時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

旅先で被災する

2008年06月19日 | 
08年、6月。
岩手一帯を襲った大地震。
被害にあわれた方、心よりお見舞い申し上げます。

中でも個人的に同情することしきりだったのが、宿で被災された人。
また、その宿のスタッフの方々。

その宿は駒の湯温泉というそうだ。
山の中の一件宿っぽい。
つぶれた建物を見るにつけ、やりきれない思いになる。切なくもなる。

私は、大きなホテルよりも、山の中の一件宿みたいな宿に泊まることが多いから、身につまされる。
とても他人事ではない。
私がそういう目にいつかあう可能性もあるではないか。

こういう人里離れた、山の中の一件宿に泊まる時って、世間の喧噪から離れて、静かな異世界で癒されたいと思うものだ。
で、宿に居るときは、ただただくつろいで、あたりの自然音を静かに聞いている。
忙しい毎日の中で、やっと時間を見つけて、こういう辺境に来た時の気分は格別だ。
ゆっくり休みたい。
今回この宿に居たお客さんも、おそらくそんな人たちだったのでは。

なのに・・あんなことになってしまうなんて。
なんたる悪しき偶然。なんたる意地悪な運命。 なんと悲しいことだろう。
単にタイミングが悪かったとか、運が悪かった・・という言葉だけじゃすまされない。
関係者としては、何かに怒りをぶつけたくても、どこにぶつけていいかすら分からない。

また、この宿を経営されてるスタッフについても。
聞けば、かなり高齢のスタッフが経営されてたようだ。
仮に命が助かっていたとしても、再建は・・・難しかっただろう・・。


いわゆる「秘湯の宿」というものは、そもそもこういう立地に存在する場合が多い。
温泉は、人間の都合・・例えば「交通の便」に合わせて湧き出てくれるわけではない。
俗世間から離れた時間を過ごすには、この宿のあったような場所はもってこいなんだけど、立地的に今回のような悲劇の可能性も高いんだよね。
以前にもこういう例があったが、今回の悲劇で、そのへんのことを改めて実感した。

でも・・だからこそ、応援したい。
今回のような件で、今後こういう宿を避ける人も出てくるかもしれない。だからこそ、こういう宿を私は応援したい。
全国には、このような立地にある宿は他にもたくさんある。
これからも、こういう宿に行かせてもらいます。だから、頑張って下さい。


この宿を紹介したページに行ってみた。
切なかった。宿の内部や料理の紹介を見てると、いたたまれなくなってきた。
かつて、この宿が元気だった時の様子を知れば知る程、辛い・・.

もう、このページは・・・。ページそのものが遺品のような気さえしてきた。


家にいれば被災しない・・ということはないし、旅に出たから被災しないというわけでもない。
被災する可能性は、それこそどこにだってある。

あとは、偶然や運・・だけだ。

偶然や運で命が終わってしまう現実を見るにつれ、私の心は無常感や無力感でいっぱいになり、やりきれない思いになる。

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