『春興鏡獅子』(しゅんきょうかがみじし)明治26年、歌舞伎座初演。
と、以外と新しいです。
石橋物のなかでは人気演目として知られています。作詞は福地桜痴、作曲は三代目杵屋正次郎、振付けは二代目藤間勘右衛門と九代目市川團十郎。長唄『枕獅子』が基になっている。
その内容は江戸城大奥の正月七日の鏡開きの日、そこへ奥女中たちがお小姓の弥生を引っ張り出し、弥生は仕方なく踊りを見せる。
ところが踊るうちに、その場にあった獅子頭を手にすると獅子頭には魂が宿っていて、弥生の体を無理やり引きずりながらどこかへ行ってしまう。やがて獅子の精が現われ、胡蝶とともに牡丹の花に遊び狂うというものである。獅子の姿は本行(能)の『石橋』に倣った扮装となっている。
江戸城大奥の鏡開きは単に鏡を開くだけではなく、その鏡餅をそりのような台に載せて大奥の中を引回し、余興などを催すというにぎやかな行事であったそうです。
普段は将軍以外男子禁制の大奥も、この日は余興の役人などが立ち入る事が出来た。この鏡開きの日に現われた獅子なので『鏡獅子』という。
※ 写真は国立劇場で開催された「扇菊会」で撮影されたものです。
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