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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

こだわる男  by トリプルファイヤー

2019年06月14日 | 音楽全般

 

 

私がこの曲を初めて聴いたのは、ラジオだった。

仕事中ラジオをBGM代わりに流してた時、この曲が流れた。

聴き始めた時は「妙な曲だな」と思ったぐらいだった。

 

なにしろ、メロディがあるんだかないんだか、音程が合ってるんだかどうだか・・という感じで。

最初は流して聴いてたので、歌詞の内容まではよく聴いてなかった。

だが聴き進むうちに、妙にこの曲を聞き流せなくなり、聴力をあげて(笑)歌詞の内容を追った。

そうしたら最後のほうで、天ぷらがどうのこうの・・という感じになり、職人が作った塩じゃないと天ぷらは食えたもんじゃない・・などという歌詞が出てくるにおよんで、「なんじゃこの歌詞は(笑)」と思いながら、その妙なボーカルとメロディに思わず引き込まれてしまった。

しかも、妙でありながら、ラストでテンションが妙な感じであがっていくもんだから、一発で「気になる曲」になってしまった。

 

 

この曲でトリプルファイヤーというバンドに興味を持った私は、家でユーチューブで彼らの映像や音源をいくつか聴いたり見たりしてみた。

 私が聴いた限りでは、曲はほとんど語りに近いのが多く、メロディらしきものはあまりないものが多かった。

いや、語りというより、、、、どう表現したらいいんだろう。

ラップという感じでもないし、一般的なボーカル、、、というより「歌う」という感じともちょっと違う。

 

ただ、この「こだわる男」は、一応メロディらしきものがある曲。だが、そのメロディラインにしても、あまりメロディアスというものを意識していない感じ。

やる気があるんだかないんだかわからない、妙な旋律。歌詞の途切れめもそう。

なにやら、この歌詞は、メロディの制約を受けたくないかのようでもある。

 

と思って聴き返しながら、このボーカリストである吉田さんのことを調べたら、タモリさんの深夜番組「タモリ倶楽部」に何度か出演していたことがわかった。

なんでもタモリさんが吉田さんを「無気力キャラ」「ダメキャラ」というキャラとみなし、そのキャラを気に入っており、お笑いをやるように勧めているとか(笑)。

要するに、この吉田さんは「キャラが立っている」ということだろう。

私個人的には、どちらかというと脱力系キャラに見えた(笑)。

とはいえ、吉田さんは、見た感じそのキャラを意識して演じてるわけでもなく、あくまでも天然でそういうキャラっぽい。だから面白い。

 

ライブ映像をあれこれ見てみると、バンドのしっかりしたバック演奏に、吉田さんのボーカルとキャラが乗ることで、このトリプルファイヤーは成立している感じ。

 

バック演奏は、なにやら硬派な感じもするサウンド。

個人的にはギターのリフなんか、独特で好きだし、面白い。

 

このサウンドに、もし普通のスタイルのボーカリスト・フロントマンが乗って、普通のありがちな曲を歌ってしまったら、ここまで独特のバンドになるだろうか。

 

うまいとか下手とかを度外視したキャラや音楽性、スタイルがそこにあると思う。

何かに似てるとかいう感じもない。

彼らはどんな音楽に影響されてきたのだろう。どんな音楽を聴いてくれば、こういう音楽性に辿り着くのだろう。

 

なんでも、吉田さんの実家は神社らしく、彼は本来はその神社の跡取り息子だという。

となると、このバンドは今後どうなるのだろう。

そのキャラが受け、音楽以外でもあれこれバラエティ番組にも呼ばれているし、彼の作詞の才能も認めらている。

活動の幅が広がっているが、そうなると神社のほうは・・・??

 

トリプルファイヤーの楽曲の歌詞を読んでみると、他の作詞家が「歌詞」の題材として目をつけないような部分を取り上げているし、着眼点も発想も表現も面白い。

「世にはびこるいくつものモヤモヤに風穴を開けて、突いてるなあ」と思ったりもする。

 

あのキャラだからこその歌詞だと思う。

なにやら、曲のタイトルだけでも、興味をそそられてしまう人はいるはず。

タイトルをいくつかあげてみよう。

例えば・・

 

「トラックに轢かれた」

「次やったら殴る」

「なんかしゃべんないと友達になれない」

「SEXはダザい」

「中一からやり直したい」

「はずれのヘルス嬢」

 

 

などなど。

 

こういうタイトルの曲、これまであっただろうか(笑)。なにやら、タイトルを聞いただけで、曲を聴いてみたくなってくる人、いるのではないだろうか。

個人的には「トラックに轢かれた」の歌詞など皮肉にも聞こえ、けっこう痛快だったし、「スキルアップ」という曲の歌詞など、ナンセンスさとシュールさにあふれ破壊力抜群に思った。

世の中の不条理を突いてきてるようで、おじさんの私でも妙に共感してしまったり、引き込まれてしまった。

ただ者ではない歌詞だと思う。

 

 

 

ともかく、個人的に今後が楽しみなバンドではある。

このバンドが、あの楽曲スタイルや音楽性でヒットチャートの1位を取るような大ヒット曲を出すとしたら、どんな曲になるのだろう。

ハマる人は妙にハマり、そうじゃない人は「なんじゃこりゃ・・」とそっぽを向いてしまいそうではある(笑)。

でも、このバンドは、それでいいのかもしれない。

私は久々に、「このバンドの全曲分の歌詞を読んでみたい」・・・・そんな気にさせられてしまった。

 

 

ちなみに、この吉田さん・・・私の十代の頃の友人のひとりH君に、顔や雰囲気が似てる(笑)。

少なくても十代の頃のH君は、トリプルファイヤーの吉田さんに似てる感じだった。おだやか系で、かわいい感じの奴で、周りの皆に好かれていたっけ。

H君とはもう何十年も会っていないが、今も元気でやっているだろうか・・と、そんなとりとめのないことを考えてしまう私であった。

 

ともかく、今の私にはトリプルファイヤーは、ちょっと気になっているバンドだ。

 

もしも、歌詞を集めた詩集みたいな本が出たら、買ってみたい。

歌詞がこんなに気になるミュージシャン、久しぶりだ。

 

 

 https://www.youtube.com/watch?v=T4DYqybMvjI

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2019-06-15 15:08:01
「特に編曲・脚色しない音楽」という事では、私が最も理想とする50年代ロックンロールに近いです。


しかし、歌声が突拍子も無くて、歌詞の内容を掴むまで、かなり時間を要しましたよ(笑)


このグループは、インディーズですか?

プロフェッショナルにしては、あまりに地味で…(決して批判的意味ではなく)。


それでも、他のミュージシャンでは決して聴くことが出来ない歌詞を持つ数々の楽曲が大変興味あります。

やはり楽曲タイトルは、一見して、惹き付ける魅力も必要ですね。
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Unknown (だんぞう)
2019-06-15 17:44:01
初めて聴いた時は、私も突拍子もない歌声に聞こえました。

彼らのライブ映像を見ると、ボーカルメロディーというより、語りに近い感じの曲が多かったです。

なんといっても、やはり歌詞が面白かったです。


インディーズっぽい雰囲気は感じますが、どうなんだろう。メジャーデビューしてるのかもしれません。
ラジオ番組で流れてましたから。

歌詞の内容もさることながら、タイトルにもインパクトありますよね。
返信する

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