私が入院していた時に知り合った人が亡くなりました。
彼女と会ったのは、むくみ防止のためのマッサージの研修会で、私が声をかけたのがきっかけでした。
手術の前々日に彼女は私と同室になったので、年が近いこともあり、いろいろ世間話をしたり、
手術前の緊張をほぐすために声をかけあっていました。
彼女は有名な楽団の演奏者だそうで、私には同じ職業の友人がいて、何となく親近感を持ちました。
同じ日の手術で、話し相手がいることで、少しでも心強くなれたのです。
術後も、部屋が変わっても、廊下で立ち話したり、短い間の友達みたいな感じでした。
私は3週間で退院して、その後会うことはなく、それでも彼女のブログを見つけてからは、
どうしているか気になっていました。
去年の秋頃、彼女とメール交換して、私のことを思い出してもらえて、
また春になったら会おうねと約束したのです。
彼女は楽しみにしていますとメールに書いてくれました。
メールでしか事情を聞くことはできなくて、それでも体調が思わしくないらしいのがわかり、
もし会えたなら励まさなくてはと、季節が変わるのを待っていました。
だからこんなに早く、亡くなるとはまだ信じられず、何と言っていいのかわかりません。
医療が進んだとか何とか、世間ではがんについてたくさんの話題が毎日のようにメディアに出てきますが、
こんなに次々と亡くなる人がいて、まだすべての人が治る病気ではないという。
一体どこが最先端医療だ、ちっとも進んでない。外科手術、そして化学療法、そんなの気休めじゃないか。
私は怒りを感じます。何に怒りをぶつけていいのか。
今はわからない。
人生は一度きり、精一杯生きなくては。