拉致被害者蓮池薫氏の実兄で、東電で原子燃料サイクル部部長(「もんじゅ」以降の実証炉の計画を担当)を経て2009年東電を退社した蓮池透氏が3.11の事故に関連して何を述べるかを期待したが、なぜ、社内で安全神話が問われなかったの記述はなかった。
しかし、燃料サイクルは核ゴミ問題で行き詰まり、原子力は自滅の運命にあることを述べていることは、その関係者であった蓮池氏の言であり、重い。
勿論、北朝鮮による拉致についても、蓮池氏の考えが述べられている。
更に、原子力発電所の中の作業(計器保守等による被ばく)等、あるいは、東電本社の部長等の仕事が平易に説明されている。原子力に関する事実を知りたい人には一読の価値がある。
蓮池氏は生涯被曝線量100ミリシーベルトと言っているが、当ブロガーの経験から、下請け、孫請けの作業員、特に、被ばくを代償に給料を得ている汚染の除染作業を担当した作業員の被ばくは、その十倍は下らないだろう。
即ち、原発でのそのような作業は自分の命と引き替えなのである。
そして、除染とは、放射能物質で汚染した箇所の、一般的には除染し易いようにコーティング(緑色)された床の雑巾がけである。勿論、汚染している場所が目で確認できるわけではない。これが、最新の設備であるはずの原発の中での作業である。
また、下請け、孫請けの放射線管理責任者も、率先して汚染した高い放射能レベルの箇所へ行き、放射能レベルを確認し、除染計画を作成し、除染作業中は作業員へ適切な指示を出すので、場合によっては、除染作業員以上に多く被ばくする。
放射線管理責任者は、自己犠牲を厭わない、総じて責任感が強い人達であった。
福島第一原発の終息へ向け、率先して汚染区域へ入っているのはそのような放射線管理責任者の人達であろうことを心に止めよう。
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