「宇宙マーチ」。この曲は、特撮ドラマ「キャプテンウルトラ」の中盤以後の主題歌だった。
「キャプテンウルトラ」は当初の主題歌も大好きだったのだが、シリーズ後半の主題歌に昇格したこの曲は、もっと大好きになった曲だった。
作曲は、あの!富田勲だ。悪いはずがないのだ。
「宇宙マーチ」
作詞 長田 紀
作曲 冨田 勲
うた ボーカル・ショップ
キャプテンウルトラは「ウルトラ」の名前がつけられてはいるが、円谷プロの製作ではなかった。
東映の製作作品だった。
「ウルトラ」といえば円谷プロのイメージが強く、他社の作品で「ウルトラ」の名称を使用したら、「ウルトラQ」や「ウルトラマン」で一時代を築いた円谷プロからクレームがきそうなものだが、そうはならなかったようだ。
ある意味、円谷プロも納得せざるをえなかったのかもしれない。
というのは、前述のように、円谷プロは「ウルトラQ」や「ウルトラマン」で大ブレークを果たし、視聴率もべらぼうな数字をとっていたのだが、毎週放送というスケジュールのため、製作のほうが追いつかなくなっていったらしい。
で、やむなく「ウルトラマン」を終了させることになってしまった。極めて惜しまれつつ。
だが、スーパー視聴率をとっていた作品だったために、スポンサーが「ウルトラシリーズ」の続行を強く希望したらしい。
だが、円谷プロとしては、製作が追いつかなくなっていたから「ウルトラマン」を終了したわけで、おいそれと次の作品を引き続いてすぐに作れるわけでもなかった。
そこで、円谷プロが新たなウルトラシリーズのドラマを立ち上げるまでの「つなぎ」として、円谷プロではなく東映が「ウルトラ」の名前をつけた特撮ドラマを製作することになったらしい。
そしてその間に、円谷プロは次のウルトラシリーズの準備を進める・・・ということで。
「ウルトラ」の灯を消さないために東映が製作したウルトラシリーズが、この「キャプテンウルトラ」だった・・・という、大人の事情だったようだ。
こういう事情があったのなら、円谷プロはウルトラシリーズを一時的に他社が製作することは納得せざるをえなかったのだろう。
この場合、東映の「キャプテンウルトラ」は、円谷プロのウルトラシリーズの代打みたいな存在だったはずだから。
いずれウルトラシリーズは円谷プロに帰ってくるわけだし。
実際、「ウルトラマン」の後、ウルトラシリーズをこの「キャプテンウルトラ」がつなぎ、「キャプテンウルトラ」終了後には、晴れて円谷プロ製作のウルトラシリーズが放送された。その作品こそ、あの「ウルトラセブン」であった。
つまり、「キャプテンウルトラ」は、「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の間に放送されたウルトラシリーズであったのだ。
円谷プロ製作じゃないからか、円谷プロのウルトラシリーズには「キャプテンウルトラ」は入っていない。
ウルトラマンやセブンに比べてキャプテンウルトラが現在あまり知名度がないのは、そのせいもあるだろう。
「キャプテンウルトラ」の前の作品「ウルトラマン」は巨大ヒーローが主人公のドラマだったが、東映としてはぜっかく東映で「ウルトラ」を製作するなら、円谷プロへの対抗心みたいなものがあったとしてもおかしくないし、独自性も出したかったのだろう。東映という看板のプライドもあったと思う。
この作品はスペースオペラな作品に仕上がっていた。一足違う魅力のアナザーウルトラだった。
キャプテンウルトラは人間と等身大のヒーローだった。というか、ウルトラマンのような宇宙人ではなく、人間そのものが主人公であった。
「ウルトラ」の名前は冠しても、ウルトラマンのサルまねにならないような作品にもしたかったのだろう。
これを見ていた私は、前作ウルトラマンが巨大ヒーローで、それに見慣れていたので、等身大の人間がウルトラヒーローであることに当初は少し地味で物足りなく思った覚えがある。
できればキャプテンウルトラにも、巨大ヒーローに変身してもらいたい・・などと思ったものだった。
だが、見てると、これはこれで面白く、好きになれた。
なにより、宇宙へのトリップ感があり、それがよかった。
さすが東映。ウルトラマンとは違ったウルトラシリーズを製作したと私は思っている。
作品中に出てくる味方ロボット「ハック」のソフトビニール人形を私は持ってた覚えもあるし、敵である宇宙人の「バンデル星人」の似顔絵(?)もよく描いていた。
粘土でバンデル星人を作っていた覚えもある。
粘土で作るには、バンデル星人はもってこいのキャラに思えたし。
ストーリーのほうはよく覚えていないが、ドラマに出てきたキャラクターは今でもよく覚えていることは、私がこの作品にも熱中していた証拠かもしれない。
また、「キャプテンウルトラ」と言えば、なんといっても音楽が最高だった。
ドラマの当初の主題歌も好きだったし、途中から主題歌になった「宇宙マーチ」は前述のように、もっと好きになった。
前半の主題歌がスリリングでワクワクするような曲なら、後半の主題歌「宇宙マーチ」は、広がりがあって、覚えやすくもあり、なによりそのメロディラインが最高だった。高揚した気分になれた曲であった。
さすが富田勲さん!という感じの曲。
一気に引き込まれる、キャッチーで覚えやすく、勢いのあるイントロ。わしづかみ。
キャプテンウルトラのようなスペースオペラには、ぴったりの曲調。
力強いボーカル、格調高く品があり、宇宙空間や未来に広がってゆくようなメロディー。
それに夢と希望に溢れていた歌詞が乗ることで、未来が明るく輝いて見えた。
当時、私がいつか宇宙旅行に行く機会があったら、この曲を宇宙船内で流してほしいとも思った。特に地球を飛び立つ時のタイミングで。
今でもこの曲は好きで、たまに口ずさんでしまうこともあるぐらいだから、私にとっては「心の歌」の中の1曲なのだと思う。
この曲を聞いてると、宇宙への憧れが広がってくるような気がした。
ウルトラQは基本的に地球の地上での物語であったし、ウルトラマンは設定の中に宇宙が出てきていたり(ウルトラマンは宇宙人だったしね)、ウルトラマンや科学特捜隊が空を飛ぶことはあっても、活躍の舞台はあくまでも地球上だった。
だが、キャプテンウルトラは、活躍の舞台が主に宇宙だったような記憶が私の中にある。
そんな点も、私がキャプテンウルトラを見ていて、宇宙への憧れを募らせた理由だったと思う。
そして「宇宙マーチ」は、宇宙への憧れをより増幅させてくれていた・・・というわけだ。
ともかく、今聴いても、良い曲だと思う。
宇宙への夢で溢れていた曲だった。子供たちに宇宙への憧れを抱かせるのに十分な曲だった。
宇宙への希望を高らかに歌い上げていた。
聴いてて、無性に宇宙に行きたくさせられた曲だったし、高揚してくる曲だった。
なにやら聴いててノッてきたし、元気にもさせられた。
私にとって「キャプテンウルトラ」は、「宇宙マーチ」抜きには語れない。
円谷プロのウルトラシリーズはその後長く続き、それは今でも続いている。
だが、キャプテンウルトラは、続編やシリーズが作られることもなく、単発の作品であったことにとどまっている。
まあ、円谷プロ作品じゃないから、仕方ないのかもしれない。
「宇宙マーチ」の歌詞の中には「宇宙を呼ぼう 宇宙をつかもう」という歌詞があったが、
この歌と共に、いつかキャプテンウルトラを呼べる日はあるのだろうか。
この曲、今現在では、JAXAのイメージ映像と重ねて聴くと、あらためて宇宙への夢や希望が呼びさまされ、ワクワクさせられる。
キャプテンウルトラの描いた夢や、痕跡は、こんな形で残っている・・・と思いたい。
まあ、見て、そして聴いてみてください。 ↓
https://www.youtube.com/watch?v=H5To5MGdotQ
どうでしょう?宇宙に無性に行ってみたくなりませんか?宇宙への夢が広がってくるような気がしませんか?
実は私も、昭和アニメーション作品や昭和特撮ドラマで、大好きなオープニング曲・エンディング曲は大変数多いです。
渋いところでは「帰ってきたウルトラマン」「太陽戦隊サンバルカン」「燃えろ!仮面ライダー」(笑)
子供向けとは思えないほど、軽快な或いは勇壮な歌声を聴かせる素晴らしいテーマソングです。
男の子向けかもしれませんが、私の琴線に触れました。
だんぞうさん御自身でも、無限に広大な宇宙をテーマに、素晴らしい楽曲を制作されますことを!
「銀河鉄道999」のように…。
帰ってきたウルトラマンは、途中までは私も見てました。
ただ、マンがウルトラブレスレットを入手してからは、ウルトラブレスレットに頼りすぎのような気がして、だんだん見なくなっていきました。
アニメや特撮の主題歌に良いものが多いのは、昔も今も同じですね。
もちろんその名前や存在は知ってましたが、実際にはあまり見たことがないのです。
後年日本でもアニメ化されたはず。そのアニメ版は私は全く見たことがないです。
アメリカ版の方は改めて見てみたい気はします。