株安が続いていたせいか、保有株式で損を出す企業が目立つ。昨年に続いて損益計算書で「投資有価証券評価損」を出したり、貸借対照表の純資産の部「その他有価証券評価差額金」が大幅マイナスになったりしている企業を見ると、さすがに経営陣に疑問を持たざるを得ない。株式持合いによる害悪だろう。議決権行使をするうえでの判断基準のひとつとしたい。
先週、日本経済新聞朝刊で2009年株主総会の特集が組まれていた。18日のポイント解説は株主提案の手続きが煩雑になったことだった。株券電子化に伴い複数の株主で共同提案するとき、『各株主が証券会社などを通じて株主であることを証明する「個別株主通知」を企業に送付してもらう必要』(同紙)が出てきたためだ。個人が集団で株主提案しにくくなったからといって、株主による経営へのチェックが不要になるわけではない。株主と経営陣には企業情報に対して非対称性があると考えられ、チェックを怠れば経営陣自身にとって有利な判断が行われかねないためだ。それを防ぐには、むしろ投資ファンドのような大株主がリーダーとなり株主提案などで経営陣をけん制していく必要性が高まってくるように思う。
また、19日の同特集には議決権行使結果の、より詳細な開示を検討する企業が増えているという記事もあった。今まで賛否の割合が不透明だったので、開示されるのは歓迎だ。
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