モミジの葉の上にピンク色のものが見えますね。何だと思いますか?これは、花ではなく、種、つまり果実のことです。翼(つばさ)があるので翼果というそうです。
散歩の途中にモデルハウスがあります。そのハウスの前にモミジがあり葉の上に可愛いピンク色のものが見えたので撮影しました。その木には、「イロハモミジ」と表示してあり、その名前の由来が、葉の切れ込みをイロハニホヘトと数えたところからだと書いてありました。
イロハニホヘト ワガヨタレソ ツネナラヌ ・・・え~っとその後はなんだっけ?
なかなか思い出せないまま、気になって帰ってから調べてみました。
すると、ピンク色の可愛いものは、花ではなく、果実(種)だということです。長さ 1.5cm 程度の翼(つばさ)が2つあるところから「翼果」とも言うらしい。
花は、4~5月ごろに咲くようですが、葉の上じゃなく、下にぶら下がるように咲きます。ところが果実の方は葉の上になります(写真)。翼果は、夏から初秋にかけて熟し、風で飛ばされます。秋(10~12月)には葉が、黄褐色から紅色に色づくことはよく知られていますね。
しかし、イロハモミジやカエデの仲間の果実(種)が、風に飛ばされクルクル回りながら落ちていく姿はとても興味深いところです。雌雄同株ですが、種のできるのは雌株の木で、これは意外と知られていないようです。
さて、いろは歌ですが、平安時代末期に流行したようで、「今様」という形式(七五を四回繰り返す)を守り、その上、全ての仮名を1回ずつ使うという制約のもとで作られたものです。
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせすん
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰そ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
厳しい制約のもとで、これだけの意味のある歌が作られたことは、素晴らしいことですね。
『涅槃経(ねはんきょう)』の「諸行無常(しょぎょうむじょう)是生滅法(ぜしょうめっぽう)寂滅為楽(じゃくめついらく)」を表していると解説されています。
今日、5月21日は、24節気では「小満」にあたります。小満(しょうまん)は、陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂る頃という意味です。西日本ではそろそろ走り梅雨が現れる頃です。梅雨になる前に、外に出て季節の移ろいを楽しんではいかがでしょうか。
イロハモミジ(いろは紅葉、学名 Acer palmatum)、カエデ科カエデ属の落葉高木。タカオカエデ(高雄楓)、イロハカエデ(いろは楓)などとも呼ばれる。紅葉の代表種。