愉しい触れ合いを目指してゆとりの有る人生を歩みましょう

平凡な日常生活にまつわる拘り情報、写真、並びに体験談等を交えて皆さんとの交流を深めて参りたいと思います。

4年目を迎えた認知症状の妻

2008-05-23 15:48:03 | Weblog
私達の愛猫「ココ」です。
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今年の2月を以って家内は4年目を迎えました。 症状は夫々人によって異なる事は当然の事ですが、過去3年間を振り返って見ますと、もっと自分に為すべき事、してやれる事は無かったのだろうかと考え込む様になりました。 専門医と掛かり付けのファミリードクターの指示による処方された薬とリハビリを頼る以外には何も出来なかったのであろうかと疑いたくなるのです。 認知症と診断された患者は医師からも見放されるのは当然の事の様に止むを得ないのだろうかなどと遣る瀬無い気持ちを抑え、耐えていますが如何する事も出来ません。 不治の病と承知の上で症状の進行を抑えて遅らせる高価な薬を2種類毎日服用させていますが、何とも空しい思いです。 

本人の意識が有る限り最善を尽くして楽にさせて遣りたい、然しその反面で本人の生命力が徐々に失われつつ有る事も否めない事実です。果たして意識が完全に麻痺してしまった後は如何程生き永らえる事が可能なのでしょうか? 体験者の方の話を伺いますと、完全に記憶喪失に陥った時期が取り残された家族にとって尤も辛い体験を負わさせられる時である事を知らされています。 何時の日か自分にもその日が必ず訪れてくる事を前以て心の準備を充分備えておかねばならないと言い聞かせております。 

此れまでに体力を維持さす為にずーっとリハビリを続けさせて参りましたが、一向に丈夫になる兆しは愚か、益々日増しに体力の減退を意識するようになりました。今では自ら自分の身体を支える体力も無く、真っ直ぐ立っている事も出来ません。意識だけが未だはっきりしており無口になりましたが、会話を交わす事は出来ます。会話を理解する事は出来ても動作の動きが鈍く思い通りに動かす事が出来ませんので、常に介護の援助が必要となります。 又、自らの個人的な身の嗜み(たしなみ)や生理的な管理を施す事は最早不可能な状態で、将に赤ん坊の世話を看るのと何ら変りは有りません。 当然の事ながら衣服の着替え、洗顔、歯磨き、入浴、頭髪の手当て、食事を取る事から下半身の世話に至るまで総て人の手に委ねざるを得ません。 それらの世話が今の私の日課となっています。 

毎朝目を覚ましても全く何事をする意欲も持たない人形同然で、唯為されるままに文句も言わずに応じています。 日中は毎日リビングのソファーかリクライニングチェアに座って特にテレビに注目するでも無く、読書する意欲も無く、殆ど居眠りして時を過ごしています。 眠りから目を覚ますとひっきりなしに私の名前を呼び続け、その都度返事をしてもその返事に応対する事無く、更に呼び続けています。傍に行き近着くと呼びながら手を差し伸べて手を握るように催促をして来ます。 手を握ってやると暫くの間大人しくなり、何時までも握り締めていますが、恐らく自分の心に不安を感じている為なのでしょうか?

彼女の動作には完全に頼り切って安心感を覚えた面と甘えが半分交差して、時折発する声に言語障害に似た症状も僅かながら見受けられるようになりました。 発する声は言葉になっておらず全く意味不明で聞き取れません。 何かを訴えている様子ですが、何度訊ねても唯意味無く頷くだけで応えてくれません。 こんな時の彼女は果たして何処まで正気で応対してくれているのだろうかと考えさせられます。
認知症状にも色々有ると思うのですが、一般には記憶喪失が伴い昨日、今日の出来事も直ぐに忘れてしまうのですが、未だ元気だった頃の出来事は総て鮮明に記憶に残っているのです。ですから古くから親しくしていた友人達からの電話を頂くと急に人が変わった様に昔の彼女に戻り元気を取り戻して、たどたどしくも話が出来るのです。日本に居る妹達からの電話の会話もちゃんと受け応え出来るので、妹達にとっては現実の状態が充分把握出来ません。然し話が少し長引くに連れて会話の内容が繰り返される様になります。 

今では毎日この様な生活を余儀なく過ごしていますが、果たして本人自身は自分の生き方に何処まで生き甲斐を感じているのか、又、満足出来ているのかに就いては最早考える気力さえ持ち合わせていないと思われますので、悩みも苦痛も感じる事は有り得ないと思います。 私がどんなに彼女に愛情を込めて介護に一生懸命尽くしても、その気持ちを感じ取る能力さえも消え失せているのではないかと思われます。 此れが私達に与えられた運命を生かされているのだと、ただただ最善を尽くすのみで、常に前向きに頑張るしか無いものと思っています。 人間は苦労を重ねる事で強くなれるものだと言う事を実感しています。 子宝に恵まれなかった孤独な二人だけの人生を荒波に揉まれながら此処まで辿り着いて来られた事を思いますと、今更此処で挫ける訳には参りません。必ず明日と言う日が訪れて来ますので強く生きて行きたいと思います。

まだまだ話し尽くせない事も多く有りますが、私達の人生の一こまを述べさせて頂きました。私よりもっと過酷な苦労をされて日夜悩まされておられる方々は大勢いらっしゃると思いますが、それに較べると私如きの苦労は未だ「苦労」とは言えるものでは無く序の口にも至っていないでしょう。皆さんのご苦労話も是非お聞かせ下さい。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (ころん)
2008-05-24 14:58:32
ベン様のお気持ち、やさしさがあふれて涙になります。
しかし本人は苦痛(つらさ)というものがまったくわからないようです。
精神科医でさえ本人の気持ちが悟れないと思います。
最善の看護なされておられるベン様きっと最後まで思い出に浸りながら沈むことなく明るく生活なさることお祈りいたします。
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こんにちは・・ (「はな」)
2008-05-24 17:19:48
ベンさまのお優しい愛情のこもった文を拝読するにつけ胸が締め付けられる思いが致します・・
悔いの無い様に一日一日を過ごされようとするお気持ち十分すぎる位、解ります。
奥様もベンさまに何もかも委ねられ一時もお傍に・・と思われお名前を呼びながら探される様子も・・手のに取るように・・
言う事は簡単ですが、毎日となると本当に大変・・でも挫けず愛する奥さまの為にも頑張ってくださいね・

何のお役にも立てない「はな」は、悲しいです~
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ころんさんへ (ベン)
2008-05-25 09:27:18
早々とご訪問頂き、温かい励ましのお言葉を大変有難うございました。何だか同情を乞うような文面を述べて申し訳ございません。飽くまでも思ったままを書き綴ってしまいましたが、ブログのお陰で書く事により気持ちが癒され参ります。これからも宜しくお願い致します。   
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はなさんへ (ベン)
2008-05-25 09:39:59
はなさんからも早速お越し頂き、大いに元気を頂きました。はなさんの一言一言がどれだけ私に取って励みになっている事が、大変嬉しく思い癒されています。はなさんに訪問して頂くだけでも充分に私の「心を癒す役」として受け取らせて頂いています。有難うございました。頑張ります! 
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こんにちは (hohoemi)
2008-05-25 15:11:07
ベン様 
先程はご来訪有難うございます。
私は今、デジカメで写真を撮る気力も無く、皆様の素敵な画像を拝見させて頂き元気を貰っています。
どうしてこんな手になったのだろうと悲しくなり気も落ち込んできます。

でもベン様の奥様のことを考えると私は幸せ者と思います。
優しい奥様を一生懸命に尽くされているベン様。
本当に私達には考えられない程のご苦労だと思います。

私には娘と孫がいますが、娘にも家族がありますので子供には余り頼りません。

ニリンソウ(一つの茎から可愛い白いお花が2輪咲いています)で頑張って下さいと、ころん様より私のブログへお言葉を頂いたのがとても嬉しく励みになりました。

ベン様も気持ちを丈夫に持って奥様へ最善の愛情を尽くされて下さいませ。
奥様もきっと分かっていらっしゃると思います。


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hohoemiさんへ (ベン)
2008-05-25 16:01:27
早速お越し頂き有難うございます。現代に於いては自分達の老後は子供達に頼る事無く、自分達だけで支えて行かねばならない時代になりましたね。私達の身内の家族は皆日本ですので、緊急の場合は近所で親しくしている友人達が頼りです。皆同じ様な境遇の者同士なのでお互いに助け合って行く様にしています。共倒れにならない様に気を付けています。昨年はアラスカの旅行から戻って直ぐに私の疲労が祟って入院する羽目になり、家内の介護が出来なくなったので、二人共々に止むを得ずして入院させられました。もう二度と同じ体験をしたくないので充分注意しています。
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べんさんへ (沼じじ)
2008-05-26 07:49:37
ブログ読ませて頂きました。共感できる体験のない自分がコメントすると、してならない同情ばかりになりそうです。
奥さまと共にいることを運命ととらえ、自分をコントロールして、苦労と思わず介護するべんさん敬服しています。健康に気を付けてくださいね。
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沼じじさんへ (ベン)
2008-05-26 08:57:06
沼爺さんのご訪問有難うございます。愚痴っぽい記事になってしまってお恥ずかしい次第ですが、こうしてブログを通して新たな素敵な出会いでこれほど皆さんから励まされる結果を招いた事はどんなに嬉しい事かと実感しています。特に沼じじさんからは最初から何時も温かいコメントを頂き本当に嬉しく思っています。沼じじさんと交流できるようになって大変心強いです。
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読ませていただきました。 (ゆら)
2008-05-26 09:53:07
ベンさま、こんにちは。。
ご紹介いただいた「osamu」さまのブログ記事を読ませていただきました。

頼もしいお仲間達に支えられて行かれた、アラスカクルージング、よき思い出になられた旅だったと思います。
とても素敵なご夫妻で、胸が熱くなりました。

奥様を甲斐甲斐しく介護するベンさまのお姿が想像されます。

何をされても無反応に近くなるかと思いますが、奥様の体力が落ち着かれている時、お散歩や少し気分を変えて外出されるのもいいかもしれませんね。

常に前向きで思いのままをブログでお伝えなさるベンさま、とてもご立派です。
みんなが応援していますよ!!

何もお手伝いすることができませんが、どうぞこのブログを通して日々、お元気でいてくださいね。

介護するものが元気がないと、すぐ介護されるものにも影響がでてしまうと思います。

母も私がへこたれていると、ボケ始めた状態でも親としてすばやい読みをして、話しをしてきます。

またお邪魔させていただきます。
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ゆらさんへ (ベン)
2008-05-26 14:50:56
お越し頂き有難うございます。早速アラスカ旅行の様子を見て下さったのですね。大変きつい旅行でしたが、友人達の援助を受け、励まされながら愉しい想い出を残す事が出来ました。家内には此れが最後の旅行だと思って無理を承知で出掛けました。今年は又、最後の望みを掛けてハワイの私の生まれ故郷、ホノルルに行く予定でしたが家内の体力には最早限界である事を見極め無理な旅行なので諦めざるを得ませんでした。家内が元気だった頃は非常に行きたがっていたのに残念です。今の彼女にとっては週に3度のリハビリで出掛けた時に外食してドライブに連れて行くのが気晴らしとなりますが、トイレの問題が必ず伴うので精々2時間の外出が限度です。散歩は既に不可能な状態です。ゆらさんや皆さん達の優しいお気遣いでお陰で非常に励まされて元気が出ます。有難うございます。
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