2017年年末の12月のある日のこと
ビルマ人のエンジニアでシンガポールで市民権を得て暮らしている友人から
オランダの会社に日本の代理店として推薦してもいいとのメールを受け
それは面白いかもと提案を受け
しばらく直接メールのやりとりをして
翌2018年にシンガポールで開催された海事博覧会APM (Asia Pacific Maritime) で面談し
代理店として胸を張って御社の製品を販売してゆきたいので
オランダの本社を訪問して研修をさせてくれと依頼していたため
受け入れの準備ができたと連絡を受けたたのが6月末
善は急げとすぐにアポイントを取り
航空券を手配して関空からアムステルダムへの直行便に乗り込み出発
昔から関空からの直行便があることと
欧州諸国に中近東への経由地としてのトルコ、そしてアフリカ諸国へのハブとして便利だったこと
昔サラリーマン時代に働いてた日本の企業のヨーロッパ支社があったこともあり
アムステルダムのスキポール空港は我が家同然
いつものターミナルビルのキップ売り場でチケットを買い
オランダ国鉄の特急電車でRotterdamに向かいました
アムステルダム中央駅同様
EUに加盟してからヨーロッパ圏内を自由に行き来することができるようなり
キセル乗車が激増して ロッテルダム駅にもしっかり改札ができてました。
この日予約していたホテルへのアクセスがわからず
とりあえずトラムで近くまで行こうかとも考えたのですが
面倒臭くなってタクシーに乗車
な、なんと35ユーロもかかってしまい大ショック
それでもなんとか予約していたフローティングホテル
SS ROTTERDAMに到着
今回、航空写真でホテルを探していたところ
このSS ROTTERDAMを見つけて大喜び
オランダを代表する客船で
建造が開始されたのが自分の生まれた年と同じ1958年
その後RotterdamとNewyorkを結ぶ定期航路の客船として従事し
飛行機にとって代わられてからはクルーズ船としても活躍したのですが
老朽化がすすみ名前のとおりSS(Steam Ship:蒸気タービン船)のため
いつしか運航会社は倒産し 船も長年バハマ沖に投錨したままで長年放置されていたのですが
2005年に所有権を得た会社によってスペインのカディスに曳航されて船体と甲板の改修工事が行われ
その後ポーランドのグダンスク、北ドイツのヴィルヘルムスハーフェンに移して
キャビンの改修工事が行われ2008年に就航時の母港ロッテルダムに戻り
一般公開された後、オランダのファミリー企業によって譲渡され
2013年からフローティングホテルとして復活
そんなホテルであり古き良き時代を彷彿とさせる博物館のような元豪華客船なんです
なんせ昔の大型客船なので
迷路のような船内を歩き回って
ようやく自分の予約したシングル個室を見つけ入ってみたところ
往時の家具を残しながらもすっかり現代風に改装されていました。
時差ぼけで徹夜している気分ながら
晩御飯を食べてないなと岸壁を歩いて最寄りの駅まで歩き
中華料理のファストフードで小腹を満たしてからスーパーマーケットに立ち寄り
アルコール類とツマミになりそうなものと朝食を買って路線バスに乗り
SS ROTTERDAMに戻りました
なんせアルコール依存症のため(ホンマかいや)
お酒がないと寝られないんです。。。
翌朝、取引先のスタッフの迎えで陸路で会社に行き
〔↓ 位置関係はこんな感じ。一部水上バスと徒歩での所要時間なのでご参考まで〕
会社の歴史や主要製品の詳細にわたる説明を受け
私の滞在中の詳細なる日程がそれはそれは事細かに組まれていてビックリ
ランチは誰と誰、夕食は誰と誰といった具合で
各部署のスタッフ全員と顔合わせできるようにと計画されてるんですよぉ
そしてその日は時差ぼけもあるだろうからと早めに終了し
若手の営業と技術スタッフで夕食に招待してくれると聞き
それならまた陸路でフローティングホテルまで戻るのも申し訳ないなと
気にせず車で送らせて欲しいと言ってくれるのを固辞して
ロッテルダムだし、もしかしたら水上バスで帰れるんじゃないかな?
と尋ねたところ徒歩で5分ほどのところに乗り場があるとの事で
本心は水上バスに乗れるのが嬉しくてルンルン気分で船着き場へ
この取引先のある地域
ロッテルダムの工業団地なんですが
Krimpen a/d IJsselという場所
ロッテルダムの観光名所
風車群のある Werelderfgoed Kinderdijk(キンデルダイク)も近くにあって
遠くDordrechtやSliedrechtまで行くことのできる水上バスなんです
よくよく調べてみると
乗り換えたら泊まってるフローティングホテルにも行けることを知り
(心の中で)万歳三唱
ただね、時刻表の表記はオランダ語のみ
まあ、だいたい見当つくからいいけど
英語併記しないのかなぁとこれもまたビックリ
オランダという国
なんせまっ平どころか 水没してしまような海抜ゼロメートル地帯なので
車より自転車が主流
勿論、トラムや地下鉄、バスなどもありますが
場所によっては通勤・通学は自転車と水上バスで渋滞知らず
羨ましいですよね~
水上バスのハブでフローティングホテル方面行に乗り換えて
アッというまに到着
ホテルに到着してシャワーを浴びて一息した頃に
夕食メンバーが到着し
ホテル内のレストランで夕食となりました
ヨーロッパでは、ほぼ必ず注文するムール貝の白ワイン蒸し
フランスで食べたのが最初だったためフランス料理だと思ってたら
実はロッテルダムのすぐお隣、ベルギーの名物料理だったんですねぇ~
【ムール・フリット(ムール貝のワイン蒸しとフライドポテト)のセット】
その日の夜
実は、当初はその会社訪問のためにオランダに行くこととしていたのですが
ついでにまたピレネー山脈辺りかスペインの国立公園辺りでトレッキングしようと
雨具にウエア類、ポールや登山靴を持ってきていたのですが
いつものように現地に入ってからネットで地図(航空写真)を眺めていたのところ
ロッテルダムからイギリス方面に水色の点線(航路)を発見
調べてみるとRotterdamからEnglandの東海岸Hullを結ぶ国際フェリーがあるのを知り
前日にスケジュールを調べたところ
17:00にRotterdam駅のバスターミナルから接続バスに乗らないとダメ
取引先は3日間の日程で研修から契約書締結までの計画を立ててくれていたのですが
もう頭の中はそのフェリーに乗ることでいっぱい
翌日も車での出迎えを断っていたため 水上バスで会社に向かい
午前中のプログラムを終えたところで
『つきっきりの研修で製品のことはもう十分理解できたから、
もし問題なければフェリーでイギリスに渡って
昔からの友人に会いたいので研修は今日の午後3時までにしたいんだけど・・・』
と話し、半ば無理やり了承を得て
翌日のお昼のランチは Krimpen a/d IJssel水上バス乗り場の隣
Lunchroom Leukを予定していてくれたため
Uitsmijter Leukをいただきました
その日の昼食は、部品販売担当と工場の生産部門のスタッフと一緒だったのですが
二人とも生粋のロッテルダムっ子で
話をしていると首都アムステルダムへの対抗心が凄くて
サッカーの話からそんな話題になったのですが
昔の関西人が東京人を見るような感じで、とっても勉強になりましたねぇ
そうして予約してもらっていた水上タクシーに乗り込み
一路 SS ROTTERDAMへ
なんせ貸し切り
たしか料金は数万円しちゃいましたが
わずか15分ほどでSS ROTTERDAMに到着
部屋に戻って荷物をまとめ
チェックアウトしてから 水上バス乗り場に向かい
たしか15:55の水上バスに乗り込み
ほぼ対岸のRotterdam Erasmusbrugで下船してトラムに乗り換え
Rotterdam中央駅の隣にあるバスターミナルに到着
格安の国際高速バス停留所には山ほどの人がいるものの
フェリーの接続バスがどこに着くのかわからず
定員オーバーや乗り遅れたらまたまた数万円払ってタクシー移動しかないため
乗り遅れたら大変と気が気じゃなかったけど
なんとか無事バスに乗り
〔↓ ロッテルダム中央駅からフェリーターミナルまでの経路〕
37キロ離れた Europoort Rotterdamに到着
ネット予約してたため 乗船手続きは簡単でしたが
オランダ側のターミナル内にある英国の入管からは
アジア人の単独旅行者がなんでこんなところからそれもHULLに船で渡るのかと
相当不審に思われたらしく
『何の目的で英国に行くのか? どこに行くのか? どこに泊まるのか? 何日滞在するのか?』
となかなかスタンプを押してくれず ちょっと気分を害してしまいましたが
テロも多発している昨今、まあ仕方ないなと己に言い聞かせ
仏頂面でパスポートを受け取りながらも、喜び勇んでボーディングブリッジに向かいました
奮発してシングルの個室を予約しちゃったんですよ~
乗船券から部屋の鍵、ネット接続のアクセスコードもレストランの食券も
Voucherは全て紙
Rotterdam中央駅17:00発接続シャトルを予約したこともしっかり記載されてました
なんせ朝からバタバタだったので
乗船できてホッとして
まずは祝杯(笑)
ハイネッケンのロング缶2本と赤ワインをサラミをアテに飲み干したら
そこそこいい気持ちになってしまい
定刻の20:00に出航したのですが
時差ぼけでの睡眠不足もあって
その後レストランて夕食をとるのも忘れついつい爆睡
早朝目が覚めたので 船内探検してみました
国際フェリーにつきもののカジノもしてみましたが手応えなく諦め
再び船内探検
私の部屋のあるBlue Deck 9のフロアーマップ
カジノやレストラン、その他パブリックスペースがあるのでとっても便利でした
酔いつぶれてなかったら
ココでカクテルでも飲んでたのになぁ
まもなく朝食の時間となり
時差ぼけでお腹ペコペコだったので
ガッツリと食べちゃいました
そして定刻 現地時間07:00(オランダの8時)Hullに到着
入国審査はすでにRotterdamで済ませていたため
5分ほどで到着ロビーに出て
Hullの駅行のバス待ち
航海時間が短い(ほぼ12時間)のと
時差ボケ+お酒に酔って
船旅をゆっくりと楽しむことはできませんでしたが
それでも
連絡バスや港のターミナルでの雰囲気、船会社や入管の対応
乗客の客層や 乗組員(特にレストランスタッフとか)の対応などなど
しっかり体験できて勉強になりました
【その②イギリス国内の旅に続く】