時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

そこだ! たわけ! うぬ。

2015年12月09日 | 漫画・アニメ、そして特撮

忍者コミックを、コミックの1ジャンルとして定着させたという意味で、白土三平先生の功績は大きいだろう。

 

「忍者武芸帳」「サスケ」「カムイ伝(外伝を含む)」「ワタリ」などなど、名作は多い。

 

もちろん、それ以外にも多数の作品がある。

 

私が忍者好きになった大きなきっかけは、やはり白土先生の作品が大きい。

 

 

 

で、白土先生の忍者コミックを読んでいると、どの作品にもよく出てくるセリフがあった。

 

例えば「そこだ!」「たわけ!」「うぬ」などがそうだ。他にもあったとは思うが、すぐに思い出せるのが、それらのセリフ。

 

 

 

「そこだ!」は、忍者が忍術などを使ってどこかに隠れている時に、それを見破った敵対相手が、「そこだ!」と言って、その隠れている敵に対して手裏剣などを投げつけるシーンでよく使われた。

 

隠れているのが腕のいい忍者なら、投げつけられた手裏剣などを片手で受け止め(刺さるのではなく、キャッチして)難を逃れるが、そうでない忍者は、投げつけられた手裏剣などが突き刺さり絶命する・・・というパターンだった。

 

敵であれ、味方であれ、これが決まると、カッコ良かった。いかにも達人という感じがした。

 

 

 

 

 

「たわけ!」は、敵対する相手をなじる時などに使われ、意味合いとしては「バカめ!」的な意味である。

 

今でも「たわけ者」などの言い方はあるので、現代人でも分かりやすいだろう。

 

ちょっと調べてみたのだが、「たわけ」とは「田分け」という漢字をあてるらしい。

 

元々は、子供の人数で田畑を分けると、代替わりして受け継いでいくうちに、それぞれの持ち分が減っていき、収穫が減って、家が衰退する。その愚かさのことをさしていたらしい。

 

 

 

「うぬ」は、「お前」のことだが、この場合主に敵対する相手をののしる言い方である。英語なら単に「you」でひとくくりにできるのだろうが、なまじ日本語には二人称の言い方が何種類もあるので、きめ細かい使い分けが存在する。日本語を学ぶ外国人にとっては、さぞかしややこしいことであろう。

 

 

 

 

 

とまあ、あれこれ書いてきたが、「そこだ!」「たわけ!」「うぬ」は、白土先生の忍者コミックにはよく出てきた言葉である。

 

「そこだ」はともかく、「たわけ」や「うぬ」は、同じ日本語でも今となっては「古い」言い方にも聞こえるのは、白土作品に描かれた時代劇(主に忍者もの)によく出てきたせいか。まあ、あくまでも私にとっては・・・である。

 

 

 

今の世の中で、日常生活の中では「たわけ」や「うぬ」という言い方はめったにしない・・というか、リアル生活では私はほとんど使った覚えがない。

 

今の人は一般的には「たわけ」を言う場合には「バカ」と言うし、「うぬ」は「お前」や「きさま」と言うだろう。

 

 

 

「そこだ」にしろ「たわけ」にしろ「うぬ」にしろ、どれも敵対する相手に対して使う言葉の印象があるから、仮に使いたいと思っても、通常ケンカの機会がない場合には、中々使う機会はない。

 

でも、日常でケンカなどをする場合があったとしても、そういう言い方をするだろうか。

 

そういう場合は、咄嗟の言動になるので、・・・やはり咄嗟には使わないと思う。

 

 

 

やはり、これは、自分の中では、時代劇での敵へのなじり方・・・そんな刷り込みがある。

 

 

 

 

 

というより・・

 

 

 

やはり、白土三平先生の作品で、忍者などの格闘シーンでの決めフレーズ的な言い回しというイメージは大きいのだ。白土先生の時代劇語という感じ。

 

 

 

 

 

 

 

なんにせよ、とりあえず普段の日常で、使わなくてすめばそれにこしたことはない言葉ではある。言葉のニュアンスから言っても。

 

 

 

「そこだ!」に関しては、例えば家の中のどこかに隠れているゴキブリに向かって、「そこだ!」と言って手裏剣みたいなものを投げたり、一撃でやっつけることができれば、小気味いいかもしれない(笑)。

 

もっとも、ゴキの刺さった手裏剣など、それ以後もう使いたくないだろうが(笑)。

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 体調、浮上せず。 | トップ | 季節の変わり目と、他の惑星 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

漫画・アニメ、そして特撮」カテゴリの最新記事