
早朝、目が覚めたと同時に、目覚まし時計の音が鳴った。
慌てて止める。
外は、雨の音が凄くて、すぐには犬の散歩に行く気になれず、
私はまた、布団に横になった。
すると、隣の夫が、寝相を変えてゴロゴロし始めた。
滅多に起きないくせに、珍しく起き上がるとトイレに降りて行った。
そして、階段を上がってくる。
私は、寝たふりをしていたけど、
ハッと、身の危険を感じた。
ヤバい。
案の定、私は、夫にズボンとパンツを掴まれて、いっぺんに下ろされた。
あらわになったところを少し悪戯された。
起きなさいと言わんばかりに。
目を少しづつ開けて、起きたふりをする。
心の中では、もたもたせずに、散歩に行けば良かったと考えていた。
夫は、目が覚めた私にこんなことを言う。
して見せなさい。
抵抗するわけじゃなく、恥ずかしいから、お腹まで、布団をかけた。
そして従った。
私は、最中、ずっと目を閉じて、彼のことを考えていた。
ここにいるのは、彼なんだと、脳に思い込ませていた。
間違えて、彼の名前を呼ばないようにしないと。
嘘みたいだけど本気で思っていた。
絶頂を迎える手前で、布団は剥ぎ取られ、
丸見えの中、私は、彼の前で、天極へ行った。
すると夫は、私に言った。
いったい、誰のことを考えてたんだ?
他の男か?
私は、一瞬ドキッとした。
動揺したら、気付かれるよ。
彼の声がした。
前に、そんな事を話したのを思い出して、
私はすぐ、夫の名を出した。
他の人なんて、いません。
その後は、いつもと変わらない。
夫は、11月の転落事故以来、腰を痛めていて、
それからは、突いてもらえなくなった。
夫だけひとりで果てる。
シナリオ通り。
朝の辛い時間が終わった。
不思議と雨が小降りになっていた。
私は、長靴を履いて、犬にリードを付けると、ようやく散歩に出かけた。