時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

黒川の田園地帯

2020年12月05日 | 

 

もうだいぶ前のこと。

郊外で1人暮らしをしてた頃、私にはマイカーがあった。

住んでる場所がけっこう辺鄙な場所だったので、生活のためにマイカーは必要だった。

 

当時私は住んでる場所から会社までは電車やバスを乗り継ぐと片道2時間ぐらいかかった。

往復4時間だ。ちょっとした旅みたいなものだった。

もっとも、通勤にそれぐらいかかることは覚悟の上で、郊外に引っ越したのだから仕方なかった。

だが、電車やバスを乗り継ぐとそれぐらいかかっても、マイカーだと1時間15分ぐらいで通えた。

毎日マイカー通勤してたわけではなかったが、それでもマイカーで通勤することは多かった。

 

マイカー通勤では鶴川街道をよく走っていた。

当時の鶴川街道は、調布方面から進んで多摩川を渡って矢ノ口駅あたりをすぎると、そこかしこに緑があった。

「稲城のグランドキャニオン」と呼ばれたエリアなどは、かなりビジュアル的にインパクトがあった。

 

通勤路はいくつかのルートがあり、読売ランド方面に向かって山を登るルートもあったし、一方鶴川街道を道なりに町田方面に向かうルートもあった。

夜などは、ちょっとした「夜のドライブ」気分にもなれたので、その時の気分によって、あれこれ私はルートを変えていたものだった。

 

鶴川街道をひたすら道なりに走っていると、途中で私の大好きな風景もいくつかあった。

そのうちのひとつを今日は取り上げよう。

 

そのエリアは、夕方あたりに通ると、夕暮れとの対比が美しかった。

なんというか、向こうのほうにかすかに小さな里山・・・というか、山というより丘陵みたいなものだったが・・が見え、あたり一面に畑が広がっている風景だった。

その風景が私には田園風景がキラキラ輝いているように見えていた。

 

その田園風景の中に車で入っていけるかどうかわからなかったので、いつも鶴川街道から眺めて癒されていただけだった。

と書くと、まるでわき見運転でもしてたかのような印象を与えそうだが、実は鶴川街道はその田園地帯の入り口あたりのところに信号があり、その信号で私はよくひっかかっていたのだった。

なので、信号待ちをしてる間に、その田園風景を見て「いいなあ」と癒されていたのだ。

いつかその田園風景の中を歩いてみたいと思いながら。

 

いっそどこかに車を停めて、そのエリアに徒歩で入っていこうかとも思ったが、車を停めておける場所にアテがなかった。

まさか車の往来が多い鶴川街道に車を停めるわけにもいかず。

かといって、田園風景の中に入っていって、車を停める場所があるかどうかもわからなかったし。

 

少なくても当時はそうだった。

 

 

最近ふとその田園風景を思い出し、グーグルマップでそのエリアを見てみた。

 

すると、色んなことがわかってきた。

 

まず、その田園地帯の最寄りの駅は、黒川駅であったこと。

黒川駅は小田急多摩線の駅なのだが、駅の利用客はかなり少なく、利用客の数は小田急全70駅のうち65位だそうだ。

 

なんでも、ウィキによると、その一帯は・・

「鶴川街道を挟んだ黒川地区の一部は市街化調整区域に指定されているために開発を逃れ、多くの自然が残されている。」

とのこと。

 

そうか、だからああいう田園地帯があの一帯に残されていたんだね。

 

また、今現在その田園地帯の入り口には今ではファーマーズマーケット「セレサモス」があるということ。

けっこう人気のあるマーケットらしく、駐車場も今では完備されている。

 

 

私が通勤で車でそのルートを通っていた時にも、その「セレサモス」があったかどうかは、よく覚えていない。

でも・・・当時は、まだなかったような気もする。

ともかく、その田園地帯のそばの鶴川街道の交差点で信号待ちをしてた時、その田園地帯の景観をさえぎるような建物は・・なかったような気がするからだ。

だから、鶴川街道から見えたその田園地帯が夕陽をあびてパーッと広がっていたのが印象的だったのだ。

時には、少し「もや」みたいなものが立ち込めてる時があり、そんな時は幻想的にすら思えた。

 

もしも今もマイカーで鶴川街道を通勤で通っていたら、セレサモスの駐車場に車を停め、そこでなにか買い物などもして、その田園地帯の中の道を散歩するかもしれない。

もしかしたら、田園風景の中の道を車で入ってゆくかもしれない。

自転車なら、もっといいかもしれない。

そのルートの先がどうなってるのか肉眼で見るために。

 

 

とはいえ、グーグルマップのおかげで、自宅に居ながらその田園地帯のかなり奥の方まで見ることができる。だが、グーグルマップで見える限界もあるわけで。

グーグルマップの限界の先は、実際に歩いてみるしかない。

 

 

その一帯は住所でいうと、神奈川県川崎市である。

だが、川崎市・・・という地名から想像する風景とは違う風景がそこにはある。

ほんとにここ、川崎市なの?と言いたくなるぐらい、自然が残されている。

ともかく癒される風景がそこにある。

観光名所ってわけじゃないし、ある意味何の変哲もない田園風景ではあるのだが、それでも、月日の経過と共にどんどん開発されていく場所が多い中で、ああいう場所が残されているのは、ちょっとした「救い」に思える。

 

その田園地帯に何らかの地名がつけられているのかどうかはわからない。

 

それこそちょっとした自然公園みたいな扱いになっててもおかしくない。

公園扱いになれば、この先の乱開発からも逃れられそうだし。

 

 

あの田園地帯は、夕暮れの景色が素敵だったのは前述の通りだが、きっと朝もやの時間帯も素敵なんだろうな。

あいにく朝もやの時間帯にあのあたりを車で通ったことは私にはないからわからない。

でも、きっと素敵なんだろうね。

 

 

 

もしこの日記を呼んで興味を持った方は、グーグルマップで「セレサモス 麻生店」もしくは「JAセレサ川崎 セレサモス 麻生店」で調べていただければ、そのファーマーズマーケットの前に広がる田園風景をご覧になれると思う。

 

気が向いたら、その田園地帯の中の道の画像を、スクロールして奥の方まで「バーチャル散策」してみてほしい。

なんてことはない、普通の田園風景なのだが、あの場所にある・・・というのがいい。

 

航空写真で見ると、辺りは昔に比べてけっこう宅地開発されて、民家が増えている。

そんな周りの環境の中で、あの一体にああいう田園風景が残されているのが少し不思議なくらい。

この場合、「良い不思議」だが。

 

 

その風景を見ながら、私は・・・信号待ちの間に、目の前に広がっていた田園地帯の奥のほうがどうなっているのか、どんな風景があるのかを妄想してたのを思い出した。

 

で、グーグルマップで実際にあの田園地帯の奥にどんな景色があるのかがある程度分かって、当時のもやもやが少し晴れた思いだ。

 

私が妄想した風景に近い風景が、実際に広がっていたのがわかって、少し嬉しく思った。

 

今でもグーグルマップであのエリアに行き、その風景や雰囲気に癒されることが・・・ある。

そう、なんの変哲もない(?)、ただののどかな田園風景なのに。

決して観光名所扱いになれるような風景ではないのに。

地方ではありふれている風景なのだろうけど、川崎市の中にああいう風景が残されているのが、嬉しい。

 

もう通勤であのルートを通るということがなくなってしまったから、なおさら。

 

当時と今とでは私が住んでる場所は違うし、今私が住んでる都心からあの場所に行くとなると、かなり手間がかかりそうだ。

まず新宿駅に行き、そこから小田急線に乗り換え、さらに新百合ヶ丘駅で小田急多摩線に乗り換え黒川駅で降り、そこからテクテク歩いていくことになるから。

 

なので、今の私があの場所に行くのは、よほど何かの都合や用事がないと行きそうもない。

だからこそ、日常的にあの場所近くを通勤路で通っていた時期に、あの場所に行っておけばよかった。

 

あの一帯を奥まで歩いたら、小さな旅気分になれただろうに。

 

グーグルマップで、あの一帯の奥地の方まで進んだだけで、「ここって、どこの田舎?」という気分になれたし。とても川崎とは思えなかったし。

 

できればあの場所がこの先も残されていきますように。

 

 

なお、写真はイメージです。この記事で書いた場所そのものではありません。

ただ、奥地の方にはこんな感じの風景が残されている場所もありました。

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« またしても、3連休のツケ? | トップ | ラック・オブ・ジ・アイリッ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鮎川愛)
2020-12-09 17:48:44
だんぞうさんにとって、ご覧になられていた光景が今となっては、遠い昔だからこそ、「郷愁」なのでしょうね。

謂わば「川崎ノスタルジア」

私も昔、川崎へ出勤していたことがあります。

そこは大都会で、東京で謂えば池袋のような雰囲気…。

だんぞうさんにとっての「郷愁の川崎」とは全く違います。

しかし大都会を離れ、同じ市内のどこかに、そのような田舎が残されているのは、安らぎさえ感じますね。

今、改めて、「川崎ノスタルジア」へ出発してほしいです(笑)
返信する
Unknown (だんぞう)
2020-12-09 18:52:56
このエリアの風景に惹かれていたのは、子供時代のような遠い昔ではありませんが、けっこう前の時代であることは確かです。

川崎というと、個人的には工業地帯みたいなイメージがあるのですが、この黒川の自然風景は、それとは違う川崎です。

同じ川崎とは思えないくらいでした。

グーグルマップで映し出されてる風景がいつ頃の風景かはわかりませんが、そんなに前の風景ではないとは思うので、自然が残されてる光景に安堵感を感じてます。
返信する

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事