こんのROAD TO V20 のはじまり

これから、「こんのROAD TO V20」としてエピソードを交えながら綴って行こうと思います。なにぶん思いが強く、長文になりますのでご了承ください。

わしが渡辺美里さんを知ったのは、８６年の４月に弟が「ｅｙｅｓ」というアルバムを持っていたことに始まる。
「聴いてみたら～」
「うん」
どこにでもあるような会話だった。まず、「悲しいボーイフレンド」というのが印象的だった。初めて大江千里さんの曲であることを知る。高校生の頃、初めて大江千里さんのライブに行ったのだが、楽しく、時には切なくなるものだった。私はこの頃、高校を卒業して社会人になったばかりであった。そのゴールデンウイーク中にいとこのうち泊まりに行ったのだが、でも「ｅｙｅｓ」を何度もかけて、おまけに車の中でも・・・きっといとこや弟は迷惑だったと思う。
「Ｍｙ　Ｒｅｖｏｌｕｔｉｏｎ」と、いう曲があったのを知ったのはその後だった。そのときはぴんと来なかった。恥ずかしながらヒットしていたのも知らなかった。ゴールデンウイーク中にリリースされた新しい曲も後々知る事となる。それぐらいこのアルバムをどっぷり聴いていた。
音楽雑誌で大々的に「ＭＩＳＡＴＯ　ＳＰＥＣＩＡＬ　ＫＩＣＫ　ＯＦＦ」と、宣伝されていて行ってみたいと思う反面、
「東京にどうやっていくのか？」
「お金どれぐらいかかるのか？」
と、疑問になった。今のわしならば、後先考えず参加を決めていただろう。結局参加はしなかった。
新しいアルバム「ＬＯＶＩＮ’　ＹＯＵ」が夏にリリースされた。その頃、弟は持病の心臓病のために高校三年の夏休みに入院、手術を行う事になる。弟はアルバムを買って何度もかけていた。主治医の都合で山形の病院で入院していた。病床で
「また、美里のアルバム聴きたいな。ＴＵＢＥやＫＵＷＡＴＡ　ＢＡＮＤのＣＤを買ってきてね。」
と、話していた。
でも、弟は聴く事が出来なかった。夏の暑い日であった。
今までいた人がいなくなって、失うものの大きさを知った。山形の病院から帰ってきて親戚がたくさんいる中で眠れない。いつも電波が入らない中、チューニングしていた「スーパーギャング」を聴こうかと思ったら、ヘッドフォンのプラグが外れてしまい音が漏れ、姉に注意された。大音量になったときに流れてきたのは「Ｍｙ　Ｒｅｖｏｌｕｔｉｏｎ」であった。サビの前の歌詞を聴き、布団をかぶり号泣した。暑いのに切ない出来事であった。

それからずっと美里さんの曲を聴きました。
その年の宮城県民会館での美里さんのライブも立ち見だったけれど、参加。職場から急いでタクシーに乗り会場に向かったのを思い出した。充実したいいライブだったなあ。翌日ツアートラックが我が家の前を通過する。

翌年の西武は８／１で職場で休めないので断念。雑誌などで様子を知る。雨の中歌う美里さんの姿が印象的だった。クレーンで上がったり、ステージを走ったのを覚えている。生で見たいなあと思い始めた。

８８年３／１２、初めて代々木体育館でスペシャルコンサート「ＯＨ！」を見る。田舎モンのわしがやっと東京でライブを見ることができた。その頃未発表の「シャララ」を聴く事が出来て感激する。サビの部分をみんなで合唱しようと練習したり、山本拓夫さんが翌日結婚式なのでバンドのみんなで胴上げをしたなあ。

この年の西武のタイトルは「ｒｉｂｂｏｎ　ｐｏｗｅｒ」今では信じられないかもしれないけれど、ココロの病にかかっていました。今思うといったほうが良かったライブだった。初めて生放送される。わしの家は今でもＢＳの見れない環境なので
「どうにかして美里さんのライブ見れるところないかなあ。」
と、探したのはなんとパチンコ屋の前だった。途中からだが見た瞬間泣きそうになった。
「これが西武球場のライブなんだ。」
年末には再放送があった。ココロの病から立ち直れず、一部上場だった企業を年末限りで辞めてしまった。夕方大掃除をしながら聴こえてきた「Ｍｙ　Ｒｅｖｏｌｕｔｉｏｎ」でリボンをかたどった風船が崩れ始め、飛んでいくシーンとともに涙を浮かべて歌う美里さんの姿に泣いた。
「ちゃんと西武のライブに参加しないといけない。」
と、思った。
翌年からわしの西武ライブの参加がはじまる。