先日,前の職場で同僚だったあやちゃんと
久しぶりに電話で話した。
あやちゃんは,私が独身時代に働いていた音楽教室の
2年先輩の講師だった。
でも年齢は同じなのと,Aちゃんの気さくな性格に甘えて,
「Aちゃん」と呼び,いつもつるんでは精力的に一緒に遊んでいた。
Aちゃんは,嫁いでからは栃木県民となり,
滅多に会えることがなくなってしまったが,
久しぶりに話しても,ブランクを感じさせることなく話がはずむ。
それにしても彼女とはよく遊んだ。
以前書いたが,早起きしてスキーへ出かけ(近いので),
回数券分滑って帰ってからレッスンしたり,
逆に土曜日のレッスンが終わった後すぐにスキー場へ出かけ
そのままオールナイトで滑ってきたり,と
「どんだけ体力有り余っとんねん」
という遊び方をしていた。
また,一緒にコンサートへもよく行った。
落語も聴きに行った。
服の趣味も似ていたので,買い物もよく行った。
お互い椎名誠が大好きなこともあり,
椎名誠主催の林間学校へ山形まで行ったりもした。
あの頃の思い出はAちゃんとともにある,と言っても過言ではない。
Aちゃんは天然である。
(申し訳ないくらい言い切ってしまった)
音楽教室は春に大きな発表会があるのだが,
その前日にそれぞれが稼働している教室から
分担して打楽器を持ってくることになっていた。
Aちゃんは大太鼓を持ってくる担当になっていた。
発表会の朝,楽器を並べていたところ,
どこを見渡しても大太鼓がない。
なんと,Aちゃんはころっと忘れていたのだ!
小さな楽器ならまだしも,あんな大物を忘れるとは!!
(なかなかああいう大きい楽器は普通は忘れないものなのです)
当時,怖くて怖くて,私たち若手がみんな恐れおののいていた,
T先生という方がいらして,よくみんな泣かされていたのだが,
そのT先生がAちゃんにむかって鬼の形相で
「A〜〜〜〜〜〜さんッッッ!!!!」
と怒鳴ったあの声が今も私の耳に焼き付いていて
夜うなされそうになるほどだ。
また一昨年の事なのだが,Aちゃんの娘さんが
エレクトーンのコンクールに出るにあたって,
何かいい曲はないか,と相談を受けた。
私が書いた楽譜で良かったら,と何曲か送ってあげた。
Aちゃんは,たいそう喜んでくれて,
お礼の品物を送ってきてくれた。
それは,ちょうど,あの「中国製毒入りギョウザ事件」が
起こった直後,日本列島が震撼している真っ只中だった。
ああ,そんなタイムリーな時に彼女が送ってきてくれたのは
「宇都宮餃子」!!
これは凄かった。
私はAちゃんの天然ぶりはよーくわかっていたので,
むしろかなり笑えて楽しませてもらったのだが,
驚いていたのはうちの義母。
私が仕事から帰宅したら待ち構えたように飛び出してきて
「あさひちゃん,こういうものが送ってきたけど
アンタ,何か心当たりあるッ!?」
と詰問された。
宇都宮餃子,相当美味しかった!!!
ちょっと宇都宮へ遊びに行きたくなったくらい。
Aちゃんは明るくて屈託がなくてノリが良くて
本当に素敵な友達だ。
話すといつも元気をもらえる。
そんなAちゃん,今は図書館で働いている。
本好きというのも私たち二人の共通点なのだが,
図書館勤めというのは,私たちの憧れの仕事のひとつだ。
Aちゃんはこう言った。
「願っていることって思い続けてたら叶うんやなぁ,って思ったわ。」
なんだか,じーんとするいい言葉だった。
また,Aちゃんの優しい語り口にとってもよく似合っていた。
Aちゃん,ありがとう。
また元気が出たよ。
絶対,宇都宮へ遊びに行くからね。
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