地球環境への配慮や室内環境の衛生面からオール電化住宅が注目を集めています。
オール電化はもともと、高層マンションなど、ガス器具が使えない住戸への代替熱源とされていましたが、IHクッキングヒーターや給湯器エコキュートが開発され、火災発生リスクが軽減され、夜間電力利用で給湯のランニングコストが安いなどの理由で普及が進んでいます。
その一方で、ガス会社は、天然ガスで発電し、同時に発生する排熱を給湯や暖房に利用する家庭用コージェネレーション(熱電併給)システムエコウィルを開発しました。(エコウィルは電力を併用します)
家庭によって条件が違うので、どちらが経済的なのかは判断の難しいところです。
どちらかを推薦するのが目的ではありません。
クライアントや私の体験をメモしておきます。
■都市ガスの供給地域のマンションからオール電化の一戸建てへ移られたクライアントの場合
床暖房使用でも、冬場の光熱費がマンション住まいの頃と変わらないということです。
■都市ガスの供給が無い地方のクライアントはオール電化を選択。
冬場のエネルギーコストは床暖房(夜間電力料金を利用して早朝に部屋を暖める)をしても大幅に下がった。以前の暖房はプロパンガスストーブを使用。
■郷里で一人暮らししていた母は給湯を都市ガス使用の給湯器でまかなっていました。
冬場の電気料金(IHクッキングヒーターと床暖房使用、200V契約、割引無)、ガス料金を合わせると・・・目を疑う金額でした。
これは最悪の例です。契約時の料金設定で電気料金は大きく変わります。
■IHクッキングヒーターについて
火力が強くて快適、掃除が楽、と言われるクライアントが多いです。
自称うっかり屋のうちのかみさんの母親は当初はタイマーセットができると喜んでいましたが、今は、電気料金が高いと言っています。
■阪神淡路大震災のとき、
私の住む町では、電気はすぐに復活しましたがガスが使用できるまで1~2ヶ月を要しました。
ガスは供給をストップしたからか、爆発は無かったと記憶しています。
神戸では、漏電による火災、延焼が数多くありました。
蛇足ですが・・・
■非常時に備えて
電力や都市ガスに頼らない調理器をいつも準備しておきましょう。
たとえば、卓上用ガスコンロ(小さなガスボンベを挿入するタイプ)、ストーブ(薪、炭、石油、灯油等なんでも良い)など、一家に1台は備えておくべきでしょう。アウトドアー用のコンロもこんなときは大活躍です。骨董品の火鉢(炭、豆炭、練炭など、ゴトクなど備品も)という手も。
燃料もお忘れなく。薪ストーブで本を燃やすのは、最後の手段です。
※コジェネレーション
コジェネレーション(cogeneration)は、内燃機関、外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める、新エネルギーのひとつである。略してコジェネとも呼ばれ、古くは熱併給発電(ねつへいきゅうはつでん)といった。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』による)
※エコウィル
家庭用コージェネレーション(熱電併給)システム
ガスから電気と熱を生み出します。発電時の排熱を有効利用することで、省エネで環境に対する負荷も軽減できるそうです。
※エコキュート
家庭用自然冷媒ヒートポンプ式給湯機
エアコンや冷蔵庫の冷媒にはフロンガスが使われますが、エコキュートは冷媒にCO2を使うため、従来の冷媒と比較して地球温暖化係数は大幅に軽減され、また、エネルギー消費効率も高いそうです。