時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

私の「奥の能登道」 4 : 「そして、能登半島の突端へ・・・」

2015年09月30日 | 

車は進み、やがて「狼煙」という「道の駅」に到着。

 

この「道の駅」の前に丘があるのだが、その丘を歩いて登っていった先に、能登半島の突端はある。そしてその突端に灯台がある。

その名も、禄剛崎灯台。

 

灯台への登り道は、かなり急である。とはいえ、大した距離ではないので、ガンバって歩く。

行きかう人は多かった。若い人もいれば、ご老人もいた。外国人もいた。

さすがに、ご老人には、その急な坂道を登るのはかなりきつそうで、ゆっくりゆっくり登っていた。

 

 

 

どんな坂道にも終わりはある。やがて急坂はおさまり、平らな地点に出た。

 

 

近くには、ちょっと悪乗り気味(?)のレリーフみたいなものも。

「日本列島、ここが中心」・・・って???おいおい(笑)。

 

                                                                                                       。

 

ちょっとした芝生のような環境があり、ルートの進む先に灯台が見えてきた。

 

芝生っぽいエリアを抜けると、そこに灯台前広場みたいなスペースがあり、思ったよりも人が来ていた。

能登半島の最先端・・という、立地的には中々来れるところじゃない気がしていたが、能登半島の最先端まで行ってみたいと思う人は、けっこういるのかもしれない。

 

 

 

思ったより灯台は低い。だが、灯台が建っている、その場所そのものが丘陵の上であり、海面からは立地だけで十分高い。

なので、灯台自体はさほど高くしなくても、灯台の高さとしては十分なのだ。

 

灯台の前には看板が何種類かあった。

正面には「能登半島最先端」と書かれた看板が(一番上の写真)。

その横には禄剛崎の解説が書かれた看板が。

 

 

さらに、近くには、東京・釜山・ウラジオストック、上海などへの距離が書かれた標識も。

国内の都市だけでなく、近隣の外国の都市への距離も書いてある所に、スケールの広がりを感じた。

 

 

太平洋側では台風が来てるようだったが、ここ能登半島の突端は晴れはじめていた。

一面に広がる海を包む空の更なる広がりが、果てしない。

 

灯台に近付いて見た。灯台の先端部分がよく見える。

いつもなら灯台は、至近距離で見る場合は、かなり見上げなければならないが、ここではちょっと見上げるだけでいい。

これだけ近くで見られると、どこか、かわいい。

 

 

灯台の後ろには小さな原っぱがあり、その原っぱの先に柵が。

 

 

その柵こそ、能登半島最先端のラインだ!

ここから見渡す海は、一見何の変哲もない海に見えても、私が立っている場所を考えれば、特別な海に見えた。

 

 

いや、実際・・・特別な場所なのだ。

私の今回の旅での一番のこだわりが、ここに来ることだったのだ。

能登半島の突端に。

 

能登半島に来る場合、そのアクセスを考えると、せいぜい輪島止まりの観光客は多いのではないか。

新幹線で来る場合は、特に。

 

だから私は、移動手段を飛行機に変え、輪島よりもさらに奥を目指したかった。

能登半島の奥に。

 

もっとも、輪島にしても、昔は鉄道が来ていたらしいのだが、利用客の数のせいなのか、今では鉄道は廃止されてしまっている。

金沢方面から輪島に来るには、高速バスを使うしかないのだ・・。

 

禄剛崎に立ち、私は感慨深かった。

昔能登半島に来た時は、せいぜい能登島、和倉温泉止まりだったから、なおさら。

やっと、ここまで来れた。

 

他人から見たら、しょうもないこだわりかもしれないが、私にとってはそのこだわりこそがメインであった。だから、この旅が実現したのだ・・。

 

 

 ↑上の写真の説明文の中に「日本で唯一「菊の御紋章」がある灯台」・・とあるが、菊の御紋章とは、これかな。

 

ちなみに・・・後で気付いたことだが、NHKのドラマ「まれ」のオープニングで、灯台のある岬が出てくるシーンがあったが、その灯台や岬は、ここであろう。

実際に行ってみて、それに気付いた。

 

 

 

しばし禄剛崎で感慨に浸った後、私はこの日の宿、「ランプの宿」に向かった。

この宿は、宿としてはもっとも能登半島の突端にある宿だ。

位置的には禄剛崎と「能登半島の奥」のレベルでは変わらないらしい。地名としては、金剛崎。

「ランプの宿」は温泉宿で、温泉地名としては「葭ヶ浦(よしがうら)温泉」。

ちなみに、金剛崎は別名「聖域の岬」とも呼ばれている。「聖域の岬」・・・なんとも、響きの良い地名ではないか。

日本有数のパワースポットとしても知られる。

 

 

ランプの宿は、超人気の宿で、何度も何度もマスコミに取りあげられてきており、予約が取りづらい宿として知られる。

この宿に泊ることをドライバーに言ったら、まず言われたのが、「よく予約とれましたね」というセリフであった。

私は4カ月前にこの宿の予約を入れたのだが、その4カ月前の時点でも、あらかた部屋は予約で埋まってしまっていた。

それほど予約がとりづらいのだ。

 

この宿は海辺の岸壁の下に建っており、直接荒波が打ちつけるような場所にある。

この宿には、まず専用の駐車場に来て、車を停め、そこから崖下にある宿から送迎車が急こう配を登ってやってくる。

そして、その送迎車に乗って急こう配を降り、宿に辿り着くことになる。

その送迎車は、単にその急こう配を登り降りするためだけのために運転されている。これだけでもけっこう贅沢だ。

崖の上から眼下に見える宿の全体像の景観は、かなり圧倒的。特に、初めてこの地にきて、はじめて崖から見下ろした時に見える「ランプの宿」の全景は、圧巻。

そして宿の前には波が打ち寄せてきている。すごい立地だ。

 

 

 

私は、駐車場に着いて、すぐに送迎車には乗り込まず、とりあえず駐車場近辺を散策することにした。

この駐車場近辺には、宿以外にも見てまわれるものがある。

まずは何と言ってみ、空中展望台「スカイバード」。

展望台の建物から、眼下の崖下の空中にせり出すように「行き止まりの短い通路」みたいなものがある。

その通路の先の下には柱などはないので、まるで道が空中に浮いている感じだ。

 

 

↓ この、空中にせり出した「行き止まりの通路」に近づき・・・。

 

↓ 恐る恐る、歩いていく。目指すは先端。下に支柱のない、先端。支柱が下にないせいか、心もち不安。

 

 

先端に来て、真下を見てみた。

↓ むむむ・・・・。宙を浮いている自分。どうも落ち着かない(笑)。

 

 

↓ と、この「空中にせり出した部分」を戻る前に、振り返ってみた。

 

ともかく、風のあおりや、支え柱がないこともあって、かなりスリリング。

先端に立って、眼下の宿や海を見るとけっこう怖い。

真下を見ようものなら、自分が立っている道が宙に浮いているのが実感でき、さらに怖い。

風でよく揺れるし・・・。

 

 

この道、何かに似ているな・・・と思って思い出したのが、千葉の鋸山にある展望台。

鋸山の展望台にも、こういう「空中に浮いてる道」みたいなものがあったっけ。

 

また、展望台のあたりからは、はるか向こうに、もう一つの「能登半島の突端」である禄剛崎も見えた。

あの半島の突端に、先ほど行ったばかりの禄剛崎灯台があるのだ。

ちなみに、手前の岩場には、ランプの宿がある。

そしてこのあたりの地名は、金剛崎。人呼んで「聖域の岬」。

 

展望台の後ろにはちょっとした散策路もあった。聖域の岬の突端・・。

 

また、宿の近くには他にも「青の洞窟(ブルーホール)」なる洞窟もある。それは宿方向とは別の方向に崖道を下って岩場の海岸に降りたところにある。

 

 

 

洞窟に向かって降りていくと見えてくる小さな入り江は、三浦半島の荒崎の「ドンドン引き」に若干似ている気がした。

そう、かつてNHKの少年ドラマ「つぶやき岩の秘密」にも出てきた「ドンドン引き」の景観に。

 

 

 

↓ 崖道を降り切ると、ブルーホールの洞窟がぽっかり穴をあけて、来訪者を待っていた。

 

 

洞窟の中を少し歩くと、洞窟の奥には少し開けた空間が現れた。

 

洞窟内にも海は浸食してきており、洞窟内に浸食してきている海が、光線などとのからみでブルーに見える時があるのだろう。

海外にも有名なブルーホールがあるが、それに似た感じに見えるのだろう。

だが、私が訪れた時は、あいにくそういう風には見えなかった・・。

こればかりは、運や時間帯も関係してくるのだろう。

ランダムな時間に行って、かならず見えるというものでもないのだろう。

 

ちなみに、洞窟内に浸食してきている海を見たら、またしても私はドラマ「つぶやき岩の秘密」の光景を思い出した。ドラマ内に出てきた「つぶやき岩の洞窟」の内部からの映像に、似ている気がしたから。

「つぶやき岩」には、私は今年の1月に行ったばかりだ。ドラマも、その旅行の直前に数年ぶりに見返したばかり。なので、まだ間が空いていない。だからこそ、余計にそう感じたのかもしれない。

 

 

 

さて、宿にチェックイン。

 

宿に着いてみると、宿の目の前は海で、岩場が広がっており、波が直接宿にうちつけてきているような感じ。寄せ来る波を、岩場がかろうじて波を受けとめている感じ。

ここまで海沿いの宿というのは、私は初めてだ。事実上、波が打ちつける岩場に建っているようなものだから。

 

ネット予約でサービスしてくれた風呂に行ってみると、ここからの眺めが素晴らしい。窓を開けると、いきなり荒波が打ち寄せている。

まるで窓から見える景色が、一瞬映画や写真の1シーンのようにも思え、2次元の景色のようにも思えたが、窓から顔を出してみると、それが現実の3次元の景色であることをあらためて実感。2次元の世界がいきなり3次元に変化し、その中に自分がいる・・そんな感じだった。

 

 

 

 

 

これまで私は色んな場所の色んな宿の露天風呂に入ってきてるが、こと立地という意味では、この宿の風呂が最強のような気がした。

ともかく、素晴らしいのひとこと。荒波と友達になれるような感覚。

いつまでも入っていたくなる風呂だ。

 

また、貸切風呂ではない、一般の露天風呂にも入ったのだが、一般用の露天風呂は、左右に壁がない分、目の前に広がる海や、宿に向かって打ち寄せてくる波のあばれっぷりが、すべてを包み込むような空の広がりの下で、スケールが大きく、その解放感は筆舌に尽くしがたいぐらい圧倒的。素晴らしい。

やはり、私のこれまでの旅の中で、最強クラスの素晴らしさを誇る露天風呂であるのは間違いなかった。

 

↑ 内風呂を経由して、露天風呂に向かう。わくわく。

 

↑ 露天風呂は、こんな立地にある。最高。

 

 ↑ この光景。凄い。もちろん、手前が風呂。ともかく、入っていて気持ちいい。波の音が圧倒的。

 

 

 ↑ 出たくなくなった・・・。いつまでも入っていたくなった。

 

 

宿の敷地内にはプールもあり、そのプールもまた海に面しているので、贅沢感たっぷり。

夕暮れ時、外国人の女性が1人でプールサイドで海を見つめていた。

 

↑ 右上の方には、空中展望台「スカイバード」が見えている。道が宙に浮いているのが分かる。

 

↑ プールと海の色の対比が鮮やか。

 

 

ちなみに、この「ランプの宿」には、部屋にテレビがない。それは、あえて演出の一つでもあるようだ。

私は旅先では基本的にあまりテレビは見ないので、部屋にテレビがないのは全く気にならなかった。

宿のすぐそばで打ち寄せる波の音が聞こえる、それだけで十分であった。

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 私の「奥の能登道」 3 :... | トップ | 私の「奥の能登道」 5 :... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事