もうだいぶ前のことになるが、某所に私のお気に入りのエスニック雑貨屋があった。
よく行っていた。
雑貨屋ではあるものの、民族楽器なども多数売られていた。
私がよくその店に行ってたのは、むしろ民族楽器が目当てだった。
時には買ってしまうこともあった。
おかげで、普通の楽器屋ではあまり見かけない民族楽器が何本も我が家にやってくることになった。
その店で買った民族楽器は、決して高いものではなかった。むしろ、安い楽器が多かったかもしれない。
だが、安い楽器はやはり作りがもろく、「みやげ品」みたいな出来のものもあった。
まあ、だからこそ、衝動買いもできたのだろう。
これが高級なアメリカギターみたいな値段だったら、買ってなかったはず。
だが、買ったはいいものの、弾き方がよく分からなかったり、スペア弦の問題などで、部屋のオブジェと化してしまった楽器もあった。
店でみかけた楽器で、欲しいとは思ったものの、さすがに「買う」まではいかなかった楽器もあった。
例えばアイリッシュハープ。
見た目が優雅で、こういう楽器が弾けたらどんなにいいだろう・・とも思ったが、実際に弾けるようになるのは至難の業のように思えたので、さすがに「買う」まではいかなかった。
やがて・・・。
その店は、その場所にはなくなってしまった。
噂では、どこか別の場所に引っ越したらしい。
だが、どこに引っ越したのか、分からなかった。
それ以来、そういう店にはまだお目にかかっていない。
エスニック雑貨屋というのは、それなりに人気があるので、今ではあちこちにあるようだが、民族楽器の在庫までそれなりに豊富にあるエスニック雑貨屋は、他にはまだ見たことがない。
自主制作CDを作る時、せっかく持ってる民族楽器をいくつか導入してみたいとはりきったが、いざ実際に使うとなると、そこは緻密な作業になる。
なので、作りが荒い楽器は、使い物にならなかった。
少なくても私の腕では。
民族楽器をあれこれ買ったのは、いつか自分の音楽に取り入れてみたい・・という野心があったからであったが、いざレコーディングの時に、そういう経験をした今では、仮に民族楽器が豊富にある店に行っても、もう衝動買いはしないだろう。
少なくても、「いつか自分の音楽に導入してみたい」という意味では買わないだろう。
でも・・暇な時や、気分転換などをしたい時に、遊びで弾ける民族楽器があるってのは、けっこう楽しい。
また、ああいう店が、自分の活動範囲内に現れないかなあ・・・などという淡い期待を、心のどこかに私は持っている。
今も。
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