日曜日は三月の歌舞伎座公演の千秋楽を観劇。お目当ては仁左衛門丈と玉三郎丈共演の第三部 「菅原伝授手習鑑」より「道明寺」の段。
最近、とみにフォーマル度の高まっている歌舞伎座。この日は千秋楽ということもあり、雨かも?という予報にもかかわらず、館内は着物姿があふれていた。全体としてあっさりめの色無地や付け下げに袋帯が多かったかな?季節柄、桜モチーフが目についた。
散々悩んだ私のコーディネートはこんな感じに。
最近、登場回数の多い(たぶん)紅花紬。
この日の演目の主人公である菅原道真公にちなんで梅尽くし。
半襟には梅の刺繍。長襦袢も梅柄。
そして帯も。
前の日記「悩める季節」を読まれた方は、「あれ?」と思われたかもしれない。梅柄は小物にして帯は諦めたんじゃなかったのか?と。
そう、一度は諦めたのに、実は運命的出会いがあったのだった。
金曜日、会社帰りに「茶席の着物フェア」を開催中の「銀座あおき」にふらふらと立ち寄った私。いいものあったら・・・ぐらいの気持ちだったのだけれど、正直、そのときはセール対象の江戸小紋や色無地にこれというものはなかった。ところが棚の奥のほうで、前々からいただきものの大島紬にあわせるためにほしいと思っていた水色の帯がのぞいていたのだ。
私のワードローブにはない縮緬の染め帯。林真理子氏の著書でも有名になった「志ま亀」のものだという。以前に「あおき」のWEBで紹介されていた記憶がある。私も気に入ったけど、リサイクルとしては結構なお値段で、ためらっているうちに売れてしまったはず。そうお店の方に尋ねると、一度売れたもののカード決済ができず、結局キャンセルになった商品らしい。
「カード決済ができない」・・・なんと身につまされる言葉か!
しかし、私はこの日の運命の出会いを無視することはできなかった。おりよくも梅の柄が入っている。これは週末の歌舞伎座にもぴったり!ああ、またやってしまった…。
お太鼓には梅と菊の柄
前帯は梅と菊が裏表に。肝心の前帯の梅柄は「関西巻き」にすると出るようになっており、慣れぬ巻き方に当日は大苦戦。そんなわけですっかり約束の時間に遅れてしまったのだった。
歌舞伎の感想だが、まず「道明寺」。先代の片岡仁左衛門と守田勘弥追善ということで、当代仁左衛門丈と玉三郎丈の美しい二人が主演。ただ玉三郎丈は白髪のおばあさん役。美しく着飾った玉三郎丈じゃないのが残念~と思ったのだけれど、こんなきれいなおばあさん見たことない!特に立ち居振る舞い。敵役を刺しながら階段を上る姿なんぞ、そのまま永遠に眺めていたいほど美しく決まっていた。
「菅原~」は何度か見たことがあるものの、菅丞相が出てくる段は実はほとんど見たことがない。当代仁左衛門丈の当たり役ではあるが、今回始初めてみる次第。何ともいえない品のある仁左衛門丈の菅丞相にもうっとり。まるでお雛様みたいですなあ。
この段、菅丞相が主人公ではあるが、描かれているのはその養女の苅屋姫の実家の騒動。
歌舞伎が長年、日本人に愛され、何度も危機を迎えながらも今まで残ってきたのは、歴史上の人物を描くに止まらず、むしろその影に隠れた大衆の話をとりあげているからではないだろうか。今日の話にも、そうした思いを強めたしだい。
さて二人の美しさを堪能はしたものの、実は肝心の筋のほうはきれぎれの記憶。わたくし、この日、完全な寝不足のうえ、朝からスポーツクラブで踊ってきたのでへとへと。意識もところどころ飛んでしまう状態。
続く「石橋」も、勇壮な演目なのでいつもならしっかり起きていられるのに、やはりよく覚えていない。ああ、なんてもったいない。その中で富三郎丈の孫のような子供、鷹之資くんの子供らしからぬ踊りのうまさだけは良く覚えている。
「道明寺の桜餅」も大好物の私。菅公の遺品もあるというこのお寺、「菅原」を名乗る私としても、一度訪れてみたいなあ。
goo ブログ
最近、とみにフォーマル度の高まっている歌舞伎座。この日は千秋楽ということもあり、雨かも?という予報にもかかわらず、館内は着物姿があふれていた。全体としてあっさりめの色無地や付け下げに袋帯が多かったかな?季節柄、桜モチーフが目についた。
散々悩んだ私のコーディネートはこんな感じに。
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この日の演目の主人公である菅原道真公にちなんで梅尽くし。
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前の日記「悩める季節」を読まれた方は、「あれ?」と思われたかもしれない。梅柄は小物にして帯は諦めたんじゃなかったのか?と。
そう、一度は諦めたのに、実は運命的出会いがあったのだった。
金曜日、会社帰りに「茶席の着物フェア」を開催中の「銀座あおき」にふらふらと立ち寄った私。いいものあったら・・・ぐらいの気持ちだったのだけれど、正直、そのときはセール対象の江戸小紋や色無地にこれというものはなかった。ところが棚の奥のほうで、前々からいただきものの大島紬にあわせるためにほしいと思っていた水色の帯がのぞいていたのだ。
私のワードローブにはない縮緬の染め帯。林真理子氏の著書でも有名になった「志ま亀」のものだという。以前に「あおき」のWEBで紹介されていた記憶がある。私も気に入ったけど、リサイクルとしては結構なお値段で、ためらっているうちに売れてしまったはず。そうお店の方に尋ねると、一度売れたもののカード決済ができず、結局キャンセルになった商品らしい。
「カード決済ができない」・・・なんと身につまされる言葉か!
しかし、私はこの日の運命の出会いを無視することはできなかった。おりよくも梅の柄が入っている。これは週末の歌舞伎座にもぴったり!ああ、またやってしまった…。
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前帯は梅と菊が裏表に。肝心の前帯の梅柄は「関西巻き」にすると出るようになっており、慣れぬ巻き方に当日は大苦戦。そんなわけですっかり約束の時間に遅れてしまったのだった。
歌舞伎の感想だが、まず「道明寺」。先代の片岡仁左衛門と守田勘弥追善ということで、当代仁左衛門丈と玉三郎丈の美しい二人が主演。ただ玉三郎丈は白髪のおばあさん役。美しく着飾った玉三郎丈じゃないのが残念~と思ったのだけれど、こんなきれいなおばあさん見たことない!特に立ち居振る舞い。敵役を刺しながら階段を上る姿なんぞ、そのまま永遠に眺めていたいほど美しく決まっていた。
「菅原~」は何度か見たことがあるものの、菅丞相が出てくる段は実はほとんど見たことがない。当代仁左衛門丈の当たり役ではあるが、今回始初めてみる次第。何ともいえない品のある仁左衛門丈の菅丞相にもうっとり。まるでお雛様みたいですなあ。
この段、菅丞相が主人公ではあるが、描かれているのはその養女の苅屋姫の実家の騒動。
歌舞伎が長年、日本人に愛され、何度も危機を迎えながらも今まで残ってきたのは、歴史上の人物を描くに止まらず、むしろその影に隠れた大衆の話をとりあげているからではないだろうか。今日の話にも、そうした思いを強めたしだい。
さて二人の美しさを堪能はしたものの、実は肝心の筋のほうはきれぎれの記憶。わたくし、この日、完全な寝不足のうえ、朝からスポーツクラブで踊ってきたのでへとへと。意識もところどころ飛んでしまう状態。
続く「石橋」も、勇壮な演目なのでいつもならしっかり起きていられるのに、やはりよく覚えていない。ああ、なんてもったいない。その中で富三郎丈の孫のような子供、鷹之資くんの子供らしからぬ踊りのうまさだけは良く覚えている。
「道明寺の桜餅」も大好物の私。菅公の遺品もあるというこのお寺、「菅原」を名乗る私としても、一度訪れてみたいなあ。
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いよいよ歌舞伎座もあと少し…私もどうにか行けることになったので、今から楽しみです
11時過ぎまでとはさすが!お若いですなあ。
あの後私たちは11時過ぎ迄飲んで騒いでました、笑