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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

青いゴムゾーリ   by  バーブ佐竹

2024年10月29日 | 音楽全般
この曲は1967年に発表された、バーブ佐竹さんのシングル「星が云ったよ」のB面に収録されていた曲らしい。
バーブさんのヒット曲というと、「女心の唄」「ネオン川」「カクテル小唄」なとがあるらしいが、正直私はそのへんのことはよくわからない。
だが、令和の今では、もしかしたらバーブさんの曲では、今回取り上げる「青いゴムゾーリ」が1番再生されてる曲かもしれない。
まさに知る人ぞ知る曲。

なんてったってタイトルが「青いゴムゾーリ」である。ゴムゾーリが主役の歌でっせ!
ゴムゾーリは、今ではビーチサンタル・・略してビーサンのこと。
ビーサンの歌なんて、そうそうあるもんじゃないのでは?
ゴムゾーリをここまで愛し、なおかつ細かく描写した曲なんて、他にないのては。
そう、この歌ははきふるしたゴムゾーリへの愛情に溢れている。よほどゴムゾーリが好きなんだろうなあ。

ゴムゾーリが題材にされた歌というだけでもスゴイが、その歌詞にもツッコミどころがたっぷり。
例えば・・・

色がまぱらにハゲていたり、これを穿いて歩くとペタペタとついてくるという歌詞。確かにゴムゾーリを穿いてると、ペタペタと音をたて、足音になってついてくるものなあ。
また、波に向かって投げたら波に揺られて帰ってきた・・という歌詞。この歌の登場人物像は、もしゾーリが帰ってこなかったら、裸足で帰るつもりだったのだろうか?それを考えはじめると私は夜も眠れなくなる(笑)。だいたいなぜにゾーリを海に向かって投げるの?普通そんなことする?
それと、ゾーリがちょん切れそうになった状態の歌詞。確かに使い続けていると、鼻緒がちょん切れそうになるよなあ。

こうなったら、穿き続けてるとゴムがだんだん擦りへってくることも歌詞にしてほしかったかも(笑)。

とまあ、歌詞にはツッコミどころだらけなのも、面白い。

ついでに書くと「青いゴムゾーリ」というタイトルには時代性を感じるかな。今となっては、ついそこにもツッコミたくもなってしまう。
とうもオッサンくさい(笑)。今「コムゾーリ」なんて、あまり呼ばないよねえ。
せめて「青いビーチサンダル」あたりにしておけばよかったような・・。
まあ、この歌が作られた時はゴムゾーリという呼び方の方が一般的だったのだろうね。


発表されてから長い年月が過ぎたころ、ラジオの深夜放送で取り上げられたことがきっかけで、この曲はよく知られるようになったらしい。
この曲をここで取り上げるにあたって少し調べてみたところ、この曲をピンポイントで取り上げてる人は多い。
それだけ、隠れた人気曲なのだろう。
なんてったって、インパクトある曲だもの。

かといって、決して派手な曲ではない。
でも一度聴くと、妙に頭に残る!

聴いてるとつい笑ってしまうのたが、決してこれはコミックソングではない。
コミックソングだと、たいがい歌い方や、アレンジなどでコミカルな演出がなされているもんだが、この曲は歌い手も編曲も大真面目であり、決してコミックソングを狙った仕上がりにはなっていない。
あくまでも、大真面目。だから余計に面白い。

作詞は長沢ローさん、作曲はシナ・トラオさんという名義になっている。
シナ・トラオさんとは、バーブ佐竹さん自身のことらしい。作曲家としてのペンネームだったらしい。
そう考えると、バーブさんはシンガーソングライターの走りだったことになるのでは?
ちなみに。シナ・トラオというペンネームは、フランク・シナトラの名前をもじった名前であろう。



曲を聴いてみると、ハワイアンの味付けをされたムード歌謡という感じ。
かわいく、きれいなサウンドであり、決しておちゃらけではいない。
あくまでもムーディーで大真面目。だからいい。受け狙いで作ったとは思えないのに、今聞くと面白い!


シングルのB面曲だったし、この歌が発表当時にチャートを上がったとは思えない。
でも。令和の時代になっているのに、例えば私のような、この曲を取り上げたくなる人がいる。
そしてそれは私だけではない。


それにしてもこの歌の作詞者は、どんな思いで、この題材の歌詞を書いたのだろう。
そんなにゴムゾーリが好きだったのだろうか。

愛の歌でもなければ、友の歌でもない。人生の歌でもない。政治的なメッセージソングでもない。
家族のことを歌った曲でもないし、特定の人物への曲でもないし、出会いや別れの曲でもないし、喜びや悲しい歌でもない。希望や励ましの曲でもない。
かといって、コミックソングを狙ったようにも思えない。
架空の物語ソングでもない。
ただ、ただ、お気に入りのビーサンの歌。
妙なヤツだせ(笑)。


そういえば私はビーサンは、最近は、はかなくなったなあ。
若い頃は夏はよくはいてたもんだが。

大学時代の夏なんで、私は髪は長髪、上半身はアロハシャツ、下半身は薄いクリーム色系のチノパンツ、そして靴はビーサン。
バインダーは、布製のレコード(LPサイズ)の袋に入れて、持ち運んでいた。その布製のレコード袋には、当時私が好きだったいくつものロックバンドのロゴが並べて描かれていて、そんな点がお気に入りだった。ドゥービーブラザーズとかリトルフィートとかね。

ともあれ、そんな格好で夏は大学に通ってたものだ。
そんな私がはいてたビーサンが、青いゴムゾーリだったかどうかは、よく覚えていない。

ビーサンって、床が濡れてると、滑りやすいんだよなあ。すり減るのも早かったっけ。
使い続けていると、いつか鼻緒が取れてたりしたっけ。
街を歩いてる時に鼻緒が突然抜ける時があり、そんな時は困ったもんだった。

いっそ私もゴムゾーリの歌でも作ればよかったかな(笑)。
でもゴムゾーリを歌の主役にするという発想は思いつかなかったものなあ。こりゃ、やられたわ!




ちなみに、バーブ佐竹さんは、1935年2月7日生まれで、- 2003年12月5日没。満68歳たったそうな。
下積み時代は、流しのギター弾きで、ナイトクラブの専属歌手もやっていたらしい。

キャッチフレーズは「顔じゃないよ、心だよ」だったし、正直決してバーブさんはイケメンではなかった。でもそれを逆にキャラクターにしていたと思う。
なんでも某大物女性歌手からブサイクあつかいされたらしい。
芸能人というのは、とかく容姿が優れてる人が多いが、そんな中では、バーブさんは、決してイケメンじゃない一般男性にとっては希望の星だったのかもしれない。


ともあれ、ムーディーで上品でありながらも破壊力のある、この曲を聴いてみるなら、こちら↓





むむむ。やはり妙なヤツだぜ、この曲。

この歌を聴くと、無意識のうちについこの歌を口ずさんでしまう私がいる。
やはり、むむむ。妙な歌だぜ(笑)。



ちなみに、だいぶ前に坂崎幸之助さんと吉田拓郎さんが、当時お二人で担当されていたラジオ番組内の1コーナーで、バーブさんのこの歌を取り上げたことがあった。
その時のお二人のこの歌を聴いた時の反応が抱腹絶倒であった
お時間のある時にでも聞いてみてほしい。↓







貴方はゴムゾーリ、はいてますか? そのゴムゾーリ、愛してますか?




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4 コメント

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女心の唄 (りりん)
2024-10-29 20:32:40
バーブ佐竹さんの「青いゴムゾーリ」初めて聴きました。
ハワイアン風のメロディ
作曲がバーブ佐竹さんなんですね。
バーブ佐竹さって、どんな歌があったかな~って 「女心の唄」これは憶えています。
甘い歌声でしたね。
https://www.youtube.com/watch?v=Rf0gLNV1tCQ
返信する
Unknown (捨丸)
2024-10-29 22:48:32
うわ!ここでこのタイトルを聞くとは思いませんでした。
はじめて聴いたのは、小堺さんと関根さんの深夜放送だったと思います、八十年代の半ばだったかな。
大真面目に歌ってる変な曲を紹介するコーナーみたいなのがあって、そこでよくかかってました。
あの低音で「青い、青い、ゴムゾーリー♫」って・・・仰る通り決してコミックソングではありませんでしたね(笑)

同コーナーでは他にも・・・
ピーターさんの「人間狩り」、杉良太郎さんの「君は人のために死ねるか」、洋モノではシャルル・アズナブールの「イザベラ(イザベル?」とか、歌手の名前忘れましたが「スナッキーで踊ろう(歌おうだっけかな)」とか、「すずらん通り」なんてのを憶えてます。特に「すずらん通り」は強烈でした。男性歌手の曲なのですが、歌い方がもうなんというか、ビブラートが凄まじいんですよ(笑)
他にも色々ありましたが、Youtubeの「コサキンソング」でまとめて聴くことができます。よろしければどうぞ(笑)
返信する
Unknown (だんぞう)
2024-10-29 22:56:55
こんなこと書いてはナンですが、私が子供の頃にも、バーブ佐竹さんの名前は知ってました。
どんな歌を歌ってるのかまではよく把握してませんでしたし、顔もよく把握してませんでした。
ただ、キャラクターとしてはブサイク芸能人の代名詞みたいなイメージでした。
むしろそれがバーブさんの個性でありキャラクターで、かえってそれで売れてた感がありました。

改めてリンク先の歌と映像を見てみましたが、渋い低音ボイスですね。
女心の唄を歌ってた人がどういういきさつでゴムゾーリの歌を歌うことになったのが、謎です。
バーブさんはそんなにゴムゾーリが好きだったんですかねえ。

なんにせよ、ムーディな歌と声ですよね。
返信する
Unknown (だんぞう )
2024-10-29 23:09:18
以前このブログの何かの記事への捨丸さんのコメントでも「青いゴムゾーリ」の曲名を書かれてました。
その時に試しにこの歌を検索したらユーチューブで見つかって聴いて、一発で印象に残り、頭にインプットしてしまいました。
今回ふとその時のことを思い出して、この歌を取り上げてみました。
いつか取り上げようと思ってたので。

それにしても昭和のヒット曲には、ユニークな歌もあったもんですよね。
ほんと、企画賞ものです。
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