している。「一国の首脳が外国を訪ねる際には反対政党の幹部との会見するのが通例だ」という。もっとも、エリツィン氏は今回落選しても前途は有望だといい、ブッシュ大統領が再選されるものと思っていたようだが。
2016年、通例に反し、安倍首相は民主党のヒラリー・クリントン候補とだけ会談を行った(「安倍晋三首相とヒラリー氏の会談、米大統領選直前に異例 にじむトランプ氏への不信感、日米同盟崩壊への危機感」 産経新聞 2016/9/20)。その結果、ゴルフクラブを手土産に当選したトランプ氏に会いに行くことになった(「安倍総理とドナルド・トランプ次期米国大統領との会談」 2016/11/18 外務省HP)。
国賓待遇は、日本のウクライナ支援継続とのバーターだろうか?ウクライナ大統領府は、オレクシー・ダニロフ国家安全保障・国防会議書記を解任した(「ウクライナ、安保担当高官を解任 態勢立て直しか」 2024/3/27 日本経済新聞電子版)。『中国の特別代表「ごとき」にロシアとの停戦交渉を主導する権限はないとし、同代表を卑猥な表現でののしった』(『中国の特別代表「ごとき」にロシアとの停戦交渉は主導できない=ウクライナ政府高官』 2024/3/21 sputnik)ことが解任の理由とも言われている。ダニロフといえば、以前、アジア人(そのときはロシア人のこと、「ロシア人の皮をはぐと、タタール人が出てくる」というぐらい、欧州ではロシア人をアジア人に分類している)を蔑視する発言の映像がXに流れていた。今回の中国代表に関する発言もアジア人蔑視によるものだ。アドルフ・ヒトラー著「わが闘争 上」(平野一郎・将積茂訳 角川文庫 p415)で、日本を含む東部アジアの人種を『おそらく「文化支持的」と呼ばれうるが、けっして「文化創造的」と呼ばれることはできない。』とある通り、アジア人だけではないが、アーリア人以外への侮蔑はナチズムの特徴である。
日本国籍保有者は圧倒的多数がアジア系である。欧米政府との付き合いを優先するからといって、アジア人を蔑視するウクライナ指導層などを支援する価値はあるのだろうか?