油絵具の白と言えば、「パーマネントホワイト」「チタニウムホワイト」「シルバーホワイト」「ジンクホワイト」の4色だろう。このうち私はジンクホワイト以外なら全て使ったことがある。
さて混色制限を避けるため、最初はパーマネントホワイトを使う人が多いと思う(私もそうでした)。これで済むなら何も悩まないのだが、このパーマネントホワイトにはたった一つ問題点がある。それは妙な分厚さである。使い続けているとこれが気になり出す。どうして分厚いのかはわからないが、とにかく都合が悪い。これが気にならなければずっとパーマネントホワイトを使って構わないと思う。使い勝手もいいし、色味も悪くない。
パーマネントホワイトの妙な分厚さが気になり、他の白を使おうとするときから、白の遍歴が始まる。どれを使ったらいいのか、これが悩ましい。ジンクホワイトは上塗りの調色時にしか使えないとされるし、シルバーホワイトは混色制限が気になる。というわけで、チタニウムホワイトを選ぶことになる。ところがこの色は効きが良すぎて、ごく少量で効果があるから便利と言えば便利なのだが、それはそれでちょっと使い勝手が悪かったりする。つまりは色が強すぎる。
というわけで今度はシルバーホワイトを用意することになる。ウルトラマリンとの混色による黒変などは、現代の精製技術では気にしなくてもいいようだし、使ってみるかということなる。ところが今度はチタニウムホワイトほど効きが良くないため、それはそれで良かったりするのだが、もう少し効きが良かったらなあと思ったりもする。だからシルバーホワイトにチタニウムホワイトを混ぜて使う人も少なくない。つまり白を2色用意することになる。
ここで一つ留意点がある。チタニウムホワイトはメーカーやシリーズによってはジンクホワイトが混入されていて、その場合は下塗りには使えない。例えばクサカベのチタニウムホワイトは下塗りに使えるが、クサカベ・ミノーのチタニウムホワイトは下塗りに使えない(つまりジンクホワイトが混入されている)。
要するにあれこれと難しい。話を掻き回すようだが、東郷青児の自作カンバスにはジンクホワイトが使われている。一年間乾燥させてから使ったそうです(「美の巨人たち」で知りました)。だからジンクホワイトと言えども使い方次第。危険と言われるジンクホワイト下地のカンバスでも、その上に東郷青児ぐらいのごく薄い塗りで描くなら問題ないということになる(決して推奨はしませんが)。ちなみに東京都新宿区の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館へ行けば、東郷青児の油絵が常設展示されているので、いつでも見ることができる。興味のある方は一度確認しに行くといい。
で結局どうするのか。繰り返しになるが、チタニウムホワイトとシルバーホワイトの2色を揃えている人も少なくなく、かつて私もそうしていたが、やはり2色用意し、使い分けたり、混ぜたりするのも面倒臭いので、現在私はシルバーホワイト1色だけを使っている。これで別段不都合はない。確かにチタニウムホワイトほど効きは良くないが、そもそも効きすぎる白は私には必要がない。それとシルバーホワイトで重要なのはその厚さである。油絵に厚みを出そうと思ったらシルバーホワイトを使うのが一番良い。パーマネントホワイトでは分厚すぎる。
どの白を使うかはその人次第である。私自身、白色にそんなにうるさい方ではないのだが、それでもどれを使うかで苦労した。白にこだわる人なら、なおさら悩みは深いはずだ。青色の場合、迷ったらコバルトブルーにしておけばいいのだが、そんな風に白色の場合は言えないのがつらいところ。ただ確実に言えるのは、昔から油絵の白と言えばシルバーホワイトを指した。だから古典絵画に興味があるとかないとかとは別に、この色を一度使ってみる必要がある。どんな感触なのか、使い勝手はどうなのかを確かめておく。そしてできればある程度使って慣れておくのが望ましい。油絵を描く者の教養、嗜みとしてそれが必要だと私は思っている。
さて混色制限を避けるため、最初はパーマネントホワイトを使う人が多いと思う(私もそうでした)。これで済むなら何も悩まないのだが、このパーマネントホワイトにはたった一つ問題点がある。それは妙な分厚さである。使い続けているとこれが気になり出す。どうして分厚いのかはわからないが、とにかく都合が悪い。これが気にならなければずっとパーマネントホワイトを使って構わないと思う。使い勝手もいいし、色味も悪くない。
パーマネントホワイトの妙な分厚さが気になり、他の白を使おうとするときから、白の遍歴が始まる。どれを使ったらいいのか、これが悩ましい。ジンクホワイトは上塗りの調色時にしか使えないとされるし、シルバーホワイトは混色制限が気になる。というわけで、チタニウムホワイトを選ぶことになる。ところがこの色は効きが良すぎて、ごく少量で効果があるから便利と言えば便利なのだが、それはそれでちょっと使い勝手が悪かったりする。つまりは色が強すぎる。
というわけで今度はシルバーホワイトを用意することになる。ウルトラマリンとの混色による黒変などは、現代の精製技術では気にしなくてもいいようだし、使ってみるかということなる。ところが今度はチタニウムホワイトほど効きが良くないため、それはそれで良かったりするのだが、もう少し効きが良かったらなあと思ったりもする。だからシルバーホワイトにチタニウムホワイトを混ぜて使う人も少なくない。つまり白を2色用意することになる。
ここで一つ留意点がある。チタニウムホワイトはメーカーやシリーズによってはジンクホワイトが混入されていて、その場合は下塗りには使えない。例えばクサカベのチタニウムホワイトは下塗りに使えるが、クサカベ・ミノーのチタニウムホワイトは下塗りに使えない(つまりジンクホワイトが混入されている)。
要するにあれこれと難しい。話を掻き回すようだが、東郷青児の自作カンバスにはジンクホワイトが使われている。一年間乾燥させてから使ったそうです(「美の巨人たち」で知りました)。だからジンクホワイトと言えども使い方次第。危険と言われるジンクホワイト下地のカンバスでも、その上に東郷青児ぐらいのごく薄い塗りで描くなら問題ないということになる(決して推奨はしませんが)。ちなみに東京都新宿区の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館へ行けば、東郷青児の油絵が常設展示されているので、いつでも見ることができる。興味のある方は一度確認しに行くといい。
で結局どうするのか。繰り返しになるが、チタニウムホワイトとシルバーホワイトの2色を揃えている人も少なくなく、かつて私もそうしていたが、やはり2色用意し、使い分けたり、混ぜたりするのも面倒臭いので、現在私はシルバーホワイト1色だけを使っている。これで別段不都合はない。確かにチタニウムホワイトほど効きは良くないが、そもそも効きすぎる白は私には必要がない。それとシルバーホワイトで重要なのはその厚さである。油絵に厚みを出そうと思ったらシルバーホワイトを使うのが一番良い。パーマネントホワイトでは分厚すぎる。
どの白を使うかはその人次第である。私自身、白色にそんなにうるさい方ではないのだが、それでもどれを使うかで苦労した。白にこだわる人なら、なおさら悩みは深いはずだ。青色の場合、迷ったらコバルトブルーにしておけばいいのだが、そんな風に白色の場合は言えないのがつらいところ。ただ確実に言えるのは、昔から油絵の白と言えばシルバーホワイトを指した。だから古典絵画に興味があるとかないとかとは別に、この色を一度使ってみる必要がある。どんな感触なのか、使い勝手はどうなのかを確かめておく。そしてできればある程度使って慣れておくのが望ましい。油絵を描く者の教養、嗜みとしてそれが必要だと私は思っている。
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