アトリエ天藤一級建築士事務所 ATELIER TENDO

商業建築から自然素材の住宅まで・設計監理
複数施工業者の見積り書を比べ、良質でローコストの建築を実現しませんか

キッチン 1

2006-11-22 | コラム 

5003_1 私は台所というと、お袋さんの割烹着姿を連想します。
キッチンという言葉はエプロン姿かな?
暖かくて明るい、家の要です。

今回は私が手がけたキッチンについて。

画像がぼやけていてすみません。

背面に大きな棚を設けたオープンキッチンです。
右端の天井の下に見えているのはレンジフードです。
左手に大きなテーブルがあります。
正面はオープン状態で大きな開口部、そしてテラスへと連続しています。

流し台の背面の棚は幅が約2間あり、台所のこまごました調理器や食器、小さな家電などを全て収納できます。
軽いアルミ枠の引戸で、さっとクロウズできます。フロストガラス(半透明)ですから、中がぼんやりと見えます。

家中で一番過ごしやすい場所に広いダイニングキッチンを、
片付けしやすく、お客様も全員参加できる、動きやすいキッチンを、というクライアントのご要望でした。

06/11/22

電気にする?それともガス?

2006-11-21 | コラム 

5002地球環境への配慮や室内環境の衛生面からオール電化住宅が注目を集めています。
オール電化はもともと、高層マンションなど、ガス器具が使えない住戸への代替熱源とされていましたが、IHクッキングヒーターや給湯器エコキュートが開発され、火災発生リスクが軽減され、夜間電力利用で給湯のランニングコストが安いなどの理由で普及が進んでいます。

その一方で、ガス会社は、天然ガスで発電し、同時に発生する排熱を給湯や暖房に利用する家庭用コージェネレーション(熱電併給)システムエコウィルを開発しました。(エコウィルは電力を併用します)

家庭によって条件が違うので、どちらが経済的なのかは判断の難しいところです。
どちらかを推薦するのが目的ではありません。
クライアントや私の体験をメモしておきます。

■都市ガスの供給地域のマンションからオール電化の一戸建てへ移られたクライアントの場合
床暖房使用でも、冬場の光熱費がマンション住まいの頃と変わらないということです。

■都市ガスの供給が無い地方のクライアントはオール電化を選択。
冬場のエネルギーコストは床暖房(夜間電力料金を利用して早朝に部屋を暖める)をしても大幅に下がった。以前の暖房はプロパンガスストーブを使用。

■郷里で一人暮らししていた母は給湯を都市ガス使用の給湯器でまかなっていました。
冬場の電気料金(IHクッキングヒーターと床暖房使用、200V契約、割引無)、ガス料金を合わせると・・・目を疑う金額でした。
これは最悪の例です。契約時の料金設定で電気料金は大きく変わります。

■IHクッキングヒーターについて
火力が強くて快適、掃除が楽、と言われるクライアントが多いです。
自称うっかり屋のうちのかみさんの母親は当初はタイマーセットができると喜んでいましたが、今は、電気料金が高いと言っています。

■阪神淡路大震災のとき、
私の住む町では、電気はすぐに復活しましたがガスが使用できるまで1~2ヶ月を要しました。
ガスは供給をストップしたからか、爆発は無かったと記憶しています。
神戸では、漏電による火災、延焼が数多くありました。

蛇足ですが・・・

■非常時に備えて
電力や都市ガスに頼らない調理器をいつも準備しておきましょう。
たとえば、卓上用ガスコンロ(小さなガスボンベを挿入するタイプ)、ストーブ(薪、炭、石油、灯油等なんでも良い)など、一家に1台は備えておくべきでしょう。アウトドアー用のコンロもこんなときは大活躍です。骨董品の火鉢(炭、豆炭、練炭など、ゴトクなど備品も)という手も。
燃料もお忘れなく。薪ストーブで本を燃やすのは、最後の手段です。

コジェネレーション
コジェネレーション(cogeneration)は、内燃機関、外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める、新エネルギーのひとつである。略してコジェネとも呼ばれ、古くは熱併給発電(ねつへいきゅうはつでん)といった。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』による)

エコウィル
家庭用コージェネレーション(熱電併給)システム
ガスから電気と熱を生み出します。発電時の排熱を有効利用することで、省エネで環境に対する負荷も軽減できるそうです。

エコキュート
家庭用自然冷媒ヒートポンプ式給湯機
エアコンや冷蔵庫の冷媒にはフロンガスが使われますが、エコキュートは冷媒にCO2を使うため、従来の冷媒と比較して地球温暖化係数は大幅に軽減され、また、エネルギー消費効率も高いそうです。


家を建てるということ

2006-11-09 | コラム 

5001_1 家を建てるという、一生の間に何度も経験することの無い大仕事は、善くも悪くも国が管理しているわけではないので、自分の甲斐性、感性で実行しなきゃいけません。
町の人達が総出で手伝ってくれるわけではありません。
共同体意識は50年前に捨ててしまいました。
茅葺きの屋根の葺き替えをテレビなどで見たことはありませんか。村中総出で協力して順番に屋根を吹き替えていましたね。
今のような時代ではそんな共同体はうっとうしくてという人も多いと思いますが、木造の古い田舎家は文化財になるほどしっかりしていて、品格があると思いませんか。
個人の力だけではこうはいきません。
見かけ倒しの安普請、10年過ぎたらバラック群を予感するような街並になったとしても、それぞれに美意識も違うし、事情も違うし、他人の家にとやかく文句は言えません。
自分の責任で、なんでも選べるということは不自由ということと表裏一体です。
一歩違うと醜悪にもなるし、シックハウス症候群で苦しむことにもなりかねない、って脅かす気持ちはないけど、結果は自分で背負うことになります。

必死で建てた家には、本人の人生観や知的レベルが現れると思います。

このことは学歴がどうとか収入がどうとかということではありません。
まず、良い意味での共同体意識、地域の住民という自覚、社会性が欠かせません。でなければ、自分さえ納得していればいいわけでしょ。地域で景観論争が起きるのも無理からぬことです。
そして、不幸にして自分の家が欠陥住宅であったとして、(訴えるとしても)たいていの場合は個人で対処することになります。

このように家を建てると言う行動は個人の能力の限界を超えた、まったく、たいへんな作業です。

けれど、自力でせよというんだから、個人としてできることは、技術は信頼できる専門家の智恵を借りることです。すみません、これは私の宣伝です。
が、暮し方や生き方は自分で見つけるしかありません。
人生観や知的レベルというのはこのことです。
自分や家族にとって、見せ掛けでなく、本当に豊かな暮しって?
まずはどんな暮しをしたいのか家族でわいわい、語りあってみませんか。
夢見ることから始まります。

■200年耐用住宅の建設促進・自民が税優遇や建築補助検討

耐用年数が200年にも及ぶ長持ち住宅の建設を促進するため、自民党が優遇税制や建築費補助制度創設などの検討に入る。通常の住宅よりも強度のある骨組みを採用した住宅や住み替え需要に対応しやすい間取り可変の住宅などが対象だ。住宅取得にかかる負担を軽減し、根強い貯蓄性向を消費に転換させる狙いがある。
党住宅土地調査会は週明けに小委員会を新設し、具体案づくりに着手する。6月に施行された住生活基本法が打ち出した「住生活の安定の確保」の一環だ。来年5月をメドに「200年住宅ビジョン」の提言をまとめ、2008年度の税制改正や予算編成に反映させる。(11月4日/日本経済新聞 夕刊)より

街のインフラを整備して、災害にも強く安心して暮らせる街を、歴史に耐える街並を、創る公共工事を推進して欲しいですね。