初めてギターをグレードアップした時

これまでに何度か書いてきてることだが、私が初めてギターを入手したのは中学3年の頃だった。
初めてのギターは15000円の初心者向きのギターだった。

それをしばらく使ってるうちに、ある程度の基本的な簡単なことができるようになってくると、ギターをグレードアップしたくなり、高校3年生の時に、定価10万のギターに買い替えた。バイトなどをして。

買い替えてからは、明らかに自分のギターに対する向き合い方が変わった。
無意識のうちに。

それまでは、例えば指弾きする時は、定番のアルペジオパターン。
コード弾きする時はビックでコードをなんとなくなぞるように弾いてるだけだった。
そういう、なんとなく・・な弾き方で、曲をあれこれ作っていた。

だが、10万のギターに替えてからは、明らかに曲ごとに、自分の弾き方に変化が出てきた。
録音して聴いてみると、弾き方の変化に気がついた。
しかもその弾き方、計算してというよりも、自然にそういう弾き方をするようになっていた。
で、それにも気付くと、その後は意識して弾き方を変えるようになっていった。

例えば、曲によっては低音弦を強調したり、曲の箇所によっては高音部を強調したり。
静かに弾いたり、激しく弾いたり。
リスムにアクセントをつけるようになったり。
指弾きするときは、アルペジオにバリエーションを加えたり。
コードに飾りの音を加えたり。
スリーフィンガー奏法にチャレンジしたり。
時にはスリーフィンガー奏法では、低音弦をミュートしながら弾いたり。
高音域の響きで歌いたい時はカポをハイポジションにつけたり。
低音域の響きで歌いたい時は、ロウコードで弾いたり。
コードのつなぎ目にはベースランニングを加えたり。
イントロや間奏部などにはメインボーカルメロディとは別のメロディを入れたり。
ボーカルメロディの隙間にギターで繋ぎのメロディを入れたり。
と、まあ色々。

そうやってギターの弾き方にある程度こだわるようになったのは、以前に使っていた安いギターに比べて、買いなおした10万のギターの性能が高くて、弾き方によって色々な表現ができることに気づいたからだと思う。
特に低音弦の迫力、高音ハイポジションでの美しさが、初心者用のギターとは明らかに違っていたから、弾いてるとついそういう特性を強調したくなった。
そうすることで、同じ弾き語りでも、曲に色々な演出をくわえることができ、曲を少しでも良く表現することができた。


それまては、割と1本調子で弾いてたのに、ギターをグレードアップしてからは、曲によって、弾き方を変えるようになっていった。
それはやはりギターをグレードアップさせたのが大きかったのだと思う。
安いギターに比べて、低音が豊かだったり、高音部がキラキラしてるので、弾いてると、そのギターによって得られる表現力を、無意識のうちに演奏に活かそう、曲の一部にしようという欲が出てきていたのたと思う。
使うギターが変わると、演奏方法や表現方法にも違いが出るのだ。

ギター弾きというのは、何かギターを持つと、ついそのギターの特性にあった弾き方をしてしまうものたと思う。
しかもギターというのは、材質やサイズ、メーカーの狙いで。１本１本違う。
あと、弾き手の好みも違う。だから、そのギターの良さの引き出し方も違う。
同じギターでも、弾き手が変わると、そのギターの音も違うのは、そのためだろうと思う。


初心者がギターを始めて、やがてある程度基本的なことができるようになったが、その先中々思うように上達できてないように思えることはあると思う。
練習しても、あまり上達してる気がしなくなることはあると思う。
いきなり一気にうまくなるなんてことは難しい。
そんな時は、もしそれまで使ってきたギターが初心者向けの安物ギターだった場合、思い切って、より高価なギターに買い替えるというのは少しでも上達するための有効な方法のひとつだと思う。
それによって、ギターそのもののポテンシャルがあかり、表現できる幅が広がるはずだから。
そうすることで、自身の弾き方や向き合い方に変化はでるはす。無意識のうちに。
ある意味、手っ取り早い方法のひとつだと思う。

弾きやすさも上がる可能性もあるしね。