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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

遠目だと区別がしにくいマーチンギター

2009年08月10日 | 音楽全般

世の中にギターメーカーは数あれど、マーチンギターは、遠目で見ると、他のメーカーのギターと区別がつきにくいギターの筆頭クラスじゃないだろうか。

まあ、これは、マーチンのデザインを、世界中のギターメーカーが手本にしたから・・という理由でもあり、マーチンにとっては「名誉」なことでもあるのかもしれない。

でも、マーチン系デザインのギターはあまりもスタンダード過ぎて、あまりにも多過ぎて、遠目で見たり、近くでチラッと見たりしただけじゃ、他のメーカーのギターとの区別がつきにくい。

まあ、ギターファンなら、近くでよく見てみれば区別はつく。
ロゴもあるしね。

マーチンはアコギ界においてはリーダー的存在だったし、アコギを大きく進化させ、実際に素晴らしいギターを作ってきた。
アコギを今の隆盛に導いた功労者であるということに異論を唱える人はいないだろう。
日本でいえば「幕末の時代」の創業であるから、長い歴史もある。


その分、その後現れたたくさんのギターメーカーにマネもされた。
そのデザインなど、特に。

今では、アコギのデザインというと、マーチンスタイルを思い浮かべる人が大半だと思う。

そのせいか、本来マーチンの個性であったデザインは、いつのまにか「よくあるデザイン」になってしまった。

ギブソンのアコギも、かなりのメーカーにマネされたけど、ギブソンのアコギのデザインはハデ。
なので、マーチンよりも見分けやすい。

ギルドは今ではマーチンやギブソンほどは使用者がいないような気がする。
なので、あのピックガードで見分けやすい。

オベイションなんて、一発で見分けられる。分かりやすいデザインだ。


ヤマハに関しては、ピックガードのネック側の部分で見分けられる。


また、安価な入門用ギターでは、特に一昔前は、大半のメーカーのギターがマーチンスタイルだった。


ここで、私が書きたいのは、高級ギタ-でも一見マーチンと見分けがつきづらいメーカーがあるということ。

しかも、それは国産ではなく、マーチンと同じアメリカのメーカーで。
更に、しかも! それは本家マーチンに勝るとも劣らないギターを作り、また、勝るとも劣らない人気や評価を得ているという事実。
いい例が、コリングスであり、サンタクルーズであり、メリル、その他。
もちろん、値段のほうもマーチンに勝るとも劣らない。

メリルのギターはまだ私は弾いたことがないが、サンタクルーズのギターは弾かせてもらったことがある。
ちょっとテンションがきつめで、固めの音だったが、素晴らしかった。
よく鳴るギターだった。

コリングスにいたっては、私も持っているし、その素晴らしさはマーチン以上じゃないかと思う事もあるくらい素晴らしい。
もっとも、私のコリングスは、マーチンタイプのデザインじゃないけどね。

これらのギターを見たり、評判を聞いたり、自分で弾いてみるたびにいつも思ってたことがある。
それは、これほどのギターを作ってるのに・・・、マーチンに勝るとも劣らないギターを作ってるのに、なぜマーチンと同じデザインの機種が多いのだろう・・ということだった。

これほどのギターを作るメーカーなら、プライドも高い筈だし、実際高いプライドを持つにふさわしいクオリティがある。
ならば、これまで主流だったマーチンタイプのデザインに、自分らが取って代わろうとか、自分がアコギのデザインの新しいスタンダードになろう・・という野望を持ってもおかしくないはず。

自分ならではのデザインで、マーチンはマーチン、我々は我々・・・そう思いたくなるもんじゃないだろうか。
俗世的な言い方をすれば、マーチンに対抗するために、プライドにかけてマーチンと見分けがつきやすいデザインにしようとは思わないのかな・・・なんて私は思ってしまうわけだ。

とはいえ、これらのメーカーのデザインは、最近ではマーチンタイプ一辺倒では決してない。
よく調べると、自分らだけのオリジナルデザインの機種もうちだしてきてはいる。

例えば私の持つコリングスのギター「C10 DLX」は、マーチンタイプのデザインではない、コリングス独自のデザインだしね。
もっとも、だからこそ入手したんだけど。


でも、メインとなる人気機種は、やはりマーチンタイプのデザインが多い。
近くから見たら、ヘッドの形状などに「マーチンとの微妙な違い」はあったりするのだが、遠目でみたら、マーチンと見分けがつき辛い。



なんでも、話によると、アメリカのブルーグラス系のミュージシャンは、ドレッドノートスタイルのデザインへのこだわりがあるという。
へたすれば、それしか認めない人もいるとか。
なので、そういうミュージシャンに使ってもらうためには、どうしてもドレッドノートスタイルのギターを作るしか無い・・・そう語る個人ビルダーもいる。
そうなると、どうしてもマーチンデザインになってしまう・・ということなのかもしれない。

ギター製作の現場では、そういう事情もあるみたいだ。

また、音に関しても、ブルーグラス系の音楽で使用するギターは、マーチンのドレッドノートの「28」・・いわゆる「マーチンD28」という機種の音が標準とされていて、そこでは同じマーチンギターでも「18」とか「45」モデルでもないらし、ギブソンでもないらしい。
ただ「マーチンD28」なのだとか。

そうなると、マーチン以外のメーカーがそういう市場に食い込むには、マーチンD28っぽい外観、そして相通じるサウンドにするしかないのかもしれない。
ただ、そこで、新興メーカーとしては、今のマーチンではない「ビンテージ・マーチンD28」に迫る音にするように設計して、今のマーチンとの違いをうちだして、食い込んでいくという戦略が根底にあるのだろう。


ちなみに、ドレッドノートスタイルとは、マーチンが開発して世に広めた、世界のアコギのスタンダードデザインだ。
ドレッドノートという軍艦を彷彿とさせる大きなボディだったから、そういう機種名になったという話だ。


それだけブルーグラスの世界では、マーチンD28は確固たる地位を確立しているということでもあるし、それはマーチンの偉大さの証明でもあるのだろう。

でも、本当は、新興メーカーも、自分たち独自のデザインとサウンドで、食い込みたいのだろうね。

私はとりあえずブルーグラスをやってるわけではないから、マーチンに負けないギターを作ってるメーカーには、マーチンとは別の「彼ら独自のデザイン」であってほしいと思う。

だって、見た目が「マーチンD28」と変わらなかったり、区別がつきづらい「他社のギター」を買うなら、本家の「マーチンD28」を買った方がいい・・と思ってしまうんだ。

もちろん、メーカーへのこだわりがなく、デザインへのこだわりもなく、あくまでも「自分好みの音」であれば、メーカー名・デザイン共に関係なく「自分好み」のギターを買うという人は多いだろう。
それはその人の価値観であり、そのスタンスでのギター選びに間違いはない。
否定する気は全く無い。
今ここで書いてるのは、あくまでも私の個人的な感想でしかない。


私の個人的な思いとしては、マーチンに勝るとも劣らないギターには、遠目でも「あ、コリングスだ」とか「お、これはサンタクルーズだ」とか一発で見分けがつくギターであってほしい。
ボディがどうしてもドレッドノーとになってしまうのなら、せめてピックガードやヘッドだけでも、遠目で見てもマーチンとは違うことがよくわかるデザインにするとか。


私は、ギターファンの末席にいる者として、良いギターは大好きだ。
ギターそのものも、メーカーも、個人ビルダーも。
敬愛しているつもりだ。

マーチンも大好きだし、マーチン以外のギターも大好き。
だからこそ、マーチンはマーチンとして変わらずに、いつまでも良いギターを作り続けていってほしいし、他のメーカーも、そのメーカーらしい個性を築き上げて確立させ普及させていってほしい。
どんなに良いギター作っても、見た目がマーチンと変わらないんじゃ、寂しいよ。

皆、それぞれの個性で頑張れ!


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