アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

ユービック その2 一粒で二度美味しい

2010-09-04 14:49:11 | フィリップ・K・ディック
結局読み直す羽目になる 退行化はここにも

「ユービック」を最高傑作と書いては見たものの
本当にそうだったのか・・

読み直し始めて、いささか冗長にも思いながら
どこから加速していくのだろうか
あるいは、どこで現実と(SF小説の舞台が現実とは言えないが)非現実の狭間を飛び越していくのか
結局、超能力者たちの戦いは周辺に押しやられて行って・・

これは文字通り悪夢から発生した物語だと思う
これは夢だと思いながらふり払えない夢
なぜそれができないのか
足が出せない、手に入れたいものが手に入れれない
お金を持っているはずなのに入っていない
使えるはずなのに壊れている
間に合うはずの時間に遅れてしまう
これは悪夢に違いないのに目を覚ますことができない
いや、これは現実なのだ・・

やはりP.K.ディックの面目躍如たる代表作に違いない
これはSFミステリー小説であり、SFホラー小説でもある

さて、また装丁の違う、といっても文庫はカバーを
掛けかえるだけなので、返本されたものも
定価を変えてリニューアルできるということがあるのか

文庫本の初版は1978年
その1で紹介したカバーがかかっていました

1984年第4刷のもの


1994年第13刷のもの


全部集められているわけではなく
最近では本屋に立ち寄ることも少なくなって
異本集めも徹底されていません
けれど1冊で2度おいしくということでご紹介



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