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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

あるバンドのアルバムが5枚セットで50円で売られていた日

2020年03月03日 | 音楽全般

 

 

若いころ私は熱心に中古レコード屋巡りをして、少しでも安く色んなミュージシャンのアルバムを買いあさって集めてたのだが、ある時いつもよく行ってた中古レコード屋のラックで信じがたいほどの安い値段で、あるロックバンドのアルバム(まだLPの時代)が売られていたことがあった。

後にも先にも、その値段でアルバムが売られていたのは見たことがない。

そのあまりの安さに、びっくりした覚えがある。

しかも、そのバンド・・・決して無名なバンドなんかではなかった。

いや、むしろ、当時としては超有名なバンドであった。

 

そのバンドとは・・

 

 

ベイシティローラーズ  であった。

 

なんと、ローラーズのアルバムが、レギュラーアルバム5枚セットで、なんと!!

50円で売られていたのだ。

 

ローラーズと言えば、70年代には絶大な人気を博したバンドで、どちらかというとアイドル系のロックバンド、ポップスバンド。

一時は、70年代のビートルズになるかもしれない・・・とまで言われたこともあったバンド。

日本でも当時の人気は絶大であった。

 

考えてみれば、ビートルズだって、初期の頃はアイドル系バンドの側面はあった。

だがその後ビートルズは自身の音楽性を高めていき、ロックというジャンルそのものを「高み」へと導いていった。

アイドルからアーティストに進化していった。

 

そんなこともあったので、70年代に現れたローラーズも、そんな期待をかけられた。

ロックの歴史において、50年代はエルビス、60年代はビートルズ、そして70年代は誰だ?と注目されていた時代だった。

 

70年代に入っても、高い音楽性を誇るバンドは次々に出てきた。

レッド・ツェッペリン、T・レックス、デビッド・ボウイ、ピンクフロイド、イーグルス、ドゥービー、他。

だが、彼らは実力派ではあったが、かつてエルビスやビートルズが持っていたアイドル性はなかった。いや・・T・レックスやボウイには多少アイドル性も感じたが。

そんな時代に、久々に正統的なアイドル性を持ち合わせ、本国ではかつてのビートルズのように女の子の歓声に包まれて大ブレイクして出てきたのがローラーズであった。

 

私も実は密かに楽しみにした。ローラーズも、ビートルズのように音楽性を高め、音楽界に革命を起こし、アイドルからアーティストに進化していったら面白いと思って、密かに注目していた。

 

だが・・・結局ローラーズは、私の印象ではアイドルから抜けだすことができないまま、気づけば消えてしまっていたように思えた。

 

ツェッペリンなどのような実力派ロックバンドを愛するロックファンは、ローラーズをどうも「下」に見て、ひどい人は馬鹿にしていたような風潮もあった。

 

メンバーチェンジを繰り返し、だんだんピーク時の人気が下火になっていった。

 

私が中古レコード屋で、ローラーズのアルバムが5枚で50円で売られていたのを目撃したのは、そんな頃だった。そう、ローラーズがアイドルから抜け出せないまま、人気がだんだん下降していた頃。

 

いくら人気が下降したとはいっても、一時はビートルズに比較されるほどのアイドル人気を誇り、ネームバリューは抜群だったローラーズのアルバムが、レギュラーアルバム5枚セットで50円とは・・。

いくらなんでも50円は・・。そこまで下がるかい・・。

 

そう思った覚えがある。

 

とはいえ、私も、その50円のセットを買ったわけではなかったのだが・・。

 

あまりにも安かったので、もしかしたら盤に問題もあったのかもしれないが。

音飛びとかね。

 

 

それにしても、なぜローラーズは人気が落ちていったのだろう。

私はローラーズの熱心なファンというほどではなかったが、曲は好きだったので、決して嫌いだったわけではない。

そんな私が思うローラーズの人気下降の原因は、・・たび重なるメンバーチェンジが大きかったのではないだろうか。

少なくても私の目には、そう見えていた覚えがある。

 

あと・・曲作りが好きな私としては、彼らがシングルヒットさせた曲は外部のソングライターが書いた曲や、カバー曲が多かったから・・・というのもあった。

ビートルズはそうじゃなかったからね。、まあ、ビートルズも初期にはカバーヒットもあったけど。

 

その後、ローラーズは一度解散してメンバーがばらばらになってからは、各自がソロ活動をやるにあたって「ベイシティローラーズ」という名称を使いたがって争いがあった・・というのを耳にした時は、耳が痛かった覚えがある。

 

とはいえ、そんな悲しい時期があったにもかかわらず、今でも部分的な再結成は行われているようではある。

また、各自が活動する時にはベイシティローラーズの名前をそれぞれが名義に入れてコンサートを行っているらしい。

生活のためかなあ・・・。

 

私はローラーズのアルバムをまともに聴いたことはないままだ。

なので、ネットでローラーズのアルバムの内容に関する情報を検索して調べてみた。

すると・・・彼らはメンバーによるオリジナル曲作りにも熱心に取り組んでてアルバムには収録していたようだし、オリジナル曲には音楽的な成長もあったらしいし、もしもたび重なるメンバーチェンジがなく、戦略マネージメント上でアイドル時代の音楽性に戻されたような動きもなく(今考えると、それはダメな路線だよね。メンバーはマネージャーのそういう指令を断ることはできなかったのだろうか・・)、オリジナル曲だけでアルバムを完成させ続けることができていたら、音楽的評価は今とは全然違っていたはず・・・という意見は見つけた。

 

そうであれば、ビートルズと同等の評価に辿りつけたかどうかはともかく、少なくてももっと音楽的な評価で後世に伝わっていた可能性はあったのだろう。

 

そんなローラーズの進化を見てみたかった気はする。

ローラーズを決して嫌いではなかった私としてはそういう気持ちはある。ただ、当時、私は周りの音楽ファンに対して「ローラーズは好きだよ」とはちょっと言いづらいムードもあったのも確かではあったが・・。

 

 

 

 

ともかく、ローラーズのいきさつを調べていると、マネージメントというのは大事である・・ということを改めて実感させられてしまった。

 

マネージメントがうまくいってたら・・正式アルバムが5枚もセットになって、50円で売られるようなことはなかったかもしれない。

 

 

やはり・・何度も書くが、正式アルバムが5枚セットで50円で売られていたのは、悲しかった。

おいおい、本当かよ、そりゃないよ・・・と思って。

 

仮にそのアーティストが私はあまり好きじゃなかったとしても、同じことを思っただろう。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=7BKKaKT_dtM

 

 

 

 


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4 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2020-03-04 18:45:40
YouTube音源で聴く限り、それほど激安で、悪く言えば捨て値で売られるようなミュージシャンではありませんよね。


御本人たちが見聞きされたら、激怒すること間違いありません。


そのLP5枚セットが捨て値で売られていた真相は気になりますよね。


さて、だんぞうさんもおっしゃっていらっしゃいますように、ミュージシャンに対するマネージャーとは、まさしく“舵取り”のようなものです。


作家に対する編集者、俳優に対する演出家なども具体例として挙げられます。

ビートルズも、マネージャーであるブライアン・エプスタイン急死後、多数のアルバムや楽曲は制作していたものの、路頭に迷ったのも、やはり“舵取り”がいなくなったからです。


そして「メンバー交替が激しいこと」も、人気没落の原因です。


ミュージシャンとして永久的に大成功を納めるようになるには、本当に極めて至難なことですね。
返信する
Unknown (だんぞう)
2020-03-04 22:02:11
リアルタイム時には、かなり人気があったバンドでした。
アイドル稼業の常として、アイドル人気が落ちてはいったにしろ、アルバムが5枚で50円とは、いくらなんでも暴落しすぎだと思いました。
きっと、盤に何か問題があったとしか思えないです。

5枚で50円だと、1枚平均10円ということに、、、。
ありえないです。

メンバーチェンジがあまりに多いと、ゴタゴタが表面化してるみたいで、ちょっとイメージダウンな印象はありますね。
返信する
Unknown (lemonwater2017)
2020-03-05 05:06:48
象が転んだです。
ミュージシャンもボクサーもハリウッド女優も
プロモータの存在ってとても大きいですね。
オリビアニュートンジョンもヘボ歌手?でありながら、父のコネで大物プロモータがついた途端、グラミー賞でした。

ハリウッドの超大物プロモータがセクハラとレイプで逮捕&有罪判決を受けましたが、売れる為には全てを曝け出す世界で生き残るには才能以上に、そういったゲスな強かさも必要ですね。

そういう私にはビートルズとベイシティローラーズの区別が全く付きません(^^♪
返信する
Unknown (だんぞう)
2020-03-05 10:28:27
オリビアはひところ日本でも大変な人気がありましたよね。
よく音楽雑誌の表紙を飾ってましたし、レコードもよく売れてました。

>父のコネで大物プロモータがついた途端、グラミー賞でした。

そんなことがあったのですか。
知らなかったです。
私、それほど興味がなかったので・・。

確か、日本人の捕鯨問題で反日的な発言をして、日本に来なくなった時期があったと聞いています。

その後どうなったかは知りませんが・・。
一応、日本はレコード売り上げにおいて、大事な市場のはずですから・・。

ビートルズとローラーズは、後世の評価という意味では、相当な差がありますよ。
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