アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

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暗闇のスキャナー ドラッグ、クラック、スラック

2010-10-13 21:57:06 | フィリップ・K・ディック
「暗闇のスキャナー」 死にに行くために車を慎重に走らせる これは狂気なのか合理的なのか


「暗闇のスキャナー」“A Scanner Darkly” 1977年作品
飯田隆昭訳 サンリオSF文庫 1980年発行

これはSF小説か?
そもそもSF小説とは何か?
小説とは虚構に他なならないのだから、SFでない小説などあるのだろうか?

ディックの書き記す「悪夢」がすべてドラッグに由来するものではない
逆説的に、ドラッグによるものだとすれば
生きていることがすでに薬に侵されていることと同じだと言える

しかし、この本では間違いなくドラッグと人間の関係が主題になっている
読んで楽しいのか?
ドラッグを飲みながら考えてみようか・・

キアヌ・リーブス主演で2006年に映画化されている
ディック作品を原作とした映画では「ブレードランナー」がもっとも有名で成功しているが
「マイノリティ・リポート」にしても少なからずディックのエッセンスを薄めているか
インスピレーションはディックの作品かもしれないが
どこがディック的なのかわからない作品もある
「スキャナー・ダークリー」はそういう点ではディック的であることを目的とした映画のようだ

「ヴァリス」へとつながるディックの世界の展開図の一部が
ここに描かれていることには違いないだろう
立ち止まらずに次の作品にと向うべきである


「暗闇のスキャナー」 山形浩生訳 創元SF文庫 1991年発行


「スキャナー・ダークリー」 浅倉久志訳 ハヤカワ文庫 2005年発行

 思考停止

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