最近、若い人が使いあってる略語のことがテレビなどで話題になることがある。
中にはなんとか意味を解読することができるフレーズもあるが、さっぱり意味が分からない略語も多くなった。
その略語は、ネットなどからの造語も多いようだ。
例えば「禿同」(はげどう)。これはネットなどでよく見かける「激しく同意」というフレーズの略語。
「激しく同意」というフレーズは、実は私もネット上で何度も使ってきてるので、意味はすぐ分かったが、「禿同」と漢字で書かれると、見慣れないうちは一瞬「??」となって面喰ってしまうかもしれない。
「KY(空気読めない)」などは、もうすっかり浸透してしまっっており、かなり幅広い世代で認識できるだろう。
皆さんも、見慣れない&聴きなれない、新しい俗語・造語・略語などに面喰ってしまったことはあるのでは?
正直、ついていけてない私(笑)。
でも、こうした略語、俗語、造語は、なにも今に始まったことではなく、昔からあった。
私自身も、周りの友達も、そういう言葉は使っていたし、時には自ら作ることもあった。
私が若い頃に使ってた略語・造語にしたって、当時の大人から見れば「?」だっただろう。
そういえば、私が若い頃にあった略語、造語・・・といえば、思い出す一連のワードがある。
高校の頃、クラスには不良系生徒はけっこう多かった。
彼らは一見して分かるスタイルをしていた。
まず、髪の毛はリーゼント。
つぶして薄くしたカバン。
少しずり下げてはいてたズボン。
だいたい上記の3点は、共通しており、そういう格好をしてる生徒は「俺は不良だ」とアピールしている感があった。
そして、そういう不良系生徒たちの間では、もうひとつ共通点があった。
それは、いわゆる「不良用語」を使い合ってたということ。
ある意味、それは共通言語のようでもあり、不良たちの会話では頻繁に、不良言葉が出てきた。
それらの言葉の中には、初めて聞いてもそれとな意味がく分かる言葉もあれば、初めて聞いただけでは意味が分からない言葉もあった。
私がすぐに思い出せる不良用語と、その意味をあげてみる。
ヤニ ・・・タバコのこと。「モク」ともいう。「しけもく」とは、吸い終わったタバコのこと。
マッポ・・・警察、おまわりさん。
ふける・・・主に、授業をさぼって抜け出すこと。
タイマンを張る・・・喧嘩する。
タメ・・・同等。 「タメはる」ともいう。
タメ口をきく・・・互いに対等の会話をする。
メンチきる ・・・にらみつける。メンタンきる・・ともいう。
カツアゲ・・・脅して金をゆすること。
ガンをつける・・・にらみあう。「ガンを飛ばす」という言い方もあった。
アンパン・・・シンナー遊び。
しかと・・・無視。
ヤキをいれる・・・制裁をくわえる。
シャコタン・・車高を低くした車。セリカが人気あったかなあ。
チャンサイ・・・万引き。なぜか、万引きすることを「チョンボする」という言い方もあった。なんでも、この言葉は元は探偵用語だったらしい。それがなぜ、不良界でも使われるようになったのだろう。
ダチ・・・友達。親友は「マブダチ」。
まぶい・・・きれい。主に女の子のことをさす。ちなみに「はくい」という言い方もあったようだ。
すけ・・・・女性。私の時代で、すでに半分「死語」だった。
チクる・・・・告げ口をする。
フクロにする・・・ふくろだたきにする。
ばっくれる・・・・しらばっくれる、とぼける。さぼる・・という意味もあった。
根性焼き・・・火が付いてるタバコを、手などの皮膚に押し付ける。根性焼きの跡・・・・押し付けたタバコの跡。
ラリってる・・・・シンナー遊びなどで、精神がもうろうとしたりして、幻覚などをみたりする状態。トリップした状態。
そりを入れる・・・額の上部などを剃りこむこと。
しめる・・・・こらしめる。
焼きが回る・・・衰える。老いる、
チョーパン・・・頭突き。なんでも、語源は「朝鮮パンチ」の略語らしい。朝鮮学校の生徒が頭突きが得意だった(本当??)ことからきたらしい。
などなど。他にもあったように思うが、とりあえず思い出せたものをあげてみた。
この中には今でもポピュラーなものもあれば、ほとんど死語になってしまった言葉もあるだろう。中には今では「不良用語」のくくりを超えて、それなりに一般的にも使われてる言葉もあるだろう。
言葉のニュアンスから、だいたい意味は察することができる「不良用語」は多いが、中には、当時なぜそういう言い方をするのか不思議に思ってた言葉もあった。
いい例が「タイマンをはる」という言い方。
調べてみたら、「一対一(マンツーマン)」という言い方から来てるという説もあれば、古い中国語から来てるという説もあるようだ。
もしも後者だとしたら、誰が一番最初に言い出したフレーズなのか分からないが、言いだした人はかなり教養のある人だったようにも思える。
「メンチ切る」というフレーズも、初めて聞いた時は妙だった。これは「面子(めんつ)切る」という表現から派生したもの・・・という説もあるようだ。決して「メンチカツを切る」という意味でとらえてはいけないのだ(笑)。そう受け取ると、とんだ勘違い野郎になってしまう。
「チャンサイ」に至っては、それが探偵用語だったとは、当時は考えもしなかった。
また、上記のリストにはあげなかったが、古い熱血漫画では、「イッコキン」なんていう言葉もあった。「げんこつ一発」という意味だったらしいが、その言葉を私の周りで使ってる奴は・・いなかった。使ってる人、どこかにいたのだろうか。
思えば、色んな業界にも色んな業界用語があるわけだし、「不良用語」も不良界の業界用語みたいなものだったのかもしれない。
不良用語を使い、リーゼント、つぶしたカバン、少しずり下げたズボン・・・・このスタイルこそが、当時の不良スタイルだった。
だが・・・案外、気の弱い不良生徒も、本当はいた・・・ということも、私は知っている(笑)。
かつて不良だった級友がその後どうなったか。
平凡なオヤジになった人もいれば、その筋方面に進んだ人もいるかもしれないし、スターになった人もいれば、行きがかり上トンズラできなくて散っていった人も・・・いたかもしれない。
不良のことを「ツッパリ」という呼び方をしたものだが、今にして思えば、人間、突っ張らない方がいい場合もあれば、突っ張らなければいけないこともある。
そのさじ加減が、その人の人生を左右したりするんだろうな・・・と、たまに思ったりもするのだ。
損得は大事かもしれないが、損得だけで割り切れるものではないことも、ままあるからなあ。
まあ、何はともあれ。
これら不良用語は、仕事上では使わないようにしましょう(笑)。
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