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FTdx10 アンテナ自動切替 (1)準備編(3つの方法)

2025-03-15 13:25:05 | アマチュア無線

現在 FTdx10 のアンテナとしては、7/18、10/14/21/24、28、50 の4系統があり手動で切替ていますが、これをリグのバンド切換えに合わせて自動で行う回路を製作してみました。

回路の基本構成は次のように Relay-1 ~4 の各リレーをON/OFFして4系統のアンテナに切替ます。

まず自動で行うために現状の手動切替装置に自動切替回路を増設しました。これはリレー駆動回路に Tr-SW を挿入したものですが、この Tr-SW には抵抗が内蔵されていて外付け抵抗がいらない素子(DTC143E)を使っています。これは通販のパーツを探していて偶然見つけたものですが、許容電圧50V、電流100mAで何といってもその値段が¥10!とコスパ最強です。ここで Tr-SW のオンオフはロジック回路やマイコンからの5V入力で行います。

なおここでは手動切替装置がすでにあるのでこのようになりましたが、新規に製作する場合は Tr-SW の入力で自動と手動に切換えるのが一般的です。製作には穴あき基板を使って配線はコネクタを配置しています。


次に自動切替の方法としては次の3つの方法があります。

  • ①FTdx10 のバンドデータを利用しロジックICを使う
  • ➁FTdx10 のバンドデータを利用しマイコンで処理
  • (CAT制御プログラムを使っている場合 ) PCにUSB接続したマイコンで制御を行う

1.FTdx10 のバンドデータを利用しロジックICを使用する

ヤエス機には各バンドに対応するバンドデータ出力が用意されています。これは バンドデータ A、B、C、D(1・2・4・8)として後部パネルの LINEAR 端子にありますので、このBCD出力をロジック回路で各バンド出力に分け、各リレーを駆動することになります(ただし miniDIN-10Pプラグ が必要)。

このバンドデータから各バンド出力(1:1.9、2:3.5…、10:50)を得ますが、これは A(1.9)、B(3.5)、A∩B(7)…B∩D(50)のようにAND素子で組み、その出力から希望のアンテナ切替リレー駆動信号を作成します。例えば当局のように 7/18、10~24、28、50 では次の様になり、ロジックICとしては2入力ANDが2個、2入力ORが2個必要になります。ただしこの回路は(説明のため)正論理で示していますが、実際には浮遊電圧による誤動作を避けるために負論理(NAND、NOR)で構成するのが一般的です。

このようにロジックICで組む場合、必要なバンド情報やアンテナが多くなるとかなり煩雑な回路になるため、一般的にはバイナリー・十進変換素子を使います。以下の回路は負論理素子を使った場合で必要なロジックICはデコーダーの他に2入力 NAND 2個、NOR 1個、2入力 OR 1個になります。

また実際の回路構成では、FTDx10からのバンドデータ出力をそのまま接続するのは避けたいので入力にバッファを置き、また各ロジック素子を配置する基板(ソケット)が必要ですが、何といっても各ICのピン配線を実装するには結構複雑で面倒な工作が必要になります。

2.FTdx10 のバンドデータを利用しマイコン(Arduino)を使う

1.のロジック回路の論理をロジックICではなく、マイコンのプログラムで実行し目的のアンテナ切替リレー駆動信号を得る方法です。プログラムとしては練習問題で良く取り上げられる BCD to Decimal ルーチンで以下のようなフローチャートになります。

マイコンを使う利点はアンテナ構成が変わった時でも簡単に変更可能であり、また回路構成上はロジックICを並べるのに比べマイコン1個になるので配線等も非常に簡単です。Arduino を使う場合は PC と USBコード 1本でできます。

なお Arduino が動く ATomega328P を使う場合はブートローダーやプログラム(スケッチ)を書き込む手段が必要ですが、UNOを使ったり、また自作しても簡単に(安く)できるのでオススメです。


3.PCとマイコン(Arduino)の USB通信を使う

これは CAT制御プログラムが動いている場合、そのプログラム中にマイコンへのバンドデータ送信を組込み、これを受信するマイコンの出力でリレーを切替ます。そのスケッチのフローチャートは以下のようになります。

この場合は2.と同様に、CAT制御プログラムから選択されたバンド情報をシリアル通信で受信して駆動リレーを決定し、各リレー駆動出力に設定したピンを HIGH にする(5Vを出力する)だけです。またマイコンの電源は USB でPCに接続されているため別途用意する必要がありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(2)製作編につづく



FTdx10のCAT制御 キーボードでコントロール

2025-01-25 15:24:48 | アマチュア無線

FTdx10を購入してその使い勝手への不満から、VB.NET による CAT制御プログラムを制作しQSOで使ってきましたが、そのプログラムが必要とする仕様についてもう一度考えてみました。

今まで制作したCATプログラムは当初リモート制御的な仕様を考えていたため FTdx10 自体の操作は考えていなかったのですが、使ってみるとリモート制御ではなくリグは目の前にある訳なので、あって便利な機能だけ盛り込めば良いのではないか、と思うようになってきました。

FTdx10 自体の操作では、まずマウスの使用が大変便利です。マウスを使うことによって多くのメニュー操作が2クリックでできるので、この部分は強いてCATプログラムに入れなくても良いと思います(これはヤエス機の特徴といっても良いと思いますが、ヤエスさんはそのために外部ディスプレイ接続ができるようにしているものと思われます)。

しかしパネルで表示されマウスで操作できるメニュー以外は、ダイヤル左上の FUNC SWを押し現れたメニュー表から選んでクリニックあるいはタッチし、さらにその値を変えるために FUNC SWを回す(SWとVRが兼用されている)ことになります。

これが FTdx10 の操作方法の最大の不満になります。まずこの FUNC SW の押しが固く、チョンではなくガシっと押す感じです。次にメニュー表から選んでタッチするとこの表は消え、選んだメニューが右上の周波数表示の下に現れます。ここで FUNC SW・VRを回すとその間のみパネル中央にその値が現れ、はじめて目的のメニューを設定することができます。

さらに現在設定されている値を確認するにも、この FUNC SW をガチっと押さなくてはなりません。つまりこの FUNC SW・VR 操作を別の方法で簡単にできれば使い勝手が改善されることになり、これが目的とするCAT制御プログラムの仕様ではないか、と思われます。

なのでこのメニュー表から「良く使う」、「時々使う」、「一回のみ/使わず」メニューに分類してみました。その分け方は各局長さんで異なると思いますが、当局では以下の様になりました。

  • よく使う:スペクトラムスコープのレベル、CW Speed、RF出力
  • 時々使う:スペクトラムスコープのCOLOR、CWピッチ、MIC Gain、MONI LEVEL、BK-IN、PROC LEVEL、AMC LEVEL
  • 一回のみかほとんど使わない:MARKER、CONTRAST、DIMMER、M-GROUP、MIC EQ、VOX関連、BK-DELAY、DNF

以上よりCATプログラムでの操作メニューは「良く使う」、「時々使う」メニューと、今までのバンド切替、MODE、IPO、R.フィルタ及びメーター切替に限定することにして、一回かほとんど使わないメニューは省略しました。

次にこのCAT制御プログラムの仕様によると FTDX10 自体のマウス使用が前提となり、このままではリグの前に2つのマウスが並ぶことになります。なのでCAT制御プログラムの操作はキーボードでもできるような仕様にしました。

まずプログラムを起動して Enter でリグと接続しますが、もしシリアルポート関連に異常があればエラーメッセージを出して終了します。また終了は ESC です。

次に最初によく使うメニューについては以下のようにキーボードに割り当てました。

  • バンド: F1~F10/1.9~50メガ(5メガを除く)
  • RF出力: INS・DEL(10~100W)及び 数字の1(10W)~0(100W)
  • スペクトラムレベル: PageUP・PageDown
  • CW Speed: Home・End(15~25)

あまり使わない CW Pitch、Monitor Level、Mic Gain、AMC Level、Speech Processor Level は、最初に P、L、M、N、K をそれぞれ押した後上下の矢印キーで増減ができるようにしました。なお Break in、Speech Processor ON/OFF は、それぞれ B、J を割り当てています。さらに MODEにはQ、A、Z、IPO には W、S、X、Roofing Filter  には E、D、C、を割り当てています。

なおここでは Spectram Color が表示されていますが、通常は表示されず O でON/OFFができます(緑ボタン)。この Spectram Color とメーターは、それぞれ @ と「 のキーを押し左右矢印キーで選択できるようにしました(リグの前に置くのでコンパクトタイプを使用)。

このCAT制御プログラムの改修により、実際の運用ではキーボードをリグの左側に置いて左手で操作できるので使い勝手が大変良くなりました。なおこれを有効にするには、他のプログラムと同様にマウスカーソルがこのプログラム上でオンになっている必要がありますが、これはプログラムのアイコンをクリックしてプログラムが表示された状態になります。

なおバンド切替時にキーボードをパッと見てすぐ分かるように、ファンクションキーの上に百均で買った数字シールを張ってみましたが、これは効果抜群です。

参考のため ファンクションキーの F1 からF10 までを 1.9メガから50メガに割り当てる VB.NET のコードを示します。なおこれには Form1 に SerialPort1 が張付けてあり、かつその BaudRate、PortName、StopBits(=Two)が設定されているものとします。

まずマウスが Form1 をフォーカスしている状態でキーボードの操作を検出するために Form_Load にKeyPreview を書きます。次にキーボードの KeyDown を検出しますが、今ファンクションキーの F1 から F10 までを使う場合、そのキーコードは 112 ~ 121 になります。

 以上のコードだけで FTdx10 にバンド切替の指示を送ることができます。なおファンクションキーの F11 と F12 は KeyDown で e.KeyCode を拾えないので10個しか使えません。そこで 5メガバンドは飛ばしています。

このように FTDx10 に各メニューの指示を送信するだけのプログラムは簡単に制作できます。もしプログラム制作にあまりなじみのない方でも VB.NET は他のプログラム言語に比べ簡単で扱いやすいので、是非チャレンジしてみることをオススメします。

一般的にプログラム(アプリケーション)はPCのディスプレイ上で動くモノがほとんどですが、外部の機器をコントロールするこのようなアプリは非常におもしろく、作っていて楽しいプログラムだと思います。

 


IC-705 FT8 を JTDX の複数起動で

2025-01-09 16:35:23 | アマチュア無線

IC-705 FT8運用を SDR Control for Ipad で試してみましたが、やはり JTDX/Wsjt-X に比べ使い勝手が良くないのとハムログ連携ができないので、IC-705 についても  JTDX を使うことにしました。

JTDX はすでに FTdx3000 で使っていますが、この設定を元に同じ PC(Windows 11) での IC-705用起動アイコンを作成します。これは現在 ¥…JTDX で動いているものをコピーして ¥…JTDX --rig-name=IC-705 と置き換えることで、今までとは別に JTDX が起動します(詳しくはこのページ)。

エクスプローラーで隠し「ファイル表示」をONにして AppData¥Local を見ると、JTDX と JTDX - IC-705 のフォルダが見えますので、JTDX フォルダにある JTDX.ini を JTDX - IC-705 にコピーして、そこにある JTDX - IC705.ini と置き換えます。

これで起動は問題ないのですがハムログと JT-Get's で連携する場合、「ファイル」~「JTDX~ALL.txt を開く」で選択するファイルは JTDX - IC-705 のフォルダにあるものです。これは最初の起動では今までの JTDX フォルダを選択してしまうので、そのままでは「あれ、連携しないな?」になってしまいます。

無事 JTDX - IC705 が起動したら JTDX の「設定」~「無線機」、「オーディオ」を書き換えますが、オーディオでは入力と出力の設定が変わります。これは新たに IC-705 のUSB接続をすると、今までの 2-USB AUdio CODEC の他に 3-… が現れますのでこれを設定します。

以上で IC-705 FT8&JTDXの設定が完了しました。あとは IC-705 の MENU ~PRESET で「FT8」をONにすればOKです。なお運用時には MENU ~ METER で POWER、ALC、SWR を同時に監視するのが良いと思います(FTdx…にはこの表示がない)。

ここでは ALC がわずかに触れていますが、送信時に POW が落ちないでかつ ALC があまり触れないように JTDX の Pwr を調整しています。

IC-705 では「10Wでどのくらいできるかな?」、「FTdx3000/FTdx10 の50Wに比べ差があるのかな?」を試したかったのですが、結果からいうと「あまり変わらないな」が正直なところですが、もう少し続けてやってみれば少しは違いが分かるかもしれませんね。

なお IC-705 の電源が OFF の状態でも PC を起動すると IC-705 は勝手に電源ONとなります。これは USBラインから電源が IC-705 に供給されるためですが(この時の電圧表示VDは5V)、このUSBの供給電力だけで受信部は動くんですね。

ただしもしこの状態で誤ってチューンなど送信状態にしてしまうと(試していないが)、USB電源供給元の PC が最悪壊れてしまうと考えられますのでご注意を!


電波利用ホームページがリニューアルされ少し混乱

2025-01-08 13:21:16 | アマチュア無線

リグの新設/交換/廃棄などで利用する電監の「電波利用ホームページ」がこの正月6日に変わりました。昨年に申請した変更申請の状況を見に行って見つけました。

ここで「申請・届出を開始する ログイン」に入っても入れません。このページのアカウントを再申請する必要があります。といってもこの下にある小さい字を見ると「リニューアル前の・・・・アカウントをお持ちの方」とあり、ここから作業を始めます。

詳しいやり方はこのページが参考になります。

これで無事ログインができ自分のページを開いて今までの申請履歴を見てみると0件とのこと。これも左のアカウント管理から入って今までのID/パスワードで履歴を持ってくることができます。

しかしここまで来るのに結構時間を使いましたが、今までの利用者に対しものすごく不親切ではないでしょうか?

例えば新ページのIDが「連絡先のメールアドレス」に変わったのなら、同じパスワードでログインできるようにすれば良いだけの話で、再度パスワードを設定させる手間はないと思いますが?

もしくは変わった旨と再設定の方法を、アカウントを持っている利用者全員の登録アドレスにメールするサービスぐらいやったらどうでしょうか? と新年早々・・・・


FTdx10・FTdx3000 で 2バンド同時にFT8  ミニPCと縦置きディスプレイ

2025-01-01 14:23:53 | アマチュア無線

FT8をFTdx10とFTdx3000で同時に運用していますが、その設定に若干の違いと注意点があります。FTDx10のFT8設定についてはWebに多くの記事がありますが(この記事がオススメ)、FTdx3000についてはあまりなく、また記事内容がバラバラで中には「一筋縄ではいかない」との感想もありました。

しかし実際にやってみるとFTdx10に比べ若干の違いはあるものの問題なく設定ができました。FT8の設定の最初の関門はリグとのCAT通信設定ですが、「設定」-「無線機」-「CAT制御のデータービット」が少し違います。

受信だけであればデータービット設定は両方とも「デフォルト」で良いのですが、送信になるとFTdx10ではストップビットをTWO(または2)にしないとうまく行きませんでした。

なお2台のリグを1つのPCで制御する場合は、OmniRig でリグ名とCOM番号を設定していた方が良いと思います。またUSBはPC本体のコネクタに刺しておく方が動作が安定します。

また FTdx3000 の MODE DATA MENUE はFTDx10のプリセットを参考に次のように設定しています。

  • 069 OTHER DISP(SSB)      1500
  • 070 OTHER SHIFT(SSB)    1500
  • 071 DATA LCUT FREQ      100
  • 073 DATA HCUT FREQ     3200
  • 075 DATA IN SELECT        USB

なお 040 GENERAL CAT RTS を DISABLE にしないとCAT制御が効きません。

FTDx10とFTdx3000はそれぞれ WSJT-X と JTDX で2バンドFT8同時運用をしています。CW運用では国内が主でしたので7と10 がメインバンドでしたが、FT8ではDXが主となり 18 と 14 がメインバンドで、その上のハイバンドでも運用しています。

FT8を運用する場合 PC とディスプレイの配置が考えどころですが、当局はメインのPCとは別にリグ関係用としてミニPCを購入しリグの横に置いています。以前は机の下に置いた「でっかい」デスクトップを使っていましたが、ミニPCは名前の通り非常に小さくリグの横にちょこんと置けるのでリグのスイッチオンと同じ感覚で起動できます(一体化してもよさそう?)。

このミニPCは普通ディスプレイの背面に取付けるか机上に置くのですが、発熱が心配(特に夏季)なのでこのように上蓋を持ち上げてあります。またスイッチオンが押し下げでできるように縦に置いています(横押しだと軽いのでPCを抑えないと動いてしまう)。

FT8を運用する場合メインディスプレイの他にもう1面必要だと思いますが、このPCは2個のHDMI端子があり23インチと27インチのディスプレイをつないでいます。両方のディスプレイはディスプレイアームでリグの上面にセットし、また27インチは縦置きにしています。

27インチを縦にすると横幅が13インチ程度になりちょうど JTDX/WSJT-X の操作ウインドウがピッタリ入ります。また上にはマウス操作が必要無いハムログ及びこれに連動するためのJT-Get'sを並べています。この方が普通の横置きで展開するより使い勝手が良くなると思います。

FT8については「すぐ飽きる」、「QSOの実感がない」などの感想が多いようですが、昔 CW/SSBでDXを追っかけても「パワーが 100W では足りない」とか「トライバンダー以上でなくては」などとあきらめていた向きには、低パワーでダイポール程度でも結構 DX ができるのは大変 FB です(もちろんコンディションの方が影響は大きいが)。またシーズンオフでは全く聞こえないハイバンドが、冬でも DX が入感するのは結構驚きです(来年のピーク前なので?)。

これは何の趣味でも同じですが「できなかったことができるようになること」が一番嬉しいことなので、CW/SSBでの口惜しさを経験せず、いきなりFT8だけで始めた場合は「DXとはこんなものか」と思ってすぐ飽きてしまうのではないでしょうか?

なのでFT8は過去にDXを追いかけて、どうしても取れなかったエンティティーをゲットしたい、と思っている OM には特にオススメです。当局も FT8 で初めてAF、中東、カリブ海のニューが50WとDPでゲットでき、さらにニューの入感をワッチしている毎日です。