本屋さんでウロウロしてたら、こんな本を見つけた。
「ゲゲゲの女房」というタイトルでも分かるように、これは水木しげる先生の奥さん、武良布枝さんが書いた本である。
生い立ち、水木しげるとの出会い、結婚、貧乏時代、売れてからのこと、そして現在のことが書かれている。
妻の立場から見た水木しげる像がそこには描かれている。
これまで、水木先生本人による自伝やエッセイは何種類かあったが、妻の視点での著書は初めて。
だから、水木ファンとしては気になってしまい、気づいたら購入していた。
布枝さんは、古き良き「日本の女房」という感じで、夫や子供達を心から愛してらっしゃるのが伝わってきた。
特に、結婚してからしばらく続いた貧乏時代のことはリアルであり、また、そんな苦労時代に心から夫を信じて支えた姿は感動的。文にも力がこもっている感じがする。
とはいえ、けっして感動的に書いているわけではない。ドラマチックに描こうとしてるわけではない。
ただ、細かいことが丹念に書かれているので、読んでる私の方が勝手に感動してしまった。
若い頃・・・貸本漫画時代の水木先生は、経済的にまったく恵まれていなかった。
そのことは、先生自ら自伝漫画やインタビューなどで明かしてらっしゃるので、その苦労ぶりはファンとしては知ってはいた。だが、この本では、奥さんがその時どういう思いでいたかが書かれているのが興味深かった。
夫が仕事として寝る暇を惜しんで漫画を描いているのに、評価されなかったり金銭的に報われなかったり。
まあ、社会にはそういうのはままあることなのだが、本人は辛いよね。
こんなに努力してるのに報われないなんて・・という思いで、妻の心はいっぱいだったという。
そのへんの下りからは、布枝さんは心から旦那の仕事っぷりを尊敬していたことが伝わってくる。
だからこそ、報われないことが余計に口惜しかったのだ。
心から、旦那の才能を信じていたんだね。
ファンの方ならご存知かと思うが、貸本漫画と週刊誌時代になってからの先生の画風はかなり異なる。
少年週刊誌に描くにあたって、工夫の末に今の画風を生み出した。丸いタッチの線だ。
戦略上のこともあった。
だが、貸本時代のあの画風は「大人の鑑賞にも耐えうる漫画を描く」という信念の賜物だった。
で、やがて画風は変われど、そのスピリットは心の中に持ち続け、その結果今では子供から年配の人にまで幅広く人気がある。
鬼太郎は都合5回もアニメ化されている。
日本に漫画多しといえども、5回もアニメ化された作品なんて、他にあるだろうか?
サザエさんのように終わらずにずっと続いてる作品はあるけれど、終わっては復活し、また終わっては復活し、それが現在の時点ですでに5回。
そんな作品が、他にあるだろうか。
私は、鬼太郎くらいしか思い浮かばない。
まさに、時代を越えて愛されてる作品であり、時代を越えるということは世代をも越えるということだ。
水木先生の才能を信じた奥さんの目は正しかった。
色んなエピソードが紹介されているが、アシスタントでつげ義春先生や池上僚一先生が加わった頃のエピソードは楽しかった。
水木先生と共に私が敬愛してやまないつげ先生と、水木先生がウマがあった・・というのが、ファンとしてなんとも嬉しくもあり微笑ましくもあり。
この本の副題「人生は・・・終わりよければ、すべてよし!」という言葉に、これまでの奥さんと水木先生の人生が集約されていると思う。
苦楽を共にしてきた「夫であり、また旦那さんでもある」水木先生への思いが溢れている一冊。
水木先生のこれまでの色んなエピソードを、妻の視点から知ることができ、水木先生ご本人の自伝とはまた少し違った切り口である点が、楽しめた。
「ゲゲゲの女房」というタイトルでも分かるように、これは水木しげる先生の奥さん、武良布枝さんが書いた本である。
生い立ち、水木しげるとの出会い、結婚、貧乏時代、売れてからのこと、そして現在のことが書かれている。
妻の立場から見た水木しげる像がそこには描かれている。
これまで、水木先生本人による自伝やエッセイは何種類かあったが、妻の視点での著書は初めて。
だから、水木ファンとしては気になってしまい、気づいたら購入していた。
布枝さんは、古き良き「日本の女房」という感じで、夫や子供達を心から愛してらっしゃるのが伝わってきた。
特に、結婚してからしばらく続いた貧乏時代のことはリアルであり、また、そんな苦労時代に心から夫を信じて支えた姿は感動的。文にも力がこもっている感じがする。
とはいえ、けっして感動的に書いているわけではない。ドラマチックに描こうとしてるわけではない。
ただ、細かいことが丹念に書かれているので、読んでる私の方が勝手に感動してしまった。
若い頃・・・貸本漫画時代の水木先生は、経済的にまったく恵まれていなかった。
そのことは、先生自ら自伝漫画やインタビューなどで明かしてらっしゃるので、その苦労ぶりはファンとしては知ってはいた。だが、この本では、奥さんがその時どういう思いでいたかが書かれているのが興味深かった。
夫が仕事として寝る暇を惜しんで漫画を描いているのに、評価されなかったり金銭的に報われなかったり。
まあ、社会にはそういうのはままあることなのだが、本人は辛いよね。
こんなに努力してるのに報われないなんて・・という思いで、妻の心はいっぱいだったという。
そのへんの下りからは、布枝さんは心から旦那の仕事っぷりを尊敬していたことが伝わってくる。
だからこそ、報われないことが余計に口惜しかったのだ。
心から、旦那の才能を信じていたんだね。
ファンの方ならご存知かと思うが、貸本漫画と週刊誌時代になってからの先生の画風はかなり異なる。
少年週刊誌に描くにあたって、工夫の末に今の画風を生み出した。丸いタッチの線だ。
戦略上のこともあった。
だが、貸本時代のあの画風は「大人の鑑賞にも耐えうる漫画を描く」という信念の賜物だった。
で、やがて画風は変われど、そのスピリットは心の中に持ち続け、その結果今では子供から年配の人にまで幅広く人気がある。
鬼太郎は都合5回もアニメ化されている。
日本に漫画多しといえども、5回もアニメ化された作品なんて、他にあるだろうか?
サザエさんのように終わらずにずっと続いてる作品はあるけれど、終わっては復活し、また終わっては復活し、それが現在の時点ですでに5回。
そんな作品が、他にあるだろうか。
私は、鬼太郎くらいしか思い浮かばない。
まさに、時代を越えて愛されてる作品であり、時代を越えるということは世代をも越えるということだ。
水木先生の才能を信じた奥さんの目は正しかった。
色んなエピソードが紹介されているが、アシスタントでつげ義春先生や池上僚一先生が加わった頃のエピソードは楽しかった。
水木先生と共に私が敬愛してやまないつげ先生と、水木先生がウマがあった・・というのが、ファンとしてなんとも嬉しくもあり微笑ましくもあり。
この本の副題「人生は・・・終わりよければ、すべてよし!」という言葉に、これまでの奥さんと水木先生の人生が集約されていると思う。
苦楽を共にしてきた「夫であり、また旦那さんでもある」水木先生への思いが溢れている一冊。
水木先生のこれまでの色んなエピソードを、妻の視点から知ることができ、水木先生ご本人の自伝とはまた少し違った切り口である点が、楽しめた。