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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

「加奈崎芳太郎、古井戸を歌う」ライブを見てきた

2007年10月22日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

大森「風に吹かれて」というフォーク居酒屋で、元・古井戸の加奈崎芳太郎さんのライブを見てきた。

「古井戸を歌う」という企画のライブだった。
古井戸といえば、70年代に、加奈崎芳太郎さんがチャボさんと組んでたデュオで、一世を風靡した人気デュオ。
今もそのファンは多い。


開店前なのにすでにドアの前で開店待ちしてる人が数人いた。
私たちもその列に並んだ。
なんでも予約ですでに満員になってるらしい。
もしも、大きな場所でこのライブの告知をしたら、全国から大森に駆けつける人があふれて、店に入りきれなかったのではないだろうか。
それほど「古井戸」というユニット名はパワーを持ち続けているのだ。
あれから30年近くたった今も。
また、実際、それほどの魅力が彼らの楽曲には、ある。


ギターのサポートがつくのかな?と思っていたら、全編弾き語りのライブだった。
夜7時半に始まり、途中30分程度の休憩をはさみ、終わってみたら11時くらいになった。たっぷりだった。

ステージには御馴染みのギブソンのアコギと、ストラトが並んでいた。
アコギ中心かと思ったら、意外にもエレキ中心だった。
そう、大半はエレキでの弾き語りだった。

独特の骨っぽさは相変わらず。
ボーカルに関しては、正直古井戸の頃よりも今の方が好きかもしれない。
特に高音シャウトの部分など。
若い頃の加奈崎さんの高音シャウトは、独特の張り詰めたような感じがあったが、今のシャウトは適度にしゃがれて味わい深くなっている。
色気も増している気がした。

今回は「古井戸」の曲を歌う・・というコンセプトだったので、歌う曲は古井戸の曲ばかり。
御馴染みの「ポスターーカラー」「花言葉」「なんとかなれ」「東京脱出」「ちどり足」などの曲が次々と出てきた。

花言葉はしょっぱなのほうで歌ったんだが、今の声でこういう歌を歌うと絶品。
いきなり?みはOKって感じだった。

声はまだ衰えていないと思った。持ち前のパワフルさはそのままで、枯れた味わいも出てきて、味わい深くなってるってのがいい。
今でもしっかりと現役であり続けてくれている・・ってのが嬉しい。

古井戸には良い曲がたくさんある。歌ってほしい曲はまだまだあった。

第2部のステージでは、MCが延々と続き、早く次の曲を歌ってほしいな・・などと思ったこともあったのだが(笑)、キヨシローをはじめとする音楽仲間との付き合いのエピソード、古井戸のなれそめ、エレックの思い出、70年代当時の音楽シーン、などのトークは実に面白いし、興味深い。
ファンが聞きたいと思ってるネタをちゃんと分かっていて、それをネタにしてトークしてくれてた。
だから全体的には楽曲、歌、トークの3拍子が揃ったライブだった。


古井戸にはレコード化されなかったレパートリーが多数あるそうで、そういう曲も何曲か披露してくれた点は、ファンにはたまらないだろう。
「なんでこんな良い曲がレコード化されなかったの!?」なんてツッコミを入れたくなるような出来の曲もあり、本当にもったいない。
そんな「古井戸の忘れ物」ともいうべき楽曲には、この先なんらかの形で世に出てもらいたいものだ。

古井戸って、ジャンル的にはフォークということにされてたけど、その音楽の根底にあるのはロックなんだな・・という思いを実感した。
彼らに感じてた「骨っぽさ」は、そのへんからくるのではないかな。

蛇足だが、「ちどり足」は、かぐや姫の「神田川」に少し似てるよね。
それをギャグネタにしていたトークは笑えたなあ。


最後の曲は「おやすみ」だったが、その前にやった「さらば東京」という曲は知らなかった。
もしかしてソロになってからの曲なのかな?
でも、この曲の素晴らしさは圧倒的だった。
涙ウルウルきてしまいそうだった。鳥肌モノだった。
歌詞とボーカルの一体感が圧巻で、ぜひぜひ皆さんに聴いてもらいたい名曲。


またいつかこういうライブをやってくれるなら、サポートギターを加えてやってほしいなあ・・などと思ったのは私だけではあるまい。
できればアコギ2本で。

で、そう思った人は、そこにありし日の古井戸の勇姿をオーバーラップさせてるからであり、古井戸の幻想を今も引きずっているからかもしれない。

というか、・・きっとそうだ。

本音を言えば・・・横にチャボが居てくれたら・・どんなに素晴らしいだろう。
そう思ったのも、私だけではあるまい。

いつか加奈崎さんとチャボで古井戸を再結成してライブをやってくれたら・・・という見果てぬ夢を強く持ち、私は会場を後にした。









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