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The man in me by Bob dylan
グレイテストヒットアルバムには中々収録されない、ディランの隠れた名曲シリーズ。
今回はその5。
今回取り上げるのは「ザ・マン・イン・ミー」という曲。
ディランの曲の中では、決して知名度がある曲ではなく、ある程度熱心にディランを聴きこんだ人しか知らない・・というケースが多い曲だ。
どちらかというと、やや地味な小品的な雰囲気があるし、アルバムの中の1曲として埋もれてしまいがちな曲。
隠れた名曲シリーズとでも銘打たないと、中々取り上げられることの少ない曲ではあるまいか。
でも、私は大好きな曲。
アルバムは「ニュー・モーニング」というアルバムに収録されていた曲。
「ニューモーニング」というアルバム自体、ディランのアルバムの中では存在感は地味目かもしれない。
声が美声に変化した前作や前々作ではファンの度肝を抜き、戸惑わせたりもしたが、このアルバムでは、割と元の声にやや戻った声色で歌われている。
そのせいか、ファンには比較的受け入れやすいアルバムだったかもしれないが、逆にインパクトという意味では、歴代の彼のアルバムの中では地味目な扱いを受けている。
でも、収録曲は、小粒ながらも良い曲が含まれており、個人的には好きなアルバムだ。
このアルバムからベストヒットアルバムに収録される曲が選ばれる場合、大半は「イフ・ノット・フォー・ユー」であろう。
あのジョージハリスンをはじめ、色んなミュージシャンにカバーされた曲だから。
スマッシュヒットした曲だし、どうしても知名度ということを考えるとそうなってしまうのは致し方ない。
個人的には、アルバムタイトル曲の「ニューモーニング」など、歌い方も溌剌としているし、メロディも好きだし、ベストアルバムに選んでほしい気もあるのだが、彼の曲の数はあまりに膨大なため、どうしても割愛されてしまうのだろう。
で、「サ・マン・イン・ミ」。前述の通り、この曲は地味目な曲であるのだが、たまにこの曲のタイトルをもじった記事を見かけることもあったので、案外この曲を密かに愛する人はいるのではないかと思う。
この曲をカバーしてる人もいるしね。
イントロでいきなりディランが「♪ララララ~」と歌いだす。
こういう歌いだしはディランでは珍しいのではないか。
しかも、その「ララララ」の部分が、けっこうメロディアスで親しみやすい。
バックのキーボードのバッキングも親しみやすい。
そう、曲としては、覚えやすく親しみやすいメロディを持っているのだ。
そして、全体的にのどかなサウンド。けっこうカントリーロックという感じ。
このメロディラインと、全体的なのどかな感じが私は大好きなのだ。
ディランのメロディはライブではけっこうつかみづらいことが多い。
ライブでは、スタジオバージョンとはメロディも歌い方も変えてくるからだ。
時にはライブでは、歌というより語りに近い感じで歌ってくるし。
だが、こういうスタジオバージョンを聴くと、ディランの本来のメロディラインの親しみやすさは案外わかってもらえるのではないか。
先ほど「のどか」と表現したが、それはこの曲だけでなく、この「ニューモーニング」というアルバム全体に私は感じている。
そう、アルバム全体が、なんとなくのどかな印象を感じるのだ。
のどかな田舎で聴きたくなるような雰囲気。
私はこのアルバムのそんなところが好きだ。
けっこうリラックスして聴けるアルバムだと思うし。
アルバム収録曲の中で有名なのは前述の「イフ・ノット・フォー・ユー」ぐらいかもしれないが、よく聴くと、前述の通り、案外良い曲が入っていると思ってるのだが。
けっこうバラエティ豊かな要素も感じるし。
個人的に惜しむらくは、・・・これは私の持ってるLPのバージョンがそうなのかもしれないが・・・全体的に音質がこもって聴こえること。
できればもっとクリアーな音質で聴きたかったかな。
再発する時は、音質の問題をもう少し改善してくれると嬉しいのだが。
Bob Dylan - The Man in Me (Audio)
なお、トップ写真は、この曲「ザ・マン・イン・ミー」が収録されているアルバム「ニューモーニング」のジャケット写真。
あまりに新鮮で、びっくりしています。
しかもボブ・ディランの歌声とは思えない…。
「La La La…」の箇所、日本人による発音にも聞こえる…(笑)
すみません!
ところでベストアルバム、とは本当に難しいんですよね。
収録されている楽曲が「メガヒットしたから」だけでは、本当のファンには物足りないのです。
私の場合、エルヴィス・プレスリーが70年代に発表した「フール」「イッツ・インパッシブル」、この2曲が収録されていないことが不満で不満で…。
ジョン・レノンのベストアルバムも、「ニューヨーク・シティ」が収録されていないですね。
どれも、これも似た収録楽曲ばかりで…。
これからも、だんぞうさんがボブ・ディランの本当のファンだからこそ!!という楽曲ご紹介、楽しみにしていますね。
けっこう楽しげですからね。
初めてディランを聴く人には、やはりベストヒットアルバムは手っ取り早いと思います。
そのミュージシャンが発表した曲やアルバムが多ければ多いほど。
ディランの発表した曲やアルバムは実に多いですから、なかなかコンプリートは難しいと思います。
ベストアルバムだと、収録される曲はどうしても決まってきます。
だから、隠れた名曲シリーズは、案外有効だろうと思ってます。