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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

セルマーマカフェリタイプのギター

2022年04月15日 | 音楽活動

 

 

ジャンゴ・ラインハルトが使用してたことで知られるセルマーマカフェリギターというアコギがある。

文字通りセルマーマカフェリが制作していたアコギだが、もう何十年も前に製作は終了しており、現在市場で見かけるこのギターは、どれもセルマーマカフェリのコピーモデルである。

オリジナルのセルマーマカフェリギターは今ではプレミア値段がつけられており、もしオリジナルが店に出たら、その値段はとんでもない額であろう。

 

ジャンゴの大ファンである私は、ギターコレクトをしてた頃、一番多い頃はこのタイプのギターを4本持ってたことがある。もちろんどれもコピーモデル。

セルマーマカフェリギターには大きく分けて2種類のモデルが有名で、1種類はサウンドホールが楕円形になっているタイプ(この記事のトップ写真のギター)。いわゆるオーバルサウンドホールと呼ばれるタイプ。

もう1種類は、サウンドホールがDの形をしてるタイプ。

D型サウンドホールのモデルの方が、サウンドホール自体は広い。

 

ジャンゴはどちらのタイプも使用してたのだが、どちらかというとリードギターとしてはオーバルサウンドホールの方が知られているかもしれない。

 

私が一時期持ってたのは、オーバルサウンドホールタイプが2本、D型サウンドホールタイプが2本。

一番最初に買ったのはD型サウンドホールのモデルで、日本国産のコピーモデル。

で、2番目に買ったのは、オーバルサウンドホールのモデルで、これまた日本製。

どちらもめちゃくちゃ高額なギター・・というほどではなかった。とはいえ、全くの初心者向けの値段でもなかったけれど。

当時、楽器屋ではそういうセルマーマカフェリタイプのギターは私は見かけたことがなかったので、とりあえずこのギターのルックスに惚れて入手(ただし、今ではたまに見かけることはあるようになっている)。

ギターはやはりルックスも大事だからね。

 

特にオーバルサウンドホールのセルマーマカフェリギターはかなりのお気に入りだった。

 

だが、その後、フランスのデュポン社製作のオーバルサウンドホールを入手。

デュポン社は、オリジナルのセルマーマカフェリギターのリペアを長年やっていたそうで、そのせいかセルマーマカフェリギターのことを特に理解しているメーカー・・・ということなので、デュポンのこのタイプのギターは長年気になっていた。

オリジナルのセルマーマカフェリの収集は無理としても、できればオリジナルに近いメーカー、オリジナルを熟知しているメーカーのセルマーマカフェリギターが欲しかったので、入手した時は嬉しかった。

少しでもオリジナルに近づけた気がして。

 

 

その数年後。楽器屋めぐりをしてたら、今度はD型サウンドホールのセルマーマカフェリギターを見かけた。

もちろんそれもオリジナルではなかったが、以前入手した国産のD型サウンドホールのギターよりも作りが丁寧に思えた。

しかも、それは中古だったのか、あるいは新古だったのか、かなり安い値段で売られていた。

迷った末に、結局そのギターも入手。それはデルアルテというメーカーのギターであった。

その結果、以前入手してあった国産のセルマーマカフェリタイプギター2本と合わせると、計4本このタイプのギターが家にあることになった。

 

ただ、その頃になると、ギターの置き場にも困りはじめていたので、その数年後には、昔買った国産のセルマーマカフェリタイプのギター2本は売却した。

普段私はセルマーマカフェリタイプのギターをライブのメインで使うことはなかったので、とりあえず4本はいらないかな・・と思ったからだった。

で、その後我が家に残っているのは、デュポン社のオーバルホール型サウンドホールのギターと、デルアルテ社のD型サウンドホールのギターの、計2本だ。

 

中々ライブでは使う機会がないので、以前自主製作アルバムを製作した時に、とりあえずデュポン社製のセルマーマカフェリタイプのギターをレコーディングに使用し、出番を与えることができた。

「里山の向こうに君が見える」という曲で聞こえるリードギターが、デュポン社のオーバルサウンドホールのセルマーマカフェリタイプのギターの音色である。

 

これって、音源の中ではわかりづらいかもしれない。だが、実際に弾き比べてみてもらえるとわかっていただけると思うのだが、明らかに普通のアコギとは違う傾向の音がする。

 

まず1音を弾いた時のアタック感が強い。キーン!と力強く音が立ちあがる。また、音は全体的に太めの音がする。低音はわりとあっさり気味で、特筆すべきはやはり中音・高音の音の太さと豊かさ。

リズムを刻むとはぎれがよく、特に真価を発揮するのはやはりリードギターを弾いた時。

マーチンやギブソンなどの通常のアコギとは傾向が違うのだ。

どちらがいいか・・とかそういう問題ではなく、あくまでも個性の違いがはっきりしている。

 

ギターというものは、それぞれに持ち味がある。オーナーの好みも十人十色。

なので、私以外の人がこのギターを弾いて、どんな使い方をするかには興味がある。

このセルマーマカフェリタイプのギターが、ジャンゴ・ラインハルトの音楽に使われていたという情報を知らない人や、ジャンゴの音楽を知らない人が弾いたら、どんな使い方をするだろう。

それまでマーチンやギブソンみたいなタイプの通常のスチール弦アコギばかりを弾いてた人が、何の予備情報もなくいきなりこのギターを手にしたら、どんな弾き方をするだろう。

 

私の中ではどうもジャンゴの存在が頭の中に刷り込まれているが、そういう刷り込みがない人がこのギターを弾いたら、もしかしたら私には気がつかなかった特性や用途をこのギターから引き出すのかもしれない。

 

 


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