いつものことながら、冬は東京からでも富士山がくっきり見える日が多い。
雪を頂上部にかぶった富士山がこうもくっきり見えると、富士山は東京のすぐそばにあるような気にさせられる。
実際にはそんなに近い・・というわけでもないのだろうが、あまりにくっきり見えると、まるで富士山が町はずれのほうにあるように感じられたりもする。
思えば私は、子供の頃から富士山には何度も行って来ている。
いや、この場合、富士山の近くには・・と言ったほうがいいのかもしれない。
子供の頃から数えれば富士五湖には何度も行ってる。山中湖は学校の施設があって何度も行ってるし、河口湖にはバンド合宿で何度も。
樹海にも行ったことがあるし、富士急ハイランドにも行っている。
忍野八海にも泊まってるし、お寺にも行っている。
考えてみれば、数えきれないくらい行っている。
だが、富士登山はやったことがない。五合目にも行ったことがない。
私にとっての富士山への旅は、いつも富士山近辺への旅だった。
で、行くたびに、あの美しい姿に惚れぼれとしてきた。
富士は休火山。死火山ではないので、いつかまた爆発する・・とは、何度も聞かされてきた。
時には、富士山が爆発する・・という説を誰かが大大的に主張し、ちょっとした騒ぎにもなったこともあったが、結局その予言(?)はあたらず、事なきを得てきた。
そんな富士山なのだが・・
ここんとこ、富士山の近くで地震が起きている。
東日本大震災の後だけに怖い。
東日本大震災で起きた大地震の余波は、日本各地に飛び火し、それが富士山にも及んでいるかのような印象も受ける。
あの大地震で起きた「日本の変化」で、富士山が近々爆発するかもしれない・・という説も耳にしている。
東京は、普段生活してると、富士さんからはそれなりに距離がありそうでありながら、もしも富士が爆発したら、火山灰は東京にも相当降り積もるらしい。
国土的なレベル、地球的なレベルで考えたら、東京と富士山の距離は、とるにたらない距離なのだろう。
富士山が爆発したら・・・・・どうなるだろう。日本は。
噴火の仕方によっては、富士山の形が変わってしまう可能性もある。
あの見事な形が崩され、それまでの富士山とは全く違う容姿になってしまったら・・と思うと、悲しい。
地震や噴火の怖さもさることながら、富士山の形が変わってしまうことは怖くて悲しい。
できれば、いつまでも、あの形でいてほしいと切に願うばかりだ。
あれは・・日本を象徴する美人だと思うから。
だからこそ、大昔から今まで、富士山を題材にした作品が、世の中に多く残されているのだと思う。