アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

ベニシアさんの手づくり暮らし展

2019-03-12 05:09:26 | 展覧会、美術館、公募展、貸画廊、貸ギャラリー
京都大原の庭とキッチンから
ベニシアさんの手づくり暮らし展
  会期:2019年2月28日(木)~3月11日(月)
開場時間:午前10時~午後8時
  会場:松屋銀座(東京都中央区銀座3-6-1)

 まさか、今年最初の展覧会がこれになるとは夢にも思いませんでした。

 というのも母を連れて出かけた3月2日は、まず原宿の風呂敷専門店「むす美」で風呂敷を、次に新丸ビルの土屋鞄で父のカード入れを買い、最後に国分寺へ出て散策することになってました。

 で、その最初の「むす美」で私は3枚、母は1枚を選び、店の奥で会計を済ませていたら、ふと私の目に「ベニシアさんの手づくり暮らし展」の招待券が入りました。

 母はかつてはよくNHK BSのベニシアさんの番組「猫のしっぽ カエルの手」を見ていたので、ここでこの招待券を2枚もらっとけばよかったんですが、1枚だけもらってきました。
 
 実はこのとき、私はこの券がただの割引券(例えば200円引)だと思っていたし、まさか会期がこんなに短いとも思わなかったわけで、それで臍を噛むことになります。

 で、「むす美」を出て原宿駅へ戻る道すがら、「辰吉」という店に入り、抹茶蕎麦の昼食を取っていたときに、ふと先ほどの券をしげしげ見てびっくり。

 会場はこれから行く新丸ビル方面、銀座。近いじゃん。しかも開催中。会期も極端に短い。そこで母と相談。もうこれは今から行くしかないねと。

 行くのはいいんですが、このとき初めてこの招待券が無料だと知りました。げっ、だったら2枚もらっとけばよかったん。でも今更「むす美」へ戻ってもう1枚もらうにはちと遠い。

 まあ仕方ない。やむなく私が会場で入場料1000円を払って見ることになりました。

 さて、その肝心の展覧会ですが、まあ、あのですね、予想通り、そう大したものじゃあございません。でもベニシアさんは芸能人ではありませんし、美術家でもない、言ってみれば市井の人。だから仕方ない。あんなもんです。

 この展覧会は良くも悪くもベニシアさんのファンのためのもので、それ以上でも以下でもない。目玉はベニシアさん自身が描いた草花の水彩スケッチとベニシアさんが実際の生活で使っている家具とハーブなどを入れたビン類なんですが、なぜか来場者は違うとこばかり見ているんですね。だから不思議。

 で、どこを見ているのかというと、大半の人がパネル。つまり会場の壁に設置された説明文や写真。でもはっきり言ってこんなん、どうでもういいじゃん。せっかく本物の、つまりベニシアさん自身の、スケッチや家具、ビン類が展示されているというのに、そっちは興味なしですか。

 もちろん、来場者がどこをどう見ようと勝手ですし、来場者全員がベニシアさんの熱心なファンというわけでもないでしょうが、それにしてもあんまりでしょ。

 皆、興奮しないのかな。「ああ!これがベニシアさんのスケッチか。本物だ。これって、もしかして番組で使われたやつじゃん」とか「これがベニシアさんが日々の生活で使っているビンなんだあ」ってね。

 ファンでもない私が、ああだこうだ言っても始まらないんですが、会場で独り、私は「納得がいかん!これでいいのか。みな似非ベニシア ファンなんじゃないのか」と疑ってました(っても、どうにもならないんですが)。

 もちろんせっかくお金払って入ったんですから、私はしっかりと見てきました。母は私にくっついてくる形で見てましたが。

 で、会場を出て東京駅の新丸ビルへ向かおうかとしたときに、何と、ここで母の衝撃の一言が。

 「本人はいないの?」

 がーん。そ、そんな、ばかな。まさか会場にベニシアさん本人がいると思ってたの?それで行く気になったの、この展覧会。ってことは、本人がいないとわかっていたら、最初から行く気はなかったってこと?

 何てこったい。どうりで会場であまり熱心でなかったのはそれが理由? 自腹で見た私はどうなるの? あんまりでしょ、だって本人がいるわけないじゃん。いたら大変だよ。

 「あーっ、ベニシアさん本人ですか? サインしてください」とか「握手してください」「一緒に写真撮らせて下さい」なんて、会場は大混乱だよ。一体何考えてんだよ、私の母は(頼むよ、母ちゃん)。

 私、泣きそう。でも後で新丸ビルに着く頃には母は冷静に「よく考えたら本人がいるわけないものね」と言ってました(ああ、よかった)。

 まあ、母も私と公募美術団体展やら個展、グループ展へ行ってますもんで、つい作家在廊というのが当たり前というか、そういうもんだと慣らされてしまったのかもしれません。そういった意味では私に責任があるもかもしれません(何のこっちゃい)。

 そんなわけで、今年の私の展覧会のこけら落としは「ベニシアさんの手づくり暮らし展」になりました。

 良いんだか悪いんだか、よくわかりませんが、まあいっか。それにしても半分親孝行のつもりで連れて行った展覧会ですが、まさかの落ちでした。ああショック。

 
 付)相変わらず会期が終わった展覧会の記事で申し訳ない。チラシの写真も自室で夜に撮ったのでフラッシュのせいでこんな風に。重ねて申し訳ない。

 注)買った風呂敷の記事は明日になります。


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