日本政府には、一般人の追加被曝線量を年間一ミリシーベル以下にする責務があり、現状は、一部の地域とは言え、その責務を果たさず、違法状態である。
環境省の線量基準の20ミリシーベルトは、胸部X線撮影を一日3回、毎日受け続けることに相当する。これでなんら影響が無いと思う方がおかしい。
最も信頼できる、アメリカ科学アカデミーのBEIR第七回報告書(2006年)諮問委員会(16人の委員会、1999年に設置される)のその報告書によると、
・放射線はDNAを損傷する。ヌクレオチドの塩基部の一本鎖および二本鎖切断、それに酸化的に変化を引き起こす。DNAの欠損、遺伝子および染色体の損傷は、腫瘍形成に関わりがあるとされる。この数値以下なら細胞の損傷が起こらない証明できる閾値は存在しない。
(事実に基づく結論であり、ICRPは、事実を無視していることになる、日本政府は見解の差があるとして、ICRPの見解を採用しているが)
・放射線により危険度が他のがんに比較して、著しく高いのは、十二種類があり、白血病の他、肺がん、肝臓がん、乳がん、前立腺がん、胃がん、大腸がん、甲状腺がんが含まれる。乳がんの発症率は、二倍ほどになるが、他のがんは一・五倍である。
・放射線被曝の影響に男女差があるの明らかである。
放射線に関係するがんの死亡率は、固形がんでは女性のほうは男性より三七・五%高かった。幼児のがんの危険性は、大人に比べて三~四倍高く、女児は男児の倍近い確率でがんなる可能性があった。
・20ミリシーベルトの被曝によって上昇したがんリスクが下図に示される。
この線量を浴びた結果、それぞれの年齢の被験者10万人の内、
女の乳児ががんかかる事例は約1000件
男の乳児がかる事例は約500件増加し、
三十代男性.の場合は、100件以上増えることになる。(出典:ハーバート・エイラムズ「終わりなき危機」)
当然のことながら、20ミリシーベルトには、年齢差、性別差が考慮されていない。なお、放射線の影響は、がんのリスクの上昇だけではない。
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