復刻された、かつての少年月刊誌「少年画報」の昭和35年正月号を紹介するシリーズも、この回で早くも8回目。
今回紹介するのは、「豆パンチ」という別冊漫画で、作者は、わちさんぺいさん。
わちさんぺいさん・・・・幼少の頃に見かけた漫画家で、その名前は知っていた。
だが、正直私はわちさんの作品に熱中した記憶は・・・あまりない。かといって、嫌いだったという記憶もない。
好きも嫌いもない、数いる漫画家の中の1人・・・そんな認識だった。
なので、わちさんについてあまり情報量が私の中になく、今回この日記を書くにあたって、少し調べてみた。
代表作としては「ナガシマくん」あたりらしい。
うん、「ナガシマくん」という漫画名は聞いたことがある。
もちろん「ナガシマくん」は、プロ野球の読売巨人軍の選手・長嶋茂雄さんをモデルにした作品であろう。
いかに当時長嶋さんが人気があったか、分かる。
で、この「豆パンチ」。
どういう作品かというと、ユーモア系ボクシング漫画・・・とでも言おうか。
わちさんの作品は、ほのぼの系ユーモア漫画というイメージを私は持っていたが、この作品もそういう感じだ。
絵柄でも分かるように児童向けで、ギスギスしたところがなく、のどかである。
主人公の「豆パンチ」は、本名が豆山平次という名の少年。
ボクシングをやっているようだが、まだそんなに強くはないようだ。
いじめられたりもするが、負けず嫌いで、相手に立ち向かっていく。
ボクシングをやっているだけあって、やられっぱなしというわけでもないようだ。
この作品画最終的にどう終わったかは分からないが、きっと成長モノなのだろう。
読んでると、豆パンチは天才型ではなさそうなので、いきなり強いというわけではなく、努力の末に少しずつ強くなっていく・・・そんな感じなのではないか。
今の感覚で読むと、さすがに絵柄といい、テンポといい、展開といい、敵といい、古さは感じる。
でも、今の漫画に少なくなった「ほのぼの感」があることは確かで、下品さがなく、健全な作品ではあると思う。
少年画報という月刊誌の連載ラインナップの中では、決してクリーンナップをつとめるほどではなくても、打順でいうと7番くらいを打つレギュラー・・そんな感じの存在だったのかもしれない。
一応、本誌にも掲載されているし、こうして別冊付録にもなっているところを見ると、ラインナップの中では補欠ではなく、下位打線のレギュラー・・・・そんな感じがした。
わちさんぺいさん・・・そういえば、最近名前を聞かないなあ・・・と思って調べてみたら、1999年の12月に他界されていたようだ。
生まれが1926年らしいので、70代前半の年齢で亡くなられていたことになる。
若い頃は戦争時に戦闘機の練習機の整備などを任されていたようだ。
その後漫画家として活躍していた頃は、少女モノ、SFモノ、航空モノなど、多彩なジャンルの漫画を描いていたらしい。
でも、個人的には、やはりあのほのぼの系の画風によるユーモア漫画のイメージが強い。
わちさんの作品についてあまり多くのことを知らない私としては、わちさんの作品はどんなジャンルの漫画でも、ほのぼのユーモア系の作風になっていたのではないか・・と思える。
古き良き時代の、のどかでほのぼの系のユーモア作品という感じで。
晩年は新聞や雑誌の物書きなどをされていたようだ。
日本には色々な姓があるが、私はこれまで生きてきて「わち」という姓の人と関わったり知り合ったりしたことはない。
最近、よく行く店に、「わち」という姓の人がいる。特にその人と会話をするわけではないのになぜその人の姓が「わち」であることを私が知っているかというと、その人の胸にある名札を見て印象に残ったからだ。
その方の名札の「わち」という姓を見た時、私は咄嗟に「わちさんぺい」という名を思い出した。
私にとっては・・「わち」といえば、やはり「わちさんぺい」さんなのだ。
↑ 別冊付録「豆パンチ」の裏表紙。
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