アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

「聖ヨハネの斬首」 カラヴァッジョ

2017-01-18 05:47:26 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
 ご存知、カラヴァッジョ最大の作品にして、最高傑作との呼び声高いのがこの「聖ヨハネの斬首」だ。私がカラヴァッジョに開眼した、私にとって思い出深い一作。

 私がこの作品を知ったのは、美術番組「美の巨人たち」で、確か2001(平成13)年3月10日の放送だったはず。それまで私はこの作品を知らず、よくカラヴァッジョとベラスケスを一組にしてバロック画家として画集などで紹介されていて、それを見て私はベラスケスの方が圧倒的にカラバッジョより上だと勝手に思い込んでいた。つまりカラヴァッジョの凄さ、良さを全くわかっていなかったわけである。

 そんなときに「美の巨人たち」でこの作品を取り上げた。テレビ画面に「聖ヨハネの斬首」が出た瞬間、私の目は釘づけとなった。「おお!」と一気にカラバッジョの良さがわかってしまった(いや理解させられたというのが正確か)。それほど強烈な印象があった。

 以来私はカラヴァッジョの作品を熱心に画集などで見るようになった。そして今ではベラスケスと同じくらいカラヴァッジョが好きで、どちらか選べと言われても困ってしまうようになってしまった。

 カラヴァッジョの描く人物は実に不思議で、私にはまるで彫像のようにしか見えない。奥行きのある画面に人体の置き物を置いたかのよう。そう見えるんですが、私が変なんですかね。ある意味で絵画的でない印象。何ていうか、いい意味でも悪い意味でも絵画の持つ本質的な平面性が一切欠落している感じ。そういう意味では非常に嘘くさい絵画と言える。

 一度この「聖ヨハネの斬首」の実物を見たいんですが、とても来日しそうな作品ではないので、イタリアのマルタ島へ行かないといけない。ちょっと無理かなあ、イタリア旅行するなんて。私、飛行機乗るの嫌だし。何とかして来日してくれないかなあ。


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