毎年この季節には夫婦で集中的に
やってきましたが今年は入院騒動
で少し実施が遅れそうです。主治
医は癌の健診はいつも通りやって
いいですよと言いますが、入院中
は放射線被曝も多かったし、少し
やる気がありません。胃と大腸の
内視鏡検査は昨年やって、血液の
検査でγグロブリンと血沈の亢進
を指摘され、万一の事もあるので
大学病院での検査を勧められたの
に行けませんでした。タラレバで
すが、そうしておけば今の難病が
早期発見されてたかもしれません。
そんな事も考えながら、その先生
に検査の予約をお願いに行ってき
ました。ことの経緯を話すと先生
もびっくり仰天して、事態を理解
するのに困惑した様子でした。私
と年も近いので、これは臨床経験
もなかった疾患だと推測しました。
普通なら画像診断で肝門部胆管癌
と考えてしまう所見です。先生は
とりあえず炎症性の疾患と診断さ
れて良かったけど、その肝臓部位
だと体重減少を起こすよと話して
くれました。近々ステントが抜け
たら内視鏡をまたお願いしますと
頼んで、妻の検査だけ先に予約を
入れておきました。ベテランの
開業医の先生が言うように1年前
大学病院へ行ってたとしても見つ
けられたかどうかは分かりません。
この大学は私が受験生の頃に医師
不足の解消に国が一県一校を目標
に新設された医学部で、当時その
大学に自然科学研究の素地や歴史
もそれ程なくて、戦前は文系中心
の旧制高校でした。入学するのは
男子学生のみで帝大や旧制大学へ
進学する為の学校でした。戦後に
GHQの学制改革で男女共学になっ
た所謂、駅弁大学です。新設学部
なので自前の医学を教える先生も
いないので、他の旧制大学医学部
から集められていましたから、受
けてみようとは思いませんでした。
どうせ医学部へ行くなら大都会の
歴史ある大学が卒業後に医師とし
て経験を積むのには有利だと実に
分不相応な大それた事を思ったも
のです。今や地元の医師の多くが
この大学出身者で占められてます。
主治医もその大学で病院の医局も
繋がりが強いようです。同級生に
も一度都会の理系大学を卒業した
後、この医学部へ入り直して開業
したものが何人もいます。私は
私立でしたが大都会の歴史がある
医学部に受かりしました。医師と
なる資質も実力もないくせに変に
プライドだけ高くてブランド志向
の実におぞましい性格の人間だっ
たと思います。開業医の先生には
よりによって、こんな珍しい病気
になるなんてねぇとしみじみ言わ
れましたが、これも人生です。