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このことは・・・・書くか書くまいか、ずっと迷っていた。
というのも、こんなことを感じるのは、私だけかもしれないからだ。
おそらく共感してくれる方は、いないのではないだろうか。
それは・・
仕事などで遅くなり、終電もなくなり、深夜にタクシーで家に帰っていた時期。
疲れた体で、窓の外を漠然と見ていて。
夜の街を走るタクシーの窓からは、道路ぞいに多数の自動販売機が見える。
自動販売機の表のディスプレイの中には、明かりがついており、その自動販売機の販売物(おもに飲み物)のデモ用の缶などを照らしている。
明かりがついているということは、暗がりもある。
その暗がりとは、ディスプレイの端っこの方だ。
暗がりといっても、他の場所よりもちょっぴり暗いだけで、暗闇というほどではないのは、自動販売機をご存じの方ならご理解いただけると思う。
私は・・・その、隅っこの「ちょっぴりの暗がり」になぜか目が行ってしまうことが何度もあった。
で、妙な空想を膨らませたりした。
自分がもしあの中にいたら、あの暗がりの場所に安堵感を覚えるかもしれない・・ということ。
真っ暗闇ではなく、やや暗がり。
明るいところはしっかりと照らされた上で、その明かりが届かない「やや暗がり」のエリアに、なぜか郷愁みたいなものも感じてしまったりしたのだ。で、なぜか惹かれたりも。
へたすれば、自動販売機のディスプレイ内の明暗とは全く結びつきそうもない「枕草子」の一節などを思い浮かべたりもした。
例えば、「春は あけぼの」というフレーズなどを。
その発想が飛躍しすぎであることは自分でも分かってはいる。
かたや大昔の日本の自然風景、かたや現代の無機質な機械の中。どう考えても共通項などありそうもないのだが。
これはなぜだろう。
自分でも分からない。
たかが自動販売機のディスプレイの中の隅っこの「やや暗がり」に、これまでの私の記憶や体験の何かが相通じるものがあるのだろうか。
はっきりとピンポイント的に思い当たる体験や記憶は・・ない。
でも、なぜかその「やや暗がり」に惹かれたり郷愁を感じたのには、なにか理由もあるはずなのだ。
なぜだ。
なにゆえ。
何が、通じてる?
これまでの私が見てきたもの、感じてきたものの何が??
学芸会の時などに、舞台の袖に待機してた時のような感覚??
スポットがあたり、客からの視線にさらされる舞台上ではなく、舞台の袖で客からは見えない「やや暗い」場所に控えていた時のような感覚??
もしくは、控室で待機してる時のような感覚??
それとも。
わからない・・。
ともかく、不思議な感覚ではあった。