書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

閑話 ワイン

2011-04-07 16:02:29 | Weblog
ドイツワインには幾つか想い出がある。
もう数年前に成るだろうかシュヴァルツヴァルト(黒い森)に隣接するバーデバーデンへ行った時のことだ。
バーデン・バーデン、華やかな美しさと洗練された落ち着きを持った街だ。
有名な保養地であり、カジノ、温泉、競馬場など観光施設も充実している、
味合えば味わうほど多彩な表情を見せる町だ。
近くのお城に案内された、半端なお城ではない。
眼下をラインの支流がゆったりと流れる。

そこでご馳走になったのがドイツワインだ。
そして、驚いた事に初対面のホストはリルケのお孫さん、
文学の話に花が咲く、そして続いての話題がドイツワインだ。
リルケさんのドイツワインに対する蘊蓄に耳を傾ける。
この辺りで作られ飲まれるのは圧倒的に白ワインだ。
南ドイツでは気候条件が悪く黒葡萄も充分に色付かない、良質の葡萄が穫れないのだ。
しかしながら、リルケさんは頑として赤ワインをリコメンドする。
理由は、葡萄の皮には防腐剤、殺菌剤の作用をする成分が含まれているから、とのことだ。
白ワインには人工的な防腐剤、殺菌剤が一杯入っているのだ、と言う。
「日本人は白を好む人が多い」と言うと、
「いや、ワインは赤だ」
頑固なリルケさんだった。