アユ母日記

東日本大震災
平成23年3月11日
あの日から会えなくなったアユと凛へ
思いが届きますように

ゆう君の誕生日で

2014年06月08日 | アユと凛のこと
6月5日 ゆう君の誕生日
忘れてました。
ごめん、ごめん!
今日 慌てて
「おめでとう!」メールをしました。

30歳です。
アユと同じ歳

震災の時は26歳だった。
30代に突入してしまいました。

本当はアユと凛と……

26歳で
妻と子供を突然なくして
子供は行方不明のまま
家財道具は泥まみれで一切を捨ててきた
車もめちゃめちゃで
小さい川の奥の方からやっと見つけた。

電気の付かないアパートで
数ヶ月一人でただひたすら毎日捜索活動に明け暮れて
どんなに逃げ出したかったか

アユの遺骨と一年
さみしい女川のアパートで過ごした事が
どんなに苦しかったか

友達もなくなり
同僚の家族もたくさんなくし
戦争でもあるまいし
一度にこんなにも沢山の死に関わってしまう事が
26歳でそれを経験させられてしまった事が
あまりにも過酷過ぎる。

ゆう君と同時にアユも凛も…
そんな事を経験させられて…


生きているゆう君には
未来の道がちゃんとあって
それを進んで行かなくちゃいけない
一緒に進む と約束したはずの
アユには
未来の道がなくなって……

どうしてなくなっちゃったんだろう?
凛の道は
どうしてたった6ヶ月しかなかったんだろう?

現実だかなんだか
わかんない
わからないです。

みんな 笑って生きてるよ
泣いても
苦しくても
生まれたら
時々 笑って
ちゃんと生きてるよ
なのに
なんでアユと凛はいないの?

アユだって来月 30歳
「おっ母 あなたの娘は30歳です!
おっ母も歳とるはずだよ!」
って言いに来るはずだよ!

なのに
どうしてだろう?
ゆう君はアユと凛とは別の道を歩いて行ってしまう。

ゆう君には
いつか凛に会った時
「父ちゃんはカッコ良かったよ!」
と言われる人生を歩めと
アユには
いつか会ったら
いっぱい怒られてね とメールしました。

たった三年しか経ってないのに
人の道はどんどん変わってしまう。

誕生日に
「おめでとう」って言ったけど
本当は全然 めでたくない

生きるって 大変
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一昨日のリサイタル

2014年06月08日 | 日記
一昨日
オペラのリサイタルを末娘と聞きに行ってきました。

震災後 しばらく
歌を聞くのもテレビを見るのも本を読むのも
イヤでした。

しばらくの間
「歌は心に響かない 」ってつぶやいていました。

少し時間が経って
聞けるようになって

でも
喜怒哀楽の感覚は中々元通りにはならず
やっぱり
何に対しても
感動が薄い
響いて来ると壊れる
って感じでした。
そんな感じだったから
コンサートなんて行けなかったし
映画館で映画も見れなかった。
見ながら気持ちが壊れそうだったから…


最近は
「歌は心に響いてきます」
感動はまだ薄いのですが…
泣ける歌ももちろんあります。

アユとの思い出の歌だったり
詩の内容がアユと凛に重なる様な歌だったり…




リサイタルで歌ってくれたのは
実は同級生
活躍してるなぁ!ステキだなぁ!って
思って帰ってきました。
素晴らしい歌声が心に響いて
しばらく離れない感じです。

超満員の観客席で拍手がなりやみませんでした。
私もいっぱい拍手して帰ってきました。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする