紺日わん倶楽部

日々の暮らしに彩りを

美術館めぐり

2009-02-19 | 美術館
2月は週末ごとに美術館めぐりをしました。

1、東京都美術館 生活と芸術 アート&クラフツ展ウイリアムモリスから民芸まで
2、東京国立博物館・平成館特別展妙心寺
3、国立新美術館 加山又造展
4、サントリー美術館 国宝三井寺展

個人的に一番よかったのは2番の妙心寺。次は国立新美術館の加山又造展です。
東京近郊にある美術館を時間が許す限り観て回っていますが、常に上野の国立博物館は質も量も観覧料の割りに見ごたえがあり、見終わった後、充実感や満足感があります。
今回は禅文化の礎と六世紀半に及ぶ文化財220件もの多彩な作品が展示してあり、茶道を多少嗜む関係で今回の企画は、禅の文化、時代背景を知る貴重なまたとない展覧会となりました。茶道の発祥は禅風に負うところが多く今日まで連綿と嗣がれてきた思想や精神の根源を「不立文字」(ふりゅうもんじ:言葉でなく体験によって悟る)なさってはいかがでしょうか。

以下、展覧会の案内をホームページより掲載いたします。

妙心寺は建武4年(1337)、花園法皇(はなぞのほうおう)が自らの離宮を禅寺としたことに始まります。そして、開山(かいさん:初代住持)として花園法皇によって迎え入れられたのが関山慧玄(かんざんえげん)(諡号(しごう)「無相大師(むそうだいし)」)でした。

 関山慧玄やその師、宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)をはじめとする名僧たちの墨蹟(ぼくせき)や頂相(ちんそう)、妙心寺を支援した細川家など諸大名に関する作品、中世以来妙心寺に伝わる唐物・唐絵、室町時代から江戸時代にいたる多様かつ華麗な屏風や襖絵、白隠慧鶴(はくいんえかく)ら近世の高僧の活動を伝える墨蹟・禅画など、妙心寺の禅文化を彩る貴重な文化財は、禅宗史にとどまらず、わが国の歴史や文化を物語るうえで重要な位置を占めています。

 本展は、無相大師の650年遠諱(おんき)を記念して開催されるもので、六世紀半にわたる妙心寺の歴史の中で花開いた禅の文化を、国宝4件、重要文化財およそ40件をはじめ、妙心寺本山ならびに塔頭の所蔵品を中心にご紹介します。
  重要文化財 花園法皇像(はなぞのほうおうぞう)
後花園上皇賛
南北朝時代・14世紀
京都・妙心寺蔵

国宝 宗峰妙超墨蹟 関山道号(しゅうほうみょうちょうぼくせき かんざんどうごう)
鎌倉時代・嘉暦4年(1329)
京都・妙心寺蔵

生々流転

2009-02-02 | 美術館
2月1日。久しぶりに東京国立近代美術館に行きました。
お目当ては長さ40メートルにも及ぶ横山大観の画巻物「生々流転」を拝見するためです。当日は無料観覧日にもかかわらず割と空いておりゆっくり見ることが出来ました。
生々流転は教科書にも掲載されたりしているみたいですが、本物を拝見する機会があまり無く今回このような企画に恵まれ幸いでした。
「生々流転」とは「万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わってゆくこと」という意味の言葉です。
水の一生を表現したという作品で滴から始まり川、海、大海原へ、最後は龍の化身が現れまた飛沫の一滴になるといった水の転変を描いた作品です。
まずは長さに圧倒され、緊張感と余白の美、そして流れるようなリズム、また詳細な細部の描写と水墨画の凛とした濃淡の表現力に素人ながらどんどん絵の中に吸い込まれ見終わった後は肩の力が抜けて清々しい気分になりました。

その後に隣接している東京国立近代美術館工芸館にも足を運びました。こちらも無料で拝見でき幸いでした。数は少ないですが、着物の染色や織物など工芸品と匠の手仕事である、蒔絵、竹工品、漆など大作もあり興味のある方は必見です。

「生々流転」重要文化財

東京国立近代美術館のホームページより掲載


東京国立近代美術館工芸館ホームページより掲載

森川如春庵展

2008-10-18 | 美術館


三井記念美術館
で開催されている森川如春庵展に行ってきました。10代で光悦の茶碗を2碗も個人所有する審美眼、財力と環境に畏れをいだきました。
東京国立博物館で開催されている大琳派展にも光悦の茶碗が3点展示されていますので比較してみるのには良い機会ですね。(大琳派に関しては10月12日前述)

NHKプロモーションのホームページ美術館、展覧会の紹介から写真と以下の記事は掲載しました。


大正から昭和前期にかけて、東都を中心に伝統から脱した新しい茶の湯が行われておりました。
 その中心にあった人物は益田鈍翁、すなわち三井物産初代社長益田孝(1848-1938)です。鈍翁は明治以来、日本古来の美術品が海外に流出している
ことを憂い、自ら古美術の蒐集を行うとともに、かつて使われることのなかった仏教美術などの古美術を茶の湯の世界に取り込み、鈍翁独自の茶風を打ち立てま
す。
 大正2年頃、鈍翁は一人の青年と出会います。愛知県一宮苅安賀の素封家森川勘一郎、後の如春庵です。
 如春庵は幼少時から茶の湯を名古屋の西行庵下村実栗に習い、15歳ですでに久田流の奥義に達していたといわれていますが、天性優れた審美眼の持ち主で、
16歳の時、西行庵宅で出会った本阿弥光悦作の黒楽茶碗「時雨」を懇望し入手します。さらに19歳にして平瀬家の売り立てで同じく光悦作の赤楽茶碗「乙御
前」を買い、所持します。十代に光悦の名碗を2碗所持した如春庵の感性は鈍翁を驚かせ、39歳の年齢差を感じさせない交友がはじまりました。以後、如春庵
は鈍翁を中心とする東都の数寄者たちと交わり、古美術とも広く接することになります。
 「佐竹本三十六歌仙絵巻」切断や「紫式部日記絵詞」の発見など、如春庵の長い生涯には多くのエピソードがあります。また日本の財界に活躍した鈍翁と茶の
湯一筋に生きた如春庵との温かな交流が現存する手紙や茶の湯道具のなかに今なお生きています。
 伝統の茶の湯と革新の茶の湯が隔絶している時代に、如春庵はその中間にあって、双方のあり方を踏まえ、生涯茶の湯に生きた稀有な数寄者であったといえる
でしょう。
 この度の特別展では、昭和42年に如春庵が名古屋市に寄贈した作品約50点に加え、個人の所蔵品、各地の美術館の蔵品などによって森川如春庵の茶の湯と
益田鈍翁を中心とする東都の数寄者との交流を紹介いたします。





上野の美術館

2008-10-12 | 美術館
朝から上野の美術館をはしごして観てまわりました。
1館目 東京都美術館 「フェルメール展」

2館目 東京国立博物館 「大琳派展」

3館目 東京国立博物館の東洋館 特集陳列

フェルメールの作品は以前観たことがありますが、7点もの作品を一同に観られるなんて、良い機会に恵まれました。
中に入るまで30分~40分くらい待ちましたが、デルフトの他の画家達の作品もすばらしく見ごたえがあり、時代背景や遠近法、宗教画から風俗画への移行の時期の作品など分かりやすくていい展覧会でした。
中でもデルフトの町並みを描いた「小路」と「ヴァージナルの前に座る若い女」が注目作品のようで人の波もひと際多かったです。
フェルメールの作品は光の使い方に一番の魅力を感じますが、静謐感や透明感と共に描かれている人物の表情が慎ましやかで、静かな微笑と佇まいは観るものを優しく包み込んでくれ、フゥと気持ちが安らぎ、清らかになります。
美術館ではいつもイヤホンガイドを借りていますが、初めてタッチガイドシートを使用しました。タッチペンでシートにチェックするだけで聞こえるので楽で使いやすかったです。

次に国立博物館。今回は更紗関係の陳列も興味深く拝見しました。
平成館の「茶人好みのデザイン 彦根更紗と景徳鎮」
東洋館の「ジャワ更紗と経緯絣」点数はそれほど多くは展示されていませんでしたが、緻密な型や手書き、色鮮やかな花鳥文様など異国情緒に溢れ、今尚、茶人をはじめ私達の心を捉えてやまない魅力があります。

「大琳派展」は同館で今夏展示された「対決 巨匠たちの日本美術」
中でも取り上げられていた本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、尾形乾山らが出展されており、その流れを継承する酒井抱一と鈴木其一の作品群でした。
以前見た作品も多少含まれていましたが絵画のみならず書跡、工芸作品などどれもこれも圧倒され、先に見たフェルメールとは比較は出来ませんが、屏風などの大作も多く、金箔や煌びやかな色調に見終わった後、なんだかぐったり疲れてしまいました。
 斬新で派手な装飾芸術は観る側もエネルギーが要ります。
もう一度期をあらためて次回、この展示だけを観に万全の体調で行きたいと思います。

写真はフェルメール展HPより掲載しました。

出光美術館

2008-10-03 | 美術館
出光美術館近代日本の巨匠たちを見に行ってきました

中でも近代陶芸のパイオニアの板谷波山vs富本憲吉のコーナーはその数と質の高さで他を圧倒していました。
板谷波山の代表的な葆光彩磁の花瓶は気品と静謐さを備え、草花や鳥がすりガラスやもやに包まれたような穏やかさと静けさを感じます。
一方富本憲吉は羊歯模様ば整然と並べて描かれリズムと張り詰めた緊張感を漂わせています。
併設で仙涯和尚の画賛などもあり充実のコレクションとなっています。「これくふて茶のめ」

サントリー美術館と玄鳥庵

2008-09-11 | 美術館
「小袖 江戸のオートクチュール展」と6階の玄鳥庵茶室(薄茶席)にいってきました。
小袖の方は二回目ですが毎回発見があります。江戸文化の着物の図案、染めの技術や刺繍の緻密さは日本文化の誇りです。会場内は着物着用割引があるため沢山の着物姿をみかけました。
茶室は8畳の広間と4畳半と立礼が出来る土間があります。ビルの屋上なので近代的なビル群が背景となります。露地の役割がエレベエーター?日常から非日常へ、スパイダーマンならおてのものかも!

サントリー美術館
ミッドタウン
玄鳥庵http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/current.html