時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

すぎやまこういちさんを偲んで

2021年10月09日 | 音楽全般

すぎやまこういちさんが他界された。

本当に悲しく、寂しく、残念でならない。

 

思えば・・・東京五輪での選手入場時のBGMにいきなりドラクエのメインテーマが流れてきた時は、驚いたものだった。

あれでテンションが上がった人は多かったのではないか。

 

あの時・・・それに関しての、すぎやまさんのコメントが出ることはなかった。

密かに期待してたのだが。

でも・・・当時すでにすぎやまさんの体調は悪かったのだろうね、きっと。どうりで・・。

 

すぎやまさんの作風といえば、クラシックの素養に裏打ちされたメロディセンスで、格調高い時もあれば、ポップな曲もあり、幅が広かった。

ドラクエの音楽など、クラシックの素養がないと、なかなかあそこまでの音楽は作れなかったのではないかと思う。

 

昔、私はすぎやまさんの著書を買って読んだことがあった。

すぎやまさんの作曲法に関する本であった。

その頃、ちょっとでも作曲の勉強や参考になればと思って読んだ私は、それなりにどん欲だったのだろうと思う。

一気に読みほした覚えがある。

作曲するにあたって、いかにクラシック音楽が素晴らしくて役に立つかが書かれていたように思う。

 

すぎやまさんの作った音楽といえば、私にとっては、やはりなんといってもドラクエの音楽。ドラクエシリーズの全ての音楽を担当されていたし、ドラクエには素晴らしいBGMがてんこもりだった。

格調高さの中に品があり、ポップな親しみやすさがあり、覚えやすくもあり、本当に私は大好きだった。

各シリーズでの・・・・フィールドを進む時の音楽、町の中の音楽、村(?)の中の音楽、お城の中での音楽、カジノの音楽、レベルアップの時の音楽、仲間に出会えた時の音楽、宿で休んだ後の音楽、ラーミアで空を飛ぶ時の音楽、ほこら内の音楽、海を進む時の音楽、戦闘時の音楽、呪文を唱えた時の音楽、ダンジョン内や敵地内(塔など)での音楽、そしてなんといってもメインテーマと、エンディングテーマ。

「ああ、あの曲ね」と私同様に歌える人は多いのでは?

どれも素晴らしかった。

おそらく、ドラクエの音楽に馴染んだ人は、ゲーム中に流れる音楽で好きな曲は1曲2曲なんてものじゃあるまい。

あれもこれも…で、相当な数の曲があげられるのではないだろうか。

きりがないくらいに。

メインテーマとエンディングテーマなど、映画で使われてもおかしくなかった。

五輪で使われた時など、ピッタリだと思った。

 

実は・・・私は今でも普段ドラクエの挿入曲のメロディを口笛で吹いたり、ギターで弾いたりしている。しかも無意識のうちに。

それは今後も変わらないだろう。完全に私の中に染み込んでいる。

テレビ番組を何気に見てると、あちこちの局のあちこちの番組で、BGMでドラクエの挿入曲が今も使われ続けていることでも、ドラクエ音楽が愛されてるのがわかる。それこそ大人から子供まで、世代を越えて。

そこには、「流行り」で廃れていくことがないスタンダードな良さがある。

 

ドラクエ以外でも、ザ・タイガースをはじめとするGSのヒット曲、ザ-ピーナッツやガロのヒット曲、「帰ってきたウルトラマン」「サイボーグ009」、競馬場ファンファーレ、CM音楽、その他・・・オーケストラ音楽、ゲーム音楽、アニメ、特撮、歌謡曲、ポップス、などなど幅広い分野で素晴らしい音楽を残された、まさにプロの職業作曲家であったと思う。

それも偉大な。

 

 

…でもやはり私にとっては・・・ドラクエ音楽は忘れられない。とても忘れられるものではない。

なにしろ、ドラクエを遊ぶ時は何週間も、あるいは何カ月もハマり続けるわけだし、その間すぎやまさんの音楽に浸りっぱなしになるからだ。

まるで呼吸をするように、私の周りにすぎやまメロディが絶えずそこにあった。

すぎやまメロディに包まれっぱなしだった。生活の一部みたいに。ある意味日常生活の中のBGMのようでもあった。

生前、すぎやまさんはドラクエ音楽を御自身の「ライフワーク」と仰っていた。それまでの作曲家生活て会得したスキルを総動員して制作していらっしゃったのだろう。

だからこそ、あんなに素晴らしい音楽を提供し続けることができたのだろう。

 

ドラクエといえば、堀井さん、すぎやまさん、鳥山さん、がこれまでの継続に大きく関わってきたイメージがある。

ドラクエはそんなメインメンバーの才能やセンスの集合体に思えた。

その中の一角がなくなってしまった・・。

ドラクエはよく「国民的ゲーム」と言われるが、そうであるならドラクエ音楽を一手に引き受けてたすぎやまさんは「国民的作曲家」のひとりであったと言えるのではないだろうか。

 

今後ドラクエシリーズはどうなるのだろう。

スタッフの中にはザオリクでも唱えたい気分の方もいるかもしれないね。

今後もし新しいドラクエが出続けていっても、そこではすぎやまさんの新しい曲は聴けないのが、寂しい。

仮に新たな作曲家が担当されたら、プレッシャーは強いだろうね・・。先人の功績が偉大すぎて。

 

そう思うとなおさら、すぎやまさんの他界が悲しくて、残念でならない。

ただ、この世に立派に「責務を全う」されたと思う。

高齢であることは知っていたが、すでに90歳だったとは・・。

 

 

すぎやまさん、私は尊敬していました。

これまでありがとうございました。

そして、お疲れさまでした。

貴方の残した音楽、私は忘れません。素晴らしかったです。

 

個人的に、今はザオリクより「そして伝説へ」を。

 

合掌・・・。

 

 

そして伝説へ・・・

https://www.youtube.com/watch?v=yoIlXcH-O54&t=64s

 

 

 

 

どうしても、書かずにはいられなかった…。

 


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2 コメント

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Unknown (中森勇斗(なかもり・ゆうと))
2021-10-15 08:30:55
すぎやまこういち様、、、、、、、
まぁ、お名前は聞いたことがありますが、
これほど多くの作曲をなさってるとは知りませんでした。

ドラクエも、このかたの作曲だったのですね。

それから古い曲では、
グループサウンドの「花の首飾り」や「亜麻色の長い髪の乙女」なども、
どこかで聞いて知っております。

※グループサウンドは、その当時の年輩の人から顰蹙を買っていたらしいですが、
「花の首飾り」などは、メロディー自体は、クラシック音楽調で、
なぜ、こんな歌に当時の「オトナ」のひとたちは、眉をひそめたのか、さっぱりわからないですね。

◎すぎやまこういち先生には、哀悼の念を表します。合掌
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Unknown (だんぞう)
2021-10-15 10:40:55
すぎやまさんは、日本の作曲家たちの中でも、相当な大物だったと思います。
作品の幅が広かったという点が、私が尊敬してやまない点でした。
ドラクエ音楽は、私にとってはすぎやまさんの作曲家人生の集大成だったようにも思えていました。
ゲーム中には、色んなタイプの曲が出てきましたから。

GSの音楽も私は好きでした。
家には、古いGSのシングル盤が何枚か残っていますし、CDの時代になってタイガースのヒット曲集アルバムを購入したこともありました。

花の首飾りみたいな名曲が、リアルタイム当時には大人たちから眉をひそめられた理由がまったく分かりません。

もしや、彼らが長髪だったからでしょうか・・。
当時、紅白歌合戦には、長髪のグループは出場できなかったんですよ。
例外的にブルーコメッツが出場できたのは、ブルコメがさっぱりした髪型だったから・・・と聞き及んでいます。
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