時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

指からケムリがモクモク!?

2008年11月25日 | 懐かしい系、あれこれ

皆さんは、昔、自分が老人になったら、どんな老人になりたい・・と思っていただろうか?
大人になったら○○になりたい・・とは考えたことがあっても、老人になったら○○な老人になろうと考えたことがある人は、少ないのかもしれない。

子供の時の私は、老人になったら、駄菓子屋のジイサンになりたいと思っていた。
で、駄菓子屋のジイサンになって、時間から外れた場所にいたいと思っていた。
あのアヤシサが良かった。


・・実際、駄菓子屋では、色々とアヤシイ商品が売られていたものだ。

今回取り上げる商品は、アヤシサという意味ではトップクラスだった。

指にヘンな薬を塗って、指同士をこすり合わせると、なんと!指からケムリが出る・・という、妙なシロモノだった。

商品の名前はもう忘れてしまったが「たたりじゃ」とか「ようかいけむり」などの名前がつけられていたようである。
そのパッケージが、さらにアヤシクて・・・というか、アヤシイというよりは、おどろおどろしいシロモノであった。
どこかで見たことがあるようなオバケがたくさん描かれていた。


そのデザインや商品名につられて、衝動的に買ってしまった覚えがある。
で,パッケージを開けると、変な塗り薬みたいなものがあった。
それを指にこすりつけるわけだ。
で、その薬(?)を塗った指をこすり合わせてみると・・!

あ~ら、不思議。

指から、もくもく・・・。出て来るわ、出てくるわ。
ケムリが・・

と言いたいところだが、それはケムリというより、おがくずにも似たようなゴミみたいなものが指から発生してくるのだった。

むしろ、ゴミに近いものに思えた。まあ、ケムリに見えないこともないんだけどね。
だが、インパクトは絶大だった。
不思議でもあった。
ジャケットもネーミングもアヤシかったが、実際に出て来る「自称・ケムリ」も十分にアヤシイものであった。


だからといって・・これが何かの役にたつわけではなく、むろん食べられるようなものでもない。
食べるのは厳禁だったようだ。
だが、あのケムリを見て、食べたいなどと思うような子はいないだろう。
ゴミを食べたい子がいないのと同じだ。


あの塗り薬の正体はなんだったのだろう。
ずっと不思議に思っていた。
なんでも、マッチ箱の「擦るところ」を剥がして、剥がしたものを細かく刻んで燃やすと、その燃えカスの中に、ベタベタしたものが残るらしい。で、そのベタベタの部分を指につけると、あの商品のようになるらしい。

まあ、実際に自分で試したわけではないので、何とも言えないのだが(笑)。

それにしても、あれを最初に考案した人に、どういう経緯でああいう商品を思いついたのか聞いてみたい気がする。


あれは、自分で見て楽しむよりも、あの商品の存在を知らない人の前で、実践して、相手の反応を見るのが一番の楽しみなのだろうと思う。
あの商品を知らない人は、いきなり指からゴミのようなケムリが生まれるのを見ると、驚くことは驚くだろう。


そう、人を驚かせるためのオモチャ・・意味合いとしては、そんな性格の商品なのだろうと思う。



今は駄菓子屋というのは絶滅の危機にあるという。
となると、ああいう商品はどうなってしまったのかな・・と思ってたら・・、たまにコンビニで、かつて駄菓子屋で売ってた商品が売られていることがあるので、コンビニに置いてある可能性はある。

でも、ああいう商品がコンビニのような明るい空間で売られるのは、ちょっと味気ないかなあ。似合わない気もするし。
やっぱり、ああいうのは、薄暗い木造の駄菓子屋で売られてこそのアイテムだと思う。

私にとっては、あれはいかにも駄菓子屋らしい・・というか、駄菓子屋を象徴するような商品の1つだったと思うからだ。

コンビニが駄菓子屋をも兼ねる・・・そんな昨今の状況を見る度に、私は「ちょっと違うなあ」と思ってしまう・・。


この日記の冒頭でも書いたが、小学生の頃、駄菓子屋に通ってた頃、私は・・自分が老人になったら駄菓子屋のジイサンになろうと思ってた。

目立たぬ場所に隠れるように店を持ち、薄暗い木造の駄菓子屋の奥に潜んで、子供が何か買いにきたら、店の奥のほうからノッソリと現れて、どこか不気味がられてやろう・・などと思ってた(笑)。

いわゆる、「アヤシイじいさん」を目指してた(?)。

でも、駄菓子屋そのものがコンビニに吸収されてしまったんじゃ、その夢はもう無理だよねえ・・。
コンビニって、明るいし。
駄菓子屋の店内の、あの「洞窟のような暗さ」が、良かったんだよね~。

そういう意味じゃ、私の子供時代の「老人になった時の夢」は壊れた・・ということに・・なる。


ともあれ。
どうです?
貴方は今、指からケムリ、出してますか?(笑)。
老人になったら、どんな老人になろうと思ってますか?


怒って頭から湯気を出すことが多い世の中ですが、たまには指からケムリでも出して、なごんでみるのも手かと(笑)。
もしかしたら、ケムリの向こうに、今じゃ居場所を無くし、あまり見かけなくなった「駄菓子屋の妖しい老人」がさみしくうつむいているかもしれないのです。


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