いやあ、昨日の台風の日は、大変だった。
台風の進路や速度からいって、昨日の帰宅ラッシュ時に、ちょうど関東地方に台風がいるだろう・・・と予測はしてた。
テレビで台風情報を見てても、その予想は外れそうもなかった。
このままいたら、3月の震災の日のようにまた帰宅難民になって会社に泊まりこみになる・・・そう思った私は、同僚に言って4時前にひけさせてもらった。
幸い、事務所近くの駅に着いた時は、私の乗る私鉄は動いていた。
ホッと安堵。
で、なんとかJRの乗り換え駅までは無事に辿り着いた。
そうしたら・・・・JRの駅で、JRが動いてないことを知る。
少し待ってたら、さっき乗ってきた私鉄が止まってしまったことを知る。
あと20分くらい会社を出るのが遅れたら、JRの駅までもたどりつけないところだった。
そう思って、少しは救われたかな・・・と自分をなぐさめて、JRの駅でJRが動くのを待つことにした。
だが・・待てど暮らせど(?)JRが動かない。
線路を見ると、駅の中で傘をさしてた人の傘が飛んで、線路に落ちたらしく、線路の上に女性用傘が落ちている。
しかも、開いた状態で。
きっと、こういう人の行為の積み重ねが、電車の遅延のもとになるのだろう・・と、少し憤慨してしまった。
そりゃ、ホームに居ても、台風の暴風雨はすさまじく、雨が吹きつけてきてはいる。
でも、大半の人がホームでは傘をささずに我慢している。
この落ちた傘をホームでさしてた女性は、なぜその人だけ我慢できなかったのだろう。
その人がさしてた傘が風にあおられて、線路に落ちたのだから。
その瞬間を私はこの目で見ていたのだ。
きっとわがままな女性なんだろうな・・と思って、その傘を見ていると、傘は風で線路の上を移動し始めた。
このままもし電車が入ってきたら、まずいことになるかも・・と思ってたら、駅で、長い傘を持ってた人が、ホームにしゃがんで、長い傘の先っぽで、線路に落ちてる女性用傘を拾い上げた。
その「落ちた傘」をさしてる女性さえいなかったら、その人もそんなことしないで済んだのに・・。
ちなみに私が持ってる傘は折りたたみ式のミニサイズのやつ。
そうこうしてるうちに時計を見ると、1時間半くらい経過。
運転復旧のめどはたってないようだ。
たまらず、私はいったんJRをあきらめ、地下鉄の乗り換えで帰ろうと思い、地下鉄の改札に向かおうとしたところ・・・皆、考えることは同じなんだね(笑)、地下鉄の改札に向かうスペースは人・人・人・・・。
とてもじゃないが、進めるような状況ではなかった。
再度あきらめて、私は仕方なくJRのホームに戻った。
電車は入ってきてたが、そこで止まってしまい、動く気配がない。
しかたなく、とりあえず、止まってる電車の中に入った。
そうすれば、さしあたっての風雨だけは避けることができるから。
で
そのまま待機。
電車の外では、ホームが台風にやられ続けていた。
ビューと風が鳴って、ゴーッと雨が打ち付ける。
ビューと鳴って、ゴーッと降る。
その繰り返し。
ホームから見える店の看板がバタバタ騒ぎ。
人々は、なすすべなし。
あきらめ顔、無表情、様々。
ファッションを決め、粋な靴を履いてた若い女性は、立ち続ける疲れで、靴を脱ぎ、少しだらしない恰好で、態勢を楽にする。
見栄も外聞もなくなっている。確かに、それどころじゃない。
結局、電車が動きだしたのは、その一時間半後。
都合、私はその駅で、3時間も待ってたことになる。
やっとのことで電車が動き出したはいいが、途中駅でまた止まった。
もう、疲労困憊状態。
だが、その止まった駅で、降りる人が多かったので、やっと座ることができた。
その救いがあったので、まだマシだったが、結局家に着いたのは、会社を出て5時間近く後・・・。
そう、片道に5時間近くかかって、やっと帰宅できたのだった・・。
もう、何もする気がしなかった・・。
ある程度予想はしてたが、これほどとは。
あと20~30分くらい早く会社をひけていれば、普通に帰れたのかもしれない。
そう思うと、あと少し早く会社をひけられていたら・・という思いはあった。
早く会社をひけたかったのは、電車が止まる恐れがあったことと、家の近くの川が氾濫して冠水した時のために、1階の荷物のいくつかを2階にあげておきたかった・・というのもあった。
特に、ビンテージギター。
だが、帰宅してみたら、どうやら近くの川の氾濫はなかったようで、安堵。
ともあれ、あの震災の日以来の「帰宅困難」の日であった。
でも・・まあ、あの3月11日の夜に比べたら、マシか・・。
あの時は、会社に泊まりこむしかなかったものなあ。
最寄りの電車が全く動く気配がなかったので、3月11日はそうするしかなかったのだ。
あの震災の日よりはマシ・・・そう思って自分を慰めていた。
いやはや、皆さん、お疲れさまでした。
平穏・普通であることのありがたみ。
それは震災の日に身にしみて感じたことだが、今回もまた、そのありがたみを改めて痛感した。
台風が過ぎたはずの今日。台風においてけぼりにでもされたかのような、残り風が強かった。